超新星SN1995Dは,銀河NGC2962に出現したもので,
1995年2月10日に串田麗樹さんが発見しました.
この超新星は分光観測の結果,Ia型と判定されました. 同年2月11日から5月24日まで, 明るさの変化を追跡する測光観測が大阪教育大学で行われました. 分光観測は2月21日から27日まで岡山観測所の188cm望遠鏡で行われ, 極大時のスペクトルが得られました. 資料提供:大阪教育大学 |
SN1995D の光度曲線とスペクトル
大阪教育大学での測光観測は超新星が極大光度に達する10日前から始まり, 極大前の光度曲線が得られた珍しい例です. 近赤外線の I バンドでは, 可視のVバンドより4日早く極大光度に達しました. また,極大の後30日位たった時, 近赤外線の I バンドに2回目のピークが現れています. この現象はタイプIaで見られることが最近わかりましたが, 何が原因かはわかっていません. | 1995Dの極大時のスペクトルには,ケイ素(SiII)の線の他, 硫黄(SII),カルシウム(CaII)の線が大きく青方偏移して見えており, 典型的なタイプIaです.この青方偏移の大きさから, ガスの膨張速度は約10000km/sにも達することがわかります. NGC2962の星間ガスによるNaIの星間吸収線は見えていません. |
資料提供:定金晃三(大阪教育大学) |
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