超新星 SN1987Aのリング
(Supernova SN1987A)


1987年2月23日に大マゼラン銀河で発見された超新星SN1987Aです. 16万7000光年の距離にあります. 3つのリングを持つ超新星と,周りの星雲がはっきりと見えています.

中心にはブラックホール,あるいは中性子星ができているかもしれないと考えられていますが, まだ詳しくはわかっていません. 現在も吹き飛んだ残骸が拡散しつつあります.

超新星の拡大画像
(体験版ではご覧になれません)

Copyright (NASA / Hubble Space Telescope Public Pictures)
URL (http://oposite.stsci.edu/pubinfo/pictures.html)

SN1987Aのリングのスペクトル

ハッブル宇宙望遠鏡のSTIS(Space Telescope Imaging Spectrograph)によって観測された, SN1987Aのリングです.

左の撮像画像上の青い2本の線がスリットの幅を表しています. 右はリングが放射する元素の光ごとにわけて並べた画像で, 右上のオレンジは窒素と水素,左下の赤は硫黄, 右下の緑は酸素が放射した輝線の像です.

同じ元素が放射した異なる輝線の明るさの比からは温度が, 違う種類の元素は放射した輝線の明るさの比からはリングの化学組成がわかります. リングは超新星の光で,5000〜25000Kまで暖められていると考えられます.

こちらはSTISによって観測された,遠紫外線領域のスペクトルです.

真中と下の画像を見ると,水素のライマンα線が四方に膨張している様子がわかります. これはリングの中心の広範囲から, 光の速さの1/20にあたる15000km/sもの速さでガスが噴出しているからです. この水素の輝線には,電離した窒素も含まれています.

今までこのガスは, 超新星が爆発する2万年前, 赤色巨星だった頃に放出されたガスの残骸に埋もれて観測されませんでしたが, この紫外線の観測によって明らかになりました.

また酸素や窒素,ヘリウムのガスによる輝線は, リング自身から出ていることが明らかになりました. このリングの直径は,およそ1.2光年あります.

Copyright (NASA / Hubble Space Telescope Public Pictures)
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