分子雲(Molecular Cloud)
<体験版>

星間雲の中でも,とくに密度の高い領域では, 星の光が内部まで届かないため,水素は分子状態になっています (星の光が当たると,その紫外線成分によって,水素分子は水素原子に解離します). また他の元素も, 一酸化炭素COやアンモニアNH3や水分子H2Oなど, 分子で存在するため, このような密度の高い星間雲を分子雲(molecular cloud)と呼びます.

水素分子を直接検出するのは難しいのですが, 一酸化炭素分子など他の分子は, それぞれ特徴的なスペクトル線を放出するので, それらを観測して,分子雲の性質を調べることができます.

典型的な分子雲は, サイズが1-10パーセク(pc)程度,密度は103-106個cm-3, 温度は10Kくらいです. これから典型的な質量は,太陽の100倍から10000倍くらいになります. また分子雲の中には,質量が太陽の10万倍にも達する巨大なものもあり, 巨大分子雲(giant molecular cloud)と呼ばれています. 天体写真では,しばしば背景の星の光を遮る暗黒星雲 (dark nebula)というものが見られますが, このような暗黒星雲がまさに分子雲なのです.

星は,このような分子雲の中で生まれると考えられています.

分子雲の詳しい説明


近傍の分子雲 -Nearby Cloud-
おうし座-オリオン座の分子雲
ケフェウス座-カシオペヤ座の分子雲
きりん座の分子雲
おうし座-ぎょしゃ座-ペルセウス座の分子雲
近傍分子雲の一酸化炭素輝線強度比

巨大分子雲 -Giant Molecular Cloud-
オリオン座の巨大分子雲
いて座B2
S140分子雲
RC03,RC06,RC27,RC44
IC1396分子雲
ほ座の分子雲
りゅうこつ座のカリーナ・フレア
かじき座30星雲付近の巨大分子雲
南天の電離水素領域に付随する分子雲
電離水素領域S35, S37領域で発見された分子流天体

暗黒星雲 -Dark Cloud-
おうし座の分子雲
おおかみ座-さそり座-じょうぎ座の分子雲
パイプ星雲
わし座の分子雲
バーナード1
カメレオン座の分子雲
石炭袋
みなみのかんむり座の分子雲


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