雑誌『生物の科学 遺伝

2004年11月号(58巻6号)
B5判/112頁/

【特集 進化が見える生物,ミドリムシ/宮武和孝 企画】

 皆さんもよくご存知の“ミドリムシ”(学名:ユーグレナEuglena)は,動物と植物の両方に分類・記載されるユニークで不思議な生き物です.これまで,葉緑体をもつ真核生物であることから,おもに光合成モデル生物としての研究が活発に進められてきました.しかし,最近は,これに加えてこの生物が進化的に特異な位置を占めることが明らかとなり,さらにさまざまな視点からの比較研究が 盛んになっています.
 本特集では,ミドリムシ研究の現状を紹介します.

    特集にあたって(宮武和孝)  (→こちらから読めます
    生物進化と共生説(井上 勲
    光応答の分子機構 −ミドリムシの光運動反応にかかわる光センサー(伊関峰生・渡辺正勝)
    概日リズムとセルサイクル制御(後藤 健
    酸化ストレス防御の環境適応機構(石川孝博・重岡 成
    細胞小器官と特異酵素の分子進化(中澤昌美
    光合成タンパク質の細胞内の輸送経路 −ミドリムシのLHCPIIの動態(長舩哲齊)
    放射線応答の多様性(林 浩孝)
    未来飼料・食糧・新素材の可能性を求めて(林 雅弘・榎本俊樹)
【トピックス】
    3歳児並みに単語を理解するイヌ(鈴木光太郎)
    ハチクマの渡り衛星追跡(樋口広芳
    ゲノムからみたヒトとチンパンジー −何がヒトとチンパンジーを分け隔てたのか?(太田聡史)
    ゲノムの倍加と進化(中込弥男)
【私のメモ】
    ホウネンエビの胸肢に付着する藻類(園山 博)
    アジアカブトエビの交尾行動とアメリカカブトエビの接触行動の違い(有賀宏道)
    観葉植物の室内空気の浄化作用 −ホルムアルデヒドの除去について(奥田麻子・小田切秀穂
    タンパク質のリボンモデルの作成と活用(平岩真一)
【連 載】
【2004年総目次】



         

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