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ポピュラー・サイエンス 249
発酵食品への招待(新版)
−食文明から新展開まで−

東北大学名誉教授 農博 一島英治 著
四六判/228頁/定価1650円(本体1500円+税10%)/2002年10月
ISBN978-4-7853-8749-5 (旧ISBN4-7853-8749-1)

 発酵食品は,食品の加工・保存の手段に微生物を積極的に利用し,素材のみからでは得られない異質の風味がもたらされます.食品の素材にどのような微生物を関与させるかは,長年にわたる各民族の智恵が結晶しています.一方,近年,食品の機能性は世界的に注目されており,発酵食品の機能性に関しても多くの新知見が積み重ねられています.
 本書は,1989年の初版刊行以来,各方面より好評をいただき版を重ねてきましたが,2002年に全体にわたって記述を改め,また新たに機能性の観点から「酒類」「醤油・味噌」「発酵茶(紅茶・烏龍茶・緑茶)」の章を新設いたしました.

【目 次】

『発酵食品への招待(新版)』 カバー
1. 食と人間
 1.1 発酵食品 ―この古くて新しいものからの贈りもの
 1.2 文明の基盤としての食
 1.3 食文明の展開
 1.4 栽培植物の起源を探る
 1.5 食品加工の原点 ―粉砕
 1.6 醸造にみる発酵食品製造の思想

2. 文明を刻む発酵食品
 2.1 ワイン ―東西文明のかけ橋
 2.2 パンとビール ―酵母菌の贈りもの
 2.3 日本の酒のはじまり ―口かみの酒とカビの酒
 2.4 酢 ―世界最古の調味料
 2.5 醤から醤油・味噌へ
 2.6 鰹節 ―日本の独創的な水産発酵食品
 2.7 チーズ ―乳文明の語り部
 2.8 納豆 ―味覚構造から探る日本人の来た道

3. チーズからの発想
 3.1 乳酸菌
 3.2 乳酸発酵
 3.3 チーズの熟成
 3.4 乳タンパク質凝固のしくみ
 3.5 微生物の凝乳酵素
 3.6 遺伝子組換えによる凝乳酵素生産へ
 3.7 高齢化社会に対応する乳酸菌
 3.8 乳酸菌によるバイオプリザベーションの新展開

4. パンからの発想
 4.1 パン種 ―酵母菌の生活史
 4.2 酵母の性生活
 4.3 パンの原料
 4.4 パンの風味
 4.5 パンの工業化
 4.6 製パン作業の合理化 ―冷凍生地製パン法の開発
 4.7 小麦麩からの新しい資源 ―苦味除去酵素の開発

5. ワインからの発想
 5.1 ワインの醸造
 5.2 貴腐ワイン
 5.3 ウイルス・フリー・ブドウの育種
 5.4 細胞融合によるワイン酵母の育種
 5.5 酵母のキラー因子の活用

6. 酢からの発想
 6.1 酢酸菌
 6.2 酢酸発酵のからくり
 6.3 バイオリアクターによる食酢製造
 6.4 酢酸菌がセルロースをつくる

7. 麹菌からの発想
 7.1 麹菌
 7.2 必要が生んだ甘味料
 7.3 次世代のエネルギーへむけて
 7.4 生物資源の利用
 7.5 細胞壁の崩壊から新植物の育成へ

8. 酒類からの発想
 8.1 エタノールの機能性
 8.2 日本酒特有の機能性
 8.3 ビール特有の機能性
 8.4 ワイン特有の機能性

9. 醤油、味噌からの発想
 9.1 醤油の機能性
 9.2 味噌の食品機能
 9.3 味噌の医食同源機能

10. 発酵茶からの発想
 10.1 発酵茶は発酵食品か?
 10.2 チャの起源
 10.3 紅茶
 10.4 烏龍茶
 10.5 緑茶
 10.6 茶の健康へ寄与

おわりに
参考書
索引



         

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