矢野健太郎 著『代数学と幾何学』[初版:1958年]
今年2012年は,数学者 矢野健太郎先生が誕生されて100年目にあたります.
ご専門の幾何学に関する入門書・専門書をはじめ,やさしい数学の解説書・普及書を数多く著された矢野先生ですが,裳華房では主に大学向けの教科書を中心に約40点程(改訂版や共著・共編の書籍を含む)ご執筆いただきました.
そのうちの20点近くは,現在でも“現役”の教科書・参考書として大学・高等専門学校などでお使いいただいております.
現在,理工系の大学1年生に課せられている「線形代数」は,多くの大学で必修科目になっていますが,これは今から40年ほど前に,「代数と幾何」という科目の取り扱い範囲と名称が変わったものです.かつてその「代数と幾何」の標準的な教科書として親しまれてきたのが本書です.
式や解の性質を対象とする「代数学」と図形を対象とする「幾何学」の組合せは,現在の授業科目からするとやや異色な感じを受けますが,発行部数は累計で10万部を超えました(科目の取り扱い範囲の変更に伴い,1974年2月発行の第26版が最終版です).
本書は今年(2012年)3月,矢野先生の生誕100年を記念して復刊しました.幾何的素養の欠如が叫ばれる昨今,問題提起の一冊として是非ご覧ください.
復刊した『代数学と幾何学』の書籍紹介サイトは下記です.
https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-1010-3.htm
【矢野健太郎先生 ご略歴】
1912年3月1日,東京に生まれる.東京大学理学部数学科卒業,東京大学講師,同助教授,新潟大学教授,東京工業大学教授を経て,東京工業大学名誉教授.またプリンストン高等研究所所員,ローマ大学,香港大学,カリフォルニア大学,イリノイ大学等の客員教授を務める.理学博士.1993年12月25日歿.
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