X線観測衛星(X-Ray Satellite)

天体現象を宇宙空間から観測する目的で打ち上げられた衛星を, 天文観測衛星 (astronomical satellite) と総称しています. ここでは主なX線観測衛星 (X-ray satellite) を紹介します. 他のものについては,天文観測衛星一覧表を参考にしてください.

天文観測衛星一覧表
天文観測衛星活動年表

ウフル は,1970年12月に打ち上げられた世界で最初のX線観測衛星です. スワヒリ語で自由を意味するウフル(Uhuru)と命名されました. ウフルは,ブラックホール候補Cyg X-1(はくちょう座X-1)などを発見しました. アインシュタイン は,1978年11月に打ち上げられた大型のX線観測衛星で, はじめてX線反射鏡を搭載し, 数多くの天体のX線イメージを撮影しました.
はくちょう は,1979年2月に打ち上げられた日本で最初のX線観測衛星です. 広視野すだれコリメータと80平方cmの比例計数管を搭載し, 主にX線バースト源の探査を行いました. てんま は,1983年2月に打ち上げられた日本で2番目のX線観測衛星です. エネルギー分解能のよい蛍光比例計数管を搭載し, X線バースター,X線パルサー,低質量X線連星, 超新星残骸など多くの天体を探査しました.
エクソサット/EXOSAT は,1983年5月に打ち上げられたヨーロッパのX線観測衛星です. 主に銀河系内のX線連星を観測したのですが, 活動銀河も観測してX線の時間変動を研究しました. ローサット/ROSAT は,1990年6月に打ち上げられたヨーロッパのX線観測衛星です. 口径84cmでF/2.8のX線反射鏡を搭載し, X線および遠紫外線での全天走査などを行いました.
ぎんが は,1987年2月に打ち上げられた日本で3番目のX線観測衛星です. 大面積比例計数管LACと,X線全天モニターASM, ガンマ線バースト検出器GBDを搭載し, クェーサーなど活動銀河の観測で大きな成果をあげました. あすか は,1993年2月に打ち上げられました. 搭載したX線望遠鏡で, 星や銀河・銀河団など宇宙最深部のX線探査を行っています(1999年10月).
ようこう は,1991年8月に打ち上げられた太陽観測衛星です. 軟X線カメラ,硬X線カメラ,X線スペクトル観測装置,γ線スペクトル観測装置 などを搭載し, 太陽フレアなどの精密な観測を行っています. ASTRO-E は,2000年初頭に打ち上げられる予定のX線観測衛星です. X線望遠鏡による軟X線像の撮影と分光, および硬X線検出器による広帯域の観測を行う予定です.

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