ガス粒子どうしの相互作用などさまざまな過程によって,
ガス(物質)から光が放出されます.
地球の大気や星の内部などでは,多くの場合,
ガスは熱力学的に平衡状態に達していて,
温度,密度,圧力などが決められます.
さらにガスと光/輻射(photon/radiation)との相互作用が大きく,
光子が原子によって頻繁に吸収放出されたり,
あるいはランダムに多数回散乱されていると,
(ガスと共に)輻射も(ガスと同じ温度の)熱力学的平衡状態になっています.
このときの光子の分布(あるいは,そのときに放射されるスペクトル)が,
黒体輻射スペクトル(blackbody spectrum)とか,
プランク分布(Planck distribution)と呼ばれるものです.
光の強さ(輻射強度)は,一般には,時刻や場所や方向によって変わりますが,
黒体輻射スペクトルは,一様かつ等方的であり,唯一,
熱平衡の温度 T だけに依存します. ある振動数νでの黒体輻射スペクトルの強度 Bν は, 光速を c,プランク定数を h, ボルツマン定数を k とすると, また,ある波長λでの黒体輻射スペクトルの強度 Bλ は, |