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化学の指針シリーズ 
物性化学 −分子性物質の理解のために−
Study of Physical Phenomena in Materials Chemistry

在庫マーク

東京大学名誉教授 理博 菅原 正 著

A5判/276頁/定価3520円(本体3200円+税10%)/2023年11月20日発行
ISBN 978-4-7853-3229-7  C3043

電子書籍

 ある物質が、特徴的な物性を表すのはなぜか。その物性発現の仕組みを解く鍵は、「電子」が握っている。
 原子内および分子内の電子構造、外的刺激に対して電子がどのように応答するかなど、「電子の振舞い」を詳細に追いながら、光物性、導電性、磁性といった物性発現の基礎と応用、将来の展望をていねいに解説。図版を多用した豊富な実例、広範な話題を取り上げた数多くのColumnとあいまって、物性化学という分野の魅力をあますところなく伝える、画期的かつ本格的な物性化学の教科書・参考書である。


サポート情報

まえがき (pdfファイル)  索引 (pdfファイル)

「裳華房 編集部」note 『物性化学』を学ぶならこの一冊

目次 (章タイトル)  → 詳細目次

1.日常出会う物性現象
2.物性を導く電子構造 −ヒュッケル分子軌道法による理解−
3.$\pi$ 電子系のトポロジーと物性
4.光と分子の相互作用
5.光誘起の物性現象
6.導電性を示す物質
7.導電性の展開と応用
8.磁性の基礎
9.磁性の展開と応用

詳細目次  →『物性化学』目次

まえがき (pdfファイル)

1.日常出会う物性現象
 1.1 光物性とは −光合成におけるエネルギー変換−
  1.1.1 光合成の概要
  1.1.2 アンテナ複合体における光のエネルギーの獲得と伝播
  1.1.3 光化学系IIにおける電荷分離
  1.1.4 電子・プロトン輸送によるプロトン濃度勾配の形成
  1.1.5 光合成の意義
 1.2 導電性とは
  1.2.1 金属・半導体・絶縁体および超伝導体
  1.2.2 導電性ポリマーと電荷移動錯体
  1.2.3 有機エレクトロニクス
 1.3 磁性とは
  1.3.1 磁化の測定と磁化過程
  1.3.2 磁性の起源と磁化の温度依存性
  1.3.3 スピントロニクスへの展開
 演習問題

2.物性を導く電子構造 −ヒュッケル分子軌道法による理解−
 2.1 電子構造の多様性とその解析法
 2.2 ヒュッケル分子軌道理論
  2.2.1 ヒュッケル分子軌道法の特徴と解法
  2.2.2 永年方程式を用いた固有値と固有関数の導出
  2.2.3 エチレンの分子軌道から1,3-ブタジエンの分子軌道へ
 2.3 金属の電子構造と物性
  2.3.1 半導体・金属ナノ粒子の特異な電子構造
  2.3.2 半導体・金属の電子構造とメゾスコピックな物性
 2.4 遷移金属錯体の配位子による $\rm{d}$ 軌道の分裂が導く物性
  2.4.1 配位子による縮重 $\rm{d}$ 軌道の分裂
  2.4.2 結晶場理論および配位子場理論
  2.4.3 遷移金属錯体の電子構造と磁性発現
 2.5 $\pi$ 電子系の原子配列と電子構造
 演習問題

3.$\pi$ 電子系のトポロジーと物性
 3.1 $\pi$ 電子系のトポロジーと電子構造
 3.2 鎖状 $\pi$ 共役電子系から物性発現へ
  3.2.1 固有値・固有関数の一般式
  3.2.2 鎖状 $\pi$ 共役系の特徴
  3.2.3 鎖状 $\pi$ 共役系の光吸収
  3.2.4 鎖状 $\pi$ 共役系の導電性
  3.2.5 鎖状 $\pi$ 共役系の磁性
 3.3 環状 $\pi$ 共役系の電子構造から物性へ
  3.3.1 環状 $\pi$ 共役系の軌道エネルギー
  3.3.2 環状 $\pi$ 共役系の特徴
  3.3.3 環状 $\pi$ 共役系の光吸収
 3.4 ヒュッケル則
  3.4.1 環状 $\pi$ 共役系の導電性 ドナー・アクセプターの設計
  3.4.2 環状 $\pi$ 電子系の磁性分子設計
 3.5 交差 $\pi$ 電子系の特徴
 3.6 $\pi$ 共役系の電子構造にみられる“交互炭化水素”の偶奇性
  3.6.1 交互炭化水素の電子構造
  3.6.2 交差 $\pi$ 共役系のNBMOの数
 3.7 NBMO法によるNBMOの算出
 3.8 高スピン分子の設計と合成
 演習問題

4.光と分子の相互作用
 4.1 光による原子・分子の励起
  4.1.1 光による状態間の遷移
  4.1.2 水素原子の光の吸収についての量子力学的解釈
  4.1.3 $\pi$ 共役分子の光吸収
 4.2 分子の光励起とその後続過程
  4.2.1 分子の光吸収と発光
 4.3 項間交差とスピン反転
  4.3.1 励起一重項と三重項
  4.3.2 スピン−軌道カップリングと軌道項間交差
 演習問題

5.光誘起の物性現象
 5.1 エキシマー形成とその励起状態のエネルギー曲線
  5.1.1 ピレンのエキシマー形成
  5.1.2 エキシマー・エキシプレックス形成のエネルギーランドスケープ(景観)
 5.2 励起子が関与する物性
  5.2.1 励起子(エキシトン)の局在性と非局在性
  5.2.2 励起子相互作用の励起状態への影響
  5.2.3 分子間の相対配置と励起子相互作用
  5.2.4 励起子相互作用の実例
 5.3 光誘起分子間エネルギー移動
  5.3.1 分子集合体内でのエネルギー移動
  5.3.2 励起エネルギーの分子間移動の機構
 5.4 光励起電子移動
  5.4.1 光励起電子移動の仕組み
  5.4.2 溶媒分子の関与
  5.4.3 マーカスの理論
  5.4.4 逆転領域の実験的検証
 5.5 光合成における電子移動と太陽電池
  5.5.1 光合成反応中心の超分子系
  5.5.2 光合成に学ぶ光エネルギー変換 −半導体を用いた太陽電池−
 演習問題

6.導電性を示す物質
 6.1 電気を流す物質
  6.1.1 電気伝導性とは −金属,半導体,絶縁体−
  6.1.2 金属と半導体の違い
  6.1.3 電気伝導度とその異方向性
 6.2 遷移金属イオン錯体の導電性
 6.3 導電性高分子
  6.3.1 ポリアセチレンの異性体の構造に依存するソリトンの発生
  6.3.2 ポリアセチレンのドーピング
  6.3.3 分子軌道法による導電性の理解 −結合交替と絶縁化−
  6.3.4 導電性ポリピロール・ポリチオフェン
 6.4 分子性結晶の導電性 −有機合成金属−
  6.4.1 高い電子供与性,受容性をもつ分子の設計
  6.4.2 分子配列と電気伝導性
  6.4.3 電荷移動錯体の伝導度
 演習問題

7.導電性の展開と応用
 7.1 物質内の電子エネルギー −波長から波数へ−
  7.1.1 自由電子
  7.1.2 電子の占有領域依存性
  7.1.3 電子系の次元性とフェルミ面
  7.1.4 状態密度とフェルミ-ディラック分布
 7.2 バンド理論の基礎 −一次元電子についての説明−
 7.3 周期的ポテンシャル内の電子
  7.3.1 格子の周期性とエネルギーバンドの出現
  7.3.2 ブロッホ関数
 7.3.3 バンド構造の折り畳み
 7.4 禁制帯の出現
  7.4.1 金属・半導体の区別
  7.4.2 ヒュッケル分子軌道理論での禁制帯の出現
 7.5 一次元導電体のパイエルス転移
 7.6 超伝導
  7.6.1 超伝導の歴史
  7.6.2 ペロブスカイト構造の誘電体から超伝導体へ
  7.6.3 超 $\rm{90\,K}$ 級超伝導体の出現
  7.6.4 超伝導の機構
  7.6.5 有機超伝導体
 7.7 真性半導体の電子の分布
 7.8 半導体の電子構造と機能
  7.8.1 $\rm{pn}$ 半導体の接合
  7.8.2 $\rm{p\text{-}n}$ 接合とダイオード形成
 7.9 金属−半導体接合で構成するトランジスタ
  7.9.1 バイポーラトランジスタの構造
  7.9.2 $\rm{NPN}$ トランジスタの操作
  7.9.3 電界効果トランジスタ
 演習問題

8.磁性の基礎
 8.1 磁石の起源と磁性の利用
  8.1.1 磁石と文明
  8.1.2 磁性の利用
 8.2 磁性の起源
  8.2.1 軌道運動による磁気モーメント
  8.2.2 スピンによる磁気モーメント
  8.2.3 全角運動量
  8.2.4 巨視的磁性発現に至る階層性
 8.3 磁性体の種類 −常磁性体,強磁性体,反強磁性体,およびフェリ磁性体−
 8.4 磁気的相互作用の温度依存性
  8.4.1 磁化率の測定
  8.4.2 磁性体の温度依存性
  8.4.3 磁化率に対する磁場の効果
 8.5 交換相互作用とスピン整列
  8.5.1 原子内のスピン整列
  8.5.2 原子間のスピン整列
  8.5.3 スピンハミルトニアン
 演習問題

9.磁性の展開と応用
 9.1 反強磁性・強磁性相転移
  9.1.1 超交換相互作用と反強磁性相転移
  9.1.2 超交換相互作用と強磁性相転移
  9.1.3 フェリ磁性体としてのマグネタイトの磁化
  9.1.4 鉄の強磁性
  9.1.5 強磁性体の磁化曲線
 9.2 有機分子で新しいスピンシステムを作る
  9.2.1 安定 $\pi$ ラジカルの電子構造
  9.2.2 分子間でスピンを揃える
 9.3 磁石となる有機ラジカル
  9.3.1 強磁性体となる有機ラジカル結晶の出現
  9.3.2 水素結合性ラジカル結晶でできた磁石
 9.4 スピン分極ドナーの電子構造
 9.5 遷移金属錯体の磁性
  9.5.1 低次元磁性錯体
  9.5.2 単分子磁石とは
 9.6 有機物質における磁性と導電性の連携
  9.6.1 スピントロニクスとは
  9.6.2 磁性と導電性を併せもつ物質を作るには
 演習問題

付録
 A2.1 ヒュッケル分子軌道関数・エネルギーの求め方
 A2.2 鎖状4原子クラスターあるいは1,3-ブタジエンの軌道エネルギー:軌道エネルギーと軌道の形
 A3.1 共役長の伸長とHOMO-LUMO軌道のエネルギー差
 A3.2 一般解を用いたアリルラジカルの分子軌道と軌道エネルギー
 A3.3 環状4原子クラスターあるいはシクロブタジエン($n=4$)
 A3.4 交差炭化水素の種類 炭素数4の場合 トリメチレンメタン
 A3.5 交互炭化水素の分子軌道における対形成の原理
 A4.1 1,3-ブタジエンのと $s\text{-}trans$,$s\text{-}cis$ 異性体
 A5.1 電荷移動錯体とエキシプレックスの形成
 A5.2 励起子の二量体モデル
 A7.1 波数空間内の電子の波の分布
 A7.2 二次元電子系の波数ベクトル表示とバンド構造
 A7.3 三次元電子系の波数ベクトル表示とバンド構造
 A7.4 チタン酸バリウムと強誘電性
 A8.1 ボーア磁子の算出
 A8.2 平均場近似により示されるキュリー温度の意味
 A8.3 スピンハミルトニアン
 A9.1 ハイゼンベルグハミルトニアンと二量体モデル
 A9.2 空間電荷制限電流:SCLC

演習問題略解
参考文献
索引 (pdfファイル)

Column
 緑色植物の光合成の機構
 磁気共鳴イメージングにおける超伝導磁石とプロトンの核スピンの挙動
 配位子場理論
 環状炭化水素のイオン化ポテンシャル
 円環図を用いる軌道エネルギーの解法とヒュッケル則
 フェナレニルを基盤とした非ケクレ分子
 トリメチレンメタン(TMM)とテトラメチレンエタン(TME)の電子構造の比較
 レチナールの光異性化と視覚の仕組み
 フント則
 エキシマー(エキシプレックス)形成の原因
 遷移双極子相互作用の角度依存性
 会合体の構造変換
 フェロセンとビフェロセン
 電子移動度
 配位子場理論による平面正方形遷移金属錯体の分子軌道形成
 ヤーン-テラー効果
 原子価異性とと $s\text{-}trans$,$s\text{-}cis$ 異性体
 ソリトンとポーラロン
 低次元導電体の構造変調に伴う絶縁化
 分子性導電体のオンサイト・クーロン $\rm{U}$ と移動積分 $t$
 バンド理論での波数の定義
 真空管の仕組み
 $\rm{MOS}$ ダイオード
 $\rm{TCNQ}$ を用いた $\rm{FET}$ の測定
 両極性分子($\rm{ TCT_4Q}$)で構築する $\rm{FET}$ のダイオード特性
 磁性の単位系
 磁束密度と磁場の強さの単位
 磁場の強さと磁束密度の関係
 反強磁性体の $\rm{TN}$ 以下の磁化率にみられる磁気異方性
 フント則の量子化学的解釈
 スピン分極
 磁場応答型金ナノ粒子ネットワーク

著作者紹介

菅原 正
すがわら ただし 
1974年 東京大学大学院理学系研究科博士後期課程修了。岡崎国立共同研究機構分子科学研究所助手、東京大学助教授・教授、神奈川大学教授などを歴任。主な著訳書に『現代化学』(共著、放送大学教育振興会)などがある。

(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)


姉妹書
「化学の指針シリーズ」

この著作者の本
『超分子の化学』
超分子の化学

関連書籍
『物質の機能を使いこなす』
物質の機能を使いこなす


『物性化学[POD版]』
物性化学[POD版]


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