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裳華房 今月の話題

マラリア原虫とハマダラカのゲノム情報解読

 

(2002.11.1)

 マラリアはエイズ,結核とともに3大感染症とされ,現在も年に100万〜300万人の人がマラリア感染によって死亡しています.他の病気と比較すると,マラリアはとくに貧しい田舎の村に多いのが特徴です.
 クロロキンはマラリアの治療薬として60年前から使われてきましたが,現在はこれに耐性を示すマラリア原虫が増加し,より高価な治療薬を長期にわたって使用せざるを得なくなっています.

 そのような折,マラリア原虫と,それを媒介するハマダラカのゲノム情報が二つの国際チームによって解読されました.これによって新しい治療薬や殺虫剤が開発されることが期待されています(朝日新聞毎日新聞より).

 いよいよゲノム情報の解読が実際の医療に役立つ時代となりました.

 弊社では分子遺伝学や遺伝子操作の基礎を解説した書籍や,ゲノム情報が今後の遺伝学に与える影響について解き示した雑誌を刊行いたしますのでそれぞれ紹介させていただきます.

ゲノムサイエンスのための 遺伝子科学入門(赤坂甲治 著)

・「生物の科学 遺伝」別冊15号
 遺伝学はゲノム情報でどう変わるか−ポストゲノム時代を展望する−

 また,「生物の科学 遺伝」別冊14号細胞のミクロコスモス−進化とゲノムからその素顔にせまる−では,マラリア原虫の色素体「アピコプラスト」の機能を調べることで新しい治療薬の開発ができるかもしれないと述べられています(「マラリア原虫は植物なのか?−進化とゲノムの視点から−」松崎素道・黒岩常祥).



         

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