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大人の初等数学 −式と図形のおもしろ数学史−
Elementary Mathematics for Adults

在庫マーク

元 富士短期大学教授  片野善一郎 著

A5判/214頁/定価2640円(本体2400円+税10%)/2006年5月発行
ISBN 978-4-7853-1541-2 (旧ISBN 4-7853-1541-5)  C3041

電子書籍

 初等数学は生徒の教育時にだけ供するような子どもだけのものではない。大人が楽しめるものもたくさんある。
 本書では、初等数学上の興味ある幾つかのトピックスを歴史の中から取り上げたものである。


サポート情報

まえがき (pdfファイル)   索引 (pdfファイル)

目次 (章タイトル)  → 詳細目次

第 I 部 数式編
 1.60進法の由来とそれがもたらしたもの
 2.ピタゴラスはなぜ数を重視したのか
 3.方程式の歴史から学ぶこと
 4.鶴亀算とその類型問題
 5.詩文で書かれた数学の問題
 6.古算書にみられる利息の計算
 7.暦の基礎知識と数理
第 II 部 図形編
 1.嫌われたユークリッド幾何
 2.ナポレオンが解いた作図問題
 3.蜜蜂の巣はなぜ正六角形なのか
 4.円周率計算のはじまり
 5.角錐・円錐・球の求積
 6.ヘロンの公式について
 7.コンパス,三角定規,分度器の由来

詳細目次  →『大人の初等数学』 目次

まえがき (pdfファイル)

第 I 部 数式編

1.60進法の由来とそれがもたらしたもの
 1-1 メートル法の単位は10進法になっているか
 1-2 面倒な60進法,いつまでも捨てきれない古い慣習
 1-3 時間の単位を10進法にしたこともあった
 1-4 60という単位は,いつ,どのようにして創られたのか
 1-5 ギリシアの天文学者が60進法を定着させた
 1-6 15世紀まで行われた60進小数による計算
 1-7 60進小数や分数の計算から逃れるための工夫

2.ピタゴラスはなぜ数を重視したのか
 2-1 ピタゴラスの思想
 2-2 魂を浄化するには音楽が有効である
 2-3 音階の研究から数の研究へ進む
 2-4 数と図形とを関係づける
 2-5 ピタゴラス学派を驚かした5角形の秘密

3.方程式の歴史から学ぶこと
 3-1 方程式の歴史は代数学の歴史である
 3-2 「方程」とは数を一定のきまりに従って四角に並べることである
 3-3 西欧の代数の基礎となったアラビアの代数は「言葉の代数」だった
 3-4 計算で2次方程式を解いたインド人
 3-5 現在のような代数記号が使われるようになるまで5世紀もかかった
 3-6 3次方程式から生まれた虚数

4.鶴亀算とその類型問題
 4-1 鶴亀算の由来
 4-2 鶴亀算の類型問題
 4-3 鶴亀算の図解
 4-4 動物が3種以上になったらどうなるか

5.詩文で書かれた数学の問題
 5-1 ディオファントスは何歳まで生きたか
 5-2 インドの数学書の問題
 5-3 漢詩で書かれた中国の数学問題
 5-4 ロシアの数学書の問題
 5-5 江戸時代の数学書の問題
 5-6 数学の公式を詠んだ歌

6.古算書にみられる利息の計算
 6-1 古代バビロニア時代からあった利息の計算
 6-2 身分が低い人ほど高金利だった古代インドの利息計算
 6-3 年賦返済のような方法もあった古代中国の利息計算
 6-4 奈良時代に行われた稲の貸付では利息が5割だった
 6-5 江戸時代の庶民の金融組織「頼母子講」
 6-6 江戸時代初期には貸米の複利計算が行われていた
 6-7 江戸初期の利息計算では西洋のパーセントに当たる文子が使われた
 6-8 月ごとの複利計算の問題が扱われている『塵劫記』
 6-9 元銀と元金が混在している幕末の和算書

7.暦の基礎知識と数理
 7-1 暦は暦法といわれて人間生活の規範だった
 7-2 太陽暦の歴史 − ユリウス暦からグレゴリオ暦へ
 7-3 現行暦の問題点 − 閏年のおき方
 7-4 江戸時代に日本人が使っていた暦 − 太陰太陽暦
 7-5 日本が太陽暦を採用したのは明治6年
 7-6 太陰暦での閏年のおき方
 7-7 現在も残っている旧暦の名残の干支
 7-8 西暦年数から干支を求める方法

第 II 部 図形編

1.嫌われたユークリッド幾何
 1-1 ユークリッド『原論』はどのようにして創られたか
 1-2 ユークリッド幾何を笑った哲学者たち
 1-3 ユークリッドに悩まされた中世の学生たち
 1-4 初等幾何学に魅せられた人たち
 1-5 初等幾何学の教育的価値

2.ナポレオンが解いた作図問題
 2-1 コンパスだけで円を4等分する問題
 2-2 初等幾何の作図問題ではなぜコンパスと定規だけしか使ってはいけないのか

3.蜜蜂の巣はなぜ正六角形なのか
 3-1 ギリシアのパッポスの本にある「蜜蜂の巣の話」
 3-2 等周図形では円が最大の面積をもつことの実証
 3-3 ギリシアのゼノドロスの『等周図形論』

4.円周率計算のはじまり
 4-1 古代中国の円周率
 4-2 古代中国の円周率の研究
 4-3 江戸初期の和算家の円周率の研究
 4-4 ギリシアのアルキメデスの円の研究

5.角錐・円錐・球の求積
 5-1 角錐・円錐の体積の求め方の説明
 5-2 球の表面積と体積の求め方の説明
 5-3 和算家の球の体積の計算法

6.ヘロンの公式について
 6-1 ヘロンの公式の導き方
 6-2 ヘロン自身が行った幾何学的方法
 6-3 ヘロンが書いているもう一つの方法
 6-4 インドの数学書にでている三辺から面積を求める方法
 6-5 三辺から面積を求める和算家の方法
 6-6 中国数学書にある三辺から面積を求める方法
 6-7 ヘロンの公式のもう一つの幾何学的証明法

7.コンパス,三角定規,分度器の由来
 7-1 コンパスと定規のはじまり
 7-2 日本での定規とコンパスのはじまり
 7-3 三角定規のはじまり
 7-4 分度器のはじまり

参考文献
索引 (pdfファイル)

著作者紹介

片野 善一郎
かたの ぜんいちろう 
1925年 東京都に生まれる。東京物理学校(現 東京理科大学)高等師範科数学部卒業。富士短期大学教授などを歴任。専門は数学史、数学教育史、科学史。主な著書に『教師のための数学史』『数学用語の由来』(以上 明治図書)、『おもしろくてためになる 数の雑学事典』(日本実業出版社)、『数学を愛した作家たち』(新潮社)などがある。

(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)


姉妹書
『数学用語と記号ものがたり』
数学用語と記号
ものがたり


『素顔の数学者たち』
素顔の数学者たち


関連書籍
『円の数学』
円の数学



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