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磁性理論の進歩
Progress in Theory of Magnetism
東京大学名誉教授 理博 守谷 亨・
大阪大学名誉教授 理博 金森順次郎 編/
金森順次郎・守谷 亨・糟谷忠雄・立木 昌・長岡洋介・吉森昭夫・近藤 淳・芳田 奎 執筆
A5判/290頁/定価4400円(本体4000円+税10%)/1983年11月発行
ISBN 978-4-7853-2904-4 (旧ISBN 4-7853-2904-1)
C3042
1982年12月に開催されたシンポジウム「磁性物理学の諸問題」の講演内容の主題を講演者が平易に解説したものであり、磁性理論の近年の進歩・発展を知るための解説書。
1.遷移金属の電子構造と磁性
2.金属強磁性理論 −その発展と現状−
3.f電子系の異常 −高濃度近藤状態−
4.磁性と超伝導
5.固体ヘリウム3の磁性
6.遷移金属表面と吸着
7.金属のフェルミ面効果
8.磁性研究の歴史と展望
1.遷移金属の電子構造と磁性[金森順次郎]
1.1 遷移金属の電子構造の概観
1.2 バンド計算の基礎
1.3 磁性金属・合金の電子構造(s‐d混合を中心にして)
1.4 多体効果
1.5 s状態,s‐d混合の重要性(まとめに代えて)
文献
2.金属強磁性理論 −その発展と現状−[守谷 亨]
2.1 序論──局在モデルと遍歴モデル
2.2 静的・動的平均場近似とその限界
2.3 金属中の局在磁気モーメント
2.4 弱い強磁性および反強磁性金属──自己無撞着なスピンのゆらぎの理論
2.5 スピンのゆらぎの統一的描像
2.6 統一理論の諸結果
2.7 スピンのゆらぎの動的性質と短距離秩序
2.8 結語
文献
3.f電子系の異常 −高濃度近藤状態−[糟谷忠雄]
3.1 序論
3.2 Ce化合物における異常現象の一般的考察
3.3 CeB6の高濃度近藤状態
3.4 その他のCe化合物の異常
3.5 Ce化合物以外の物質の異常
3.6 結語
文献
4.磁性と超伝導[立木 昌]
4.1 はじめに
4.2 実験事実
4.3 超伝導電子と磁気モーメントとの間の相互作用
4.4 磁束量子化と渦糸状態
4.5 相図
4.6 強磁性超伝導体の表面
4.7 強磁性超伝導体の薄膜
4.8 ジョセフソン(Josephson)効果
4.9 おわりに
文献
5.固体ヘリウム3の磁性[長岡洋介]
5.1 はじめに
5.2 状態図と量子効果
5.3 基底状態の波動関数
5.4 トンネル効果による原子の非局在化
5.5 交換相互作用
5.6 固体3Heの交換相互作用
5.7 高温の磁性
5.8 秩序相への転移
5.9 核磁気共鳴とスピン構造
5.10 4スピン相互作用とスピン構造
5.11 磁場中の相転移
5.12 高圧下の相転移
5.13 まとめ──何がわかったか
文献
6.遷移金属表面と吸着[吉森昭夫]
6.1 はじめに
6.2 W(1 0 0)表面の再構成
6.3 W(1 0 0)表面再構成への水素吸着の効果
6.4 Newns‐Andersonモデル
6.5 吸着子系でのスクリーニングおよび結合状態
6.6 W表面の吸着アルカリ原子による仕事関数の変化,および金属表面での吸着子の摩擦係数
6.7 時間に依存するNewns‐Andersonモデル
文献
7.金属のフェルミ面効果[近藤 淳]
7.1 Andersonの直交定理
7.2 金属中の二準位系
7.3 金属中の重い粒子(バンド的)
7.4 金属中の重い自由粒子
文献
8.磁性研究の歴史と展望[芳田 奎]
8.1 はじめに
8.2 局在電子系の磁性研究
8.3 遍歴電子系の磁性研究
8.4 遍歴電子と局在スピンとの相互作用
8.5 磁性研究の展望
文献
索引
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守谷 亨
もりや とおる
1930年 神奈川県に生まれる。大阪大学理学部卒業。東京都立大学助手、米国ベル電話研究所研究員、東京大学助教授・教授、東京大学物性研究所所長、東京理科大学教授などを歴任。主な著書に『磁性物理学』(朝倉書店)などがある。
金森 順次郎
かなもり じゅんじろう
1930年 大阪府に生まれる。大阪大学理学部卒業。大阪大学講師、パリ大学客員教授、大阪大学教授・理学部長・総長、国際高等研究所所長、(財)山田科学振興財団理事長などを歴任。主な著書に『固体‐構造と物性』(共著、岩波書店)、『磁性』(培風館)、『大阪と自然科学』(国際高等研究所)などがある。
(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)
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