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量子ドットの基礎と応用
Quantam Dots −Fundamentals and Applications−

在庫マーク

筑波大学名誉教授 理博 舛本泰章 著

A5判/322頁/定価5830円(本体5300円+税10%)/2015年11月発行
ISBN 978-4-7853-2921-1  C3042

 量子ドット研究の国内第一人者が,これからこの分野の研究を始める大学院の学生や研究者,技術者を対象に,多岐にわたる量子ドットの光学的性質を主に解説し,あわせて量子ドットの応用についても現状までの進展を紹介した.
 本書によって,30余年にわたる研究の膨大な蓄積により生み出された,多岐にわたる量子ドットの光学的性質とその応用に関する知見を速やかに理解していただき,新しく量子ドットの研究を進展させてくださることを期待する.


目次 (章タイトル)  → 詳細目次

1.人工原子,量子ドットとは何か
2.量子ドットの形成
3.量子サイズ効果
4.エネルギー離散化と反転分布 −レーザーへ−
5.表面を通じた化学結合 −蛍光イメージプローブへ−
6.外界との相互作用 −光多重メモリーへ−
7.量子ドットの光非線形 −光スイッチ,高効率太陽電池へ−
8.電子状態のコヒーレンスとコヒーレント制御 −量子計算へ−
9.スピンに依存したエネルギー微細構造とスピン緩和時間
10.量子力学の応用 −量子計算と量子通信−
11.量子ドットの太陽電池と発光ダイオードへの応用

詳細目次

まえがき(pdfファイル)

1.人工原子,量子ドットとは何か
 原子から結晶へ,そして人工原子 −量子ドット−へ
 参考文献
 
2.量子ドットの形成
 2.1 自己形成量子ドット
 2.2 化学成長量子ドット
 2.3 ガラスや結晶中に成長した量子ドット
 2.4 外場効果量子ドット
 2.5 量子ドットのサイズの測定
 参考文献

3.量子サイズ効果
 3.1 半導体のエネルギーバンド
 3.2 電子・正孔・励起子の閉じ込め
 3.3 光で見る量子ドット
  3.3.1 最も低いエネルギーの光学遷移
  3.3.2 高いエネルギーの光学遷移
 3.4 電気伝導−トンネル分光−で見る量子ドット
 参考文献

4.エネルギー離散化と反転分布 −レーザーへ−
 4.1 半導体レーザー
  4.1.1 原子・分子・イオンのレーザー
  4.1.2 半導体レーザー
 4.2 次元に依存する状態密度,電子分布と反転分布
  4.2.1 量子ドットレーザー
  4.2.2 青色領域の発光ダイオードとレーザー
  4.2.3 量子ドットのレーザー発振機構
 4.3 光の閉じ込めと電子の閉じ込め
 4.4 エネルギー離散化とエネルギー緩和
 参考文献

5.表面を通じた化学結合 −蛍光イメージプローブへ−
 5.1 蛍光イメージプローブとしての量子ドット
 5.2 量子ドットの蛍光イメージプローブへの応用
  5.2.1 試験管やシャーレ内での蛍光イメージプローブとしての量子ドット
  5.2.2 生体内での蛍光イメージプローブとしての量子ドット
 参考文献

6.外界との相互作用 −光多重メモリーへ−
 6.1 永続的ホールバーニング
 6.2 光多重メモリー
 6.3 永続的ホールバーニングのサイト選択分光としての応用
 6.4 単一量子ドット分光
 6.5 間欠的発光現象とスペクトル拡散
 参考文献

7.量子ドットの光非線形 −光スイッチ,高効率太陽電池へ−
 7.1 量子ドットの光非線形性
 7.2 少数電子・正孔系の相互作用 −励起子分子と多励起子状態−
 7.3 オージェ再結合と多励起子生成
 参考文献

8.電子状態のコヒーレンスとコヒーレント制御 −量子計算へ−
 8.1 電子状態のコヒーレンス
  8.1.1 量子ドットの均一幅のスペクトル領域での測定
  8.1.2 量子ドットの均一幅の時間領域での測定
 8.2 量子ドットのコヒーレント制御 −量子計算へ−
  8.2.1 量子計算とコヒーレンス
  8.2.2 量子ドットのコヒーレント制御
  8.2.3 ラビ振動
 8.2.4 量子ドットのラビ振動
 8.2.5 量子ドットを用いた制御回路ゲート動作
 参考文献

9.スピンに依存したエネルギー微細構造とスピン緩和時間
 9.1 量子ドットの偏光光学遷移選択則
 9.2 励起子とトリオンのスピンに依存した微細構造
 9.3 スピンに依存したエネルギー微細構造の観測
  9.3.1 量子ドット中の励起子のスピンに依存したエネルギー微細構造
  9.3.2 電子を含む量子ドットのスピンに依存したエネルギー微細構造
  9.3.3 電子スピンと核スピンの相互作用
 9.4 スピン緩和時間
  9.4.1 局在電子スピンのスピン緩和とコヒーレンスの理論
  9.4.2 量子ドット中の電子スピン緩和とコヒーレンスの観測
  9.4.3 U‐Y族半導体中の局在電子スピンの長時間コヒーレンスの観測
 参考文献

10.量子力学の応用 −量子計算と量子通信−
 10.1 量子計算へ
  10.1.1 単一スピンの初期化
  10.1.2 単一電子スピンの初期化,回転,読み出し
  10.1.3 単一正孔スピンの初期化と読み出し
 10.2 量子通信へ
  10.2.1 ヤングの干渉実験
  10.2.2 量子的な光
  10.2.3 光の強度相関
  10.2.4 単光子発生
  10.2.5 もつれ合い光子対発生
 参考文献

11.量子ドットの太陽電池と発光ダイオードへの応用
 11.1 太陽電池へ
  11.1.1 太陽電池の効率
  11.1.2 量子ドット太陽電池の構造
  11.1.3 量子ドット太陽電池の特性
 11.2 発光ダイオードへ
 参考文献

事項索引
欧文索引
略語索引

著作者紹介

舛本 泰章
ますもと やすあき 
1948年 広島県生まれ.東京大学理学部卒業,東京大学大学院理学系研究科博士課程修了.東京大学物性研究所助手,筑波大学助教授・教授等を歴任.専攻は半導体の光物性実験,研究テーマは半導体量子構造のレーザー分光.主な著書に『現代物理最前線6』(共著,共立出版)などがある.

(情報は初版刊行時のものです)



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