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超伝導磁束状態の物理
Physics of Vortices in Superconductors
筑波大学名誉教授 理博 門脇和男 編
A5判/692頁/定価16500円(本体15000円+税10%)/2017年4月発行
ISBN 978-4-7853-2922-8
C3042
弊社では1999年に『高温超伝導の科学』(品切れ中)を刊行したが,これ以降も超伝導分野はめざましい進展を成し遂げてきた.特に“超伝導磁束状態”の研究は基礎から応用を含む幅広い分野に波及し,改めて包括的な専門書を望む声が高まってきた.
そこで,我が国の超伝導分野の今後の発展に寄与することを目的として,超伝導磁束状態の研究を牽引してきた国内の第一線の研究者の方々に,専門的な立場から分野ごとに細かく執筆していただいた.
サポート情報
◎ 序文
◎ 事項索引
◎ 物質索引
◎ 人名索引
(以上 pdfファイル)
1.超伝導理論の基礎
2.超伝導磁束状態と非従来型超伝導の理論
3.第2種超伝導体の混合状態
4.さまざまな超伝導体
5.高温超電導体と固有ジョセフソン効果
6.基礎から応用へ
7.超伝導材料
序文 (pdfファイル)
1.超伝導理論の基礎
1.1 超伝導研究の歴史
1.2 クーパー問題
1.3 BCS波動関数と準粒子場
1.4 ボゴリューボフ‐ドジェンヌ方程式
1.4.1 変分原理による導出
1.4.2 スピン変数の行列表示
1.4.3 一様系のBdG方程式
1.4.4 相互作用ポテンシャルの固有関数展開
1.5 BCS理論
1.5.1 固有エネルギーとギャップ方程式
1.5.2 熱力学量の温度依存性
1.5.3 ギャップの異方性と低温での熱力学的性質
1.6 超流動・ロンドン方程式・マイスナー効果
1.6.1 超流動密度
1.6.2 ロンドン方程式
1.6.3 マイスナー効果
1.6.4 磁束量子化
1.7 アイレンバーガー方程式
1.8 ギンツブルグ‐ランダウ方程式
参考文献
2.超伝導磁束状態と非従来型超伝導の理論
2.1 はじめに―超伝導磁束状態とは?
2.2 磁場下での2つのタイプの超伝導
2.3 渦糸格子の平均場理論
2.3.1 弱磁場下の渦糸格子
2.3.2 超伝導状態における磁性
2.3.3 強磁場下での渦糸格子
2.3.4 渦糸格子の電磁応答―渦糸フロー
2.3.5 準2次元系での渦糸格子
2.4 平均場近似を超えた超伝導渦糸状態の記述
2.4.1 弾性ゆらぎと位相ゆらぎ
2.4.2 超伝導ゆらぎ
2.4.3 渦糸格子融解
2.4.4 乱れの効果
2.4.5 グラス相
2.5 高温超電導体における磁場中相図
2.6 多バンド超伝導
2.6.1 はじめに―複数バンドのおもしろさ
2.6.2 多バンドBCSモデルとGL自由エネルギー
2.6.3 多バンド超伝導体のコレクティブモード
2.6.4 フラストレーションによる時間対称性の破れ
2.6.5 BdG方程式による非一様な多バンド超伝導の理論
2.7 電子相関と超伝導
2.7.1 高温超伝導は可能か
2.7.2 電子‐フォノン相互作用による高温超電導体MgB2
2.7.3 電子相関とは
2.7.4 電子相関と超伝導
2.7.5 強相関領域における超伝導
2.7.6 2次元系における相転移について
2.7.7 銅酸化物超伝導体の有効モデルについて
2.8 渦糸電子状態と異方的超伝導
2.8.1 渦糸周りの局所電子状態
2.8.2 低温比熱などの磁場依存性
参考文献
3.第2種超伝導体の混合状態
3.1 酸化物高温超伝導体の渦糸状態
3.1.1 酸化物高温超伝導体の渦糸状態の特徴
3.1.2 YBa2Cu3O7-δの渦糸構造と相図
3.1.3 Bi2Sr2CaCu2O8+δ系の磁束状態と相図
3.1.4 ジョセフソン磁束系の相図
3.1.5 磁束コアの電子状態と磁束フロー
3.2 人工構造をもつ超伝導体の磁束状態
3.2.1 超伝導薄膜・多層膜
3.2.2 照射欠陥をもつ超伝導体
3.2.3 周期的ナノ欠陥構造をもつ超伝導体
3.3 微小超伝導体中の磁束構造と超伝導
3.3.1 微小超伝導体の超伝導理論
3.3.2 幾何学的に閉じ込められた磁束の配列
3.3.3 ナノ構造体の超伝導状態
3.4 多バンド超伝導体の磁束状態
3.4.1 超伝導異方性のロンドンモデルと磁気トルク
3.4.2 渦糸コアの寄与を考慮した新しいトルクモデル
3.4.3 MgB2単結晶の磁気トルク
3.4.4 多バンド系の磁束状態
3.4.5 鉄系超伝導体
3.5 磁束ダイナミクス
3.5.1 磁束系の動的相図と非平衡ダイナミクス
3.5.2 メゾスコピック系の磁束ダイナミクス
3.6 渦糸ピン止めと臨界電流
3.6.1 渦糸のピン止めと相互作用
3.6.2 集団ピン止めと磁束クリープ
参考文献
4.さまざまな超伝導体
4.1 銅酸化物高温超伝導体
4.1.1 Bi系超伝導体
4.1.2 YBa2Cu3O7-δの渦糸状態
4.1.3 La2-xSrxCuO4
4.1.4 TI系,Hg系,多層系(Cu系,頂点フッ素系)など
4.2 MgB2
4.2.1 MgB2超伝導体
4.2.2 MgB2の磁気相図
4.2.3 MgB2の磁束構造と磁束状態の特徴
4.2.4 MgB2多結晶体の磁束ピニング機構
4.2.5 MgB2多結晶体の磁束状態の制御
4.2.6 MgB2多結晶体の磁束状態の応用
4.2.7 MgB2関連物質
4.3 鉄系超伝導体
4.3.1 122系
4.3.2 11系
4.3.3 1111系
4.3.4 その他の鉄系超伝導体
4.4 遷移金属ダイカルコゲナイドの磁束状態
4.5 ボロカーバイド系超伝導体
4.6 C60および有機物質
4.6.1 フラーレン超伝導体
4.6.2 有機超伝導体
4.7 重い電子系超伝導体
4.7.1 渦糸格子融解転移
4.7.2 パウリ効果と渦糸の構造
4.7.3 FFLO状態の可能性
4.7.4 強磁性超伝導体における自発的渦糸状態
4.7.5 時間反転対称性の破れた超伝導体における渦糸状態
4.7.6 重い電子系超伝導に関するその他の話題
4.8 空間反転対称性のない超伝導体
4.9 特殊環境下での超伝導体
4.9.1 高圧下における超伝導体
4.9.2 電場誘起超伝導体
4.10 その他の超伝導体
4.10.1 トポロジカル超伝導体
4.10.2 かご状超伝導体
4.10.3 ダイヤモンドの超伝導・渦糸状態
4.10.4 その他の超伝導体
参考文献
5.高温超電導体と固有ジョセフソン効果
5.1 はじめに
5.2 固有ジョセフソン接合の理論
5.2.1 単一ジョセフソン接合とジョセフソン効果
5.2.2 固有ジョセフソン接合間相互作用
5.2.3 電流‐電圧特性と多重ブランチ構造
5.2.4 固有ジョセフソン接合系における巨視的量子効果
5.3 固有ジョセフソン接合からのテラヘルツ電磁波発振
5.3.1 固有ジョセフソンテラヘルツ電磁波発振の理論
5.3.2 固有ジョセフソンテラヘルツ電磁波発振の観測
5.4 固有ジョセフソン接合特有の現象
5.4.1 固有ジョセフソン接合の代表的実験と観測結果
5.4.2 ジョセフソン磁束フロー抵抗振動
参考文献
6.基礎から応用へ
6.1 巨視的量子トンネル現象と量子ビット
6.1.1 巨視的量子トンネル現象
6.1.2 高温超伝導体接合における巨視的量子トンネルの理論
6.1.3 固有ジョセフソン接合系における巨視的量子トンネル現象の実験
6.1.4 量子コンピューターおよび量子デバイスへの応用
6.2 トポロジカル超伝導デバイス
6.2.1 トポロジカル超伝導接合
6.2.2 強磁性体/超伝導体接合の物理と奇周波数対
6.2.3 マヨラナ準粒子の制御と量子計算への応用
6.3 金属系高温超伝導体MgB2の中性子検出器への応用
参考文献
7.超伝導材料
7.1 単結晶とその成長
7.1.1 溶液法
7.1.2 溶媒移動浮遊帯域法
7.1.3 典型的な高温超伝導体
7.2 線材
7.2.1 はじめに
7.2.2 Bi系超伝導線材
7.2.3 Y系超伝導線材
7.2.4 MgB2線材
7.2.5 鉄系線材
7.3 バルク超伝導体
7.3.1 作製法
7.3.2 臨界電流特性
7.3.3 ピニング効果
7.3.4 臨界状態モデルと応用
7.4 薄膜
7.4.1 はじめに
7.4.2 薄膜の作製方法
7.4.3 薄膜の成長モードと乱れ
7.4.4 超薄膜超伝導
参考文献
事項索引 (pdfファイル)
物質索引 (pdfファイル)
人名索引 (pdfファイル)
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門脇 和男
かどわき かずお
1952年生まれ。東京理科大学理工学部卒業、大阪大学大学院博士課程理学研究科修了。カナダ・アルバータ州立大学、オランダ・アムステルダム大学、科学技術庁金属材料技術研究所を経て、筑波大学助教授・教授などを歴任。専門は低温物性実験物理学。主な訳書に『超伝導入門(上)(下)』(共訳、吉岡書店)がある。
(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)
→ 執筆者一覧
(所属等は初版刊行時のものです.pdfファイル)
超伝導入門
高温超伝導の科学
(品切れ中)
強誘電性と高温超電導
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