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バイオディバーシティ・シリーズ 6
節足動物の多様性と系統
Diversity and Evolution of Arthropoda
東京都立大学名誉教授 理博 石川良輔 編集
A5判/516頁/定価6930円(本体6300円+税10%)/2008年4月発行
ISBN 978-4-7853-5829-7
C3045
生物多様性をテーマにした「バイオディバーシティ・シリーズ」の第6巻.
シリーズ最終刊行巻となる本書では,生物界で一番の種数を誇り,多様な環境に棲息する節足動物を取り上げ,その特徴的な多様性を解説する.
第I部では研究の歴史や分子系統学の現状を,第II部では多様性と進化に関するいくつかの話題を紹介する.第III部では各分類群(鋏角類,甲殻類,多足類,六脚類=広義の昆虫類)について,多数の図版を使ってその特徴を解説する.また,化石節足動物の代表である三葉虫類についても項を割いて紹介する.
サポート情報
◎ まえがき (pdfファイル)
◎ 初版正誤表 (pdfファイル)
第 I 部 節足動物の多様性と系統
1.節足動物における分類学の歴史
2.節足動物全体の分類体系・系統の現状
3.節足動物の分子系統学、最近の展開
第 II 部 六脚類における多様性と進化
4.生殖隔離と種分化
5.花と昆虫にみる共進化
6.擬態の進化
7.社会性の進化
第 III 部 動物群ごとの特徴 −図版解説とコラム−
節足動物門の概説
1.三葉虫綱
2.鋏角亜門
3.甲殻亜門
4.多足亜門
5.六脚亜門
刊行のことば
まえがき (pdfファイル)
本書を読むにあたって
第 I 部 節足動物の多様性と系統
1.節足動物における分類学の歴史 [宮崎勝己]
1-1 「節足動物」の確立
1-2 節足動物は単系統か多系統か
2.節足動物全体の分類体系・系統の現状 [宮崎勝己]
2-1 節足動物門の動物界における系統的位置
2-2 主要群間の系統関係
2-3 各主要群の単系統性
3.節足動物の分子系統学、最近の展開 [上島 励]
3-1 分子系統学と形態分類
3-2 分子系統学 vs. Total evidence
3-3 節足動物と環形動物との関係
3-4 側節足動物の系統学的位置
3-5 節足動物の単系統性
3-6 4大高次分類群の系統関係
3-7 高次分類群内の系統関係
3-8 今後の展望と課題
第 II 部 六脚類における多様性と進化
4.生殖隔離と種分化 [久保田耕平]
4-1 生物学的種概念と生殖隔離
4-2 種分化の遺伝的背景
4-3 交尾器形態の多様化
4-4 異所的分化後の二次的接触の効果
4-5 交雑帯の動態
4-6 非異所的種分化
4-7 おわりに
5.花と昆虫にみる共進化 [加藤 真]
5-1 虫媒の起源
5-2 送粉過程が介在した種分化
5-3 ハナバチの繁栄とその多様性
5-4 鞘翅目における訪花性の進化
5-5 双翅目における訪花性の進化
5-6 鱗翅目における訪花性の進化
6.擬態の進化 [上杉兼司]
6-1 擬態とは何か
6-2 なぜチョウに擬態している種が多いのか
6-3 ベイツ型擬態研究の歴史
6-4 シロオビアゲハにみる擬態
7.社会性の進化 [松本忠夫・小野正人・辻 和希・青木重幸]
7-1 昆虫の社会性の起源とその維持
7-2 ハチ類にみる多様性
7-3 アリ類にみる社会性
7-4 シロアリ類・ゴキブリ類にみる社会性
7-5 アブラムシ類にみる社会性
第 III 部 動物群ごとの特徴 −図版解説とコラム−
節足動物門の概説 [宮崎勝己]
1.三葉虫綱 [鈴木雄太郎]
2.鋏角亜門 [小野展嗣]
2-1 ウミグモ上綱/ウミグモ綱
2-2 カブトガニ上綱/カブトガニ綱
2-3 クモ上綱
2-3・1 ウミサソリ綱
2-3・2 クモ綱
(1)クツコムシ目/(2)ダニ目/(3)ムカシザトウムシ目/(4)ザトウムシ目/(5)カニムシ目/
(6)ヒヨケムシ目/(7)サソリ目/(8)ワレイタムシ目/(9)マルワレイタムシ目/
(10)コスリイムシ目/(11)サソリモドキ目/(12)コヨリムシ目/(13)ヤイトムシ目/
(14)ウデムシ目/(15)クモ目
コラム1 クモの糸 [馬越芳子・馬越 淳・秦 珠子]
コラム2 コナダニの化学分類 [桑原保正]
3.甲殻亜門 [大塚 攻・駒井智幸]
3-1 鰓脚綱
3-1・1 サルソストラカ亜綱
3-1・2 葉脚亜綱
3-2 ムカデエビ綱
3-3 カシラエビ綱
3-4 顎脚綱
3-4・1 鰓尾亜綱
3-4・2 カイアシ亜綱
3-4・3 ヒゲエビ亜綱
3-4・4 貝虫亜綱
3-4・5 鞘甲亜綱
3-4・6 ヒメヤドリエビ亜綱
3-5 軟甲綱
3-5・1 コノハエビ亜綱
3-5・2 トゲエビ亜綱
3-5・3 真軟甲亜綱
a)厚エビ上目
(1)アナスピデス目/(2)ムカシエビ目
b)フクロエビ上目
(3)アミ目/(4)ロフォガスター目/(5)クマ目/(6)タナイス目/(7)ミクトカリス目/
(8)スペレオグリフス目/(9)テルモスバエナ目/(10)等脚目/(11)端脚目
c)ホンエビ上目
(12)オキアミ目/(13)アンフィニオデス目/(14)十脚目
コラム3 カクレガニのゾエア幼生と系統 [小西光一]
コラム4 サケジラミの生残戦略 [長澤和也]
コラム5 深海熱水・冷湧水噴出孔はジュラシックパーク [山口寿之]
コラム6 陸水エビ類の小卵から大卵への生態適応 [諸喜田茂充]
コラム7 等脚目の陸上進出 [布村 昇]
4.多足亜門 [小野展嗣]
4-1 ムカデ上綱(狭義の後性類)/ムカデ綱
4-2 ヤスデ上綱(狭義の前性類)
4-2・1 コムカデ綱
4-2・2 エダヒゲムシ綱
4-2・3 ヤスデ綱
5.六脚亜門 [吉澤和徳・山崎柄根・篠原明彦]
総論:六脚類の高次分類体系と進化 [吉澤和徳]
5-1 内顎綱 [吉澤和徳]
(1)トビムシ目(粘管目)/(2)カマアシムシ目(原尾目)/(3)コムシ目(双尾目)
5-2 外顎綱:古顎亜綱 [吉澤和徳]
(4)イシノミ目(古顎目)
5-3 外顎綱:双丘亜綱
5-3・1 結虫下綱 [吉澤和徳]
(5)シミ目(総尾目)
5-3・2 有翅下綱:旧翅節 [吉澤和徳]
(6) トンボ目(蜻蛉目)/(7) カゲロウ目(蜉蝣目)
5-3・3 有翅下綱:新翅節−多新翅亜節 [山崎柄根]
(8)カワゲラ目(〓翅目)/(9)ハサミムシ目(革翅目)/(10)ガロアムシ目/
(11)カカトアルキ目/(12)バッタ目(直翅目)/(13)ナナフシ目/
(14)シロアリモドキ目(紡脚目)/(15)ジュズヒゲムシ目/(16)ゴキブリ目/
(17)シロアリ目(等翅目)/(18)カマキリ目
※〓は衣偏に責
5-3・4 有翅下綱:新翅節−準新翅亜節 [吉澤和徳]
(19)チャタテムシ目/(20)シラミ目/(21)アザミウマ目(総翅目)/(22)カメムシ目(半翅目)
5-3・5 有翅下綱:新翅節−完全変態亜節 [篠原明彦]
(23)ヘビトンボ目(広翅目)/(24)ラクダムシ目/(25)アミメカゲロウ目(脈翅目)/
(26)コウチュウ目(鞘翅目)/(27)シリアゲムシ目(長翅目)/(28)ノミ目(隠翅目)/
(29)ハエ目(双翅目)/(30)チョウ目(鱗翅目)/(31)トビケラ目(毛翅目)/
(32)ネジレバネ目(撚翅目)/(33)ハチ目(膜翅目)
コラム8 節足動物の毒 [中嶋暉躬]
コラム9 昆虫の翅の起源 [上田恭一郎]
コラム10 寄主微生物が節足動物の種分化にかかわったかもしれない [星崎杉彦]
コラム11 クモバチ科にみられる労働寄生 [清水 晃]
三葉虫綱分類表
鋏角亜門分類表
甲殻亜門分類表
多足亜門分類表
六脚亜門分類表
引用文献ならびに参考文献
生物名索引
学名・英名索引
事項索引
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石川 良輔
いしかわ えいすけ
1931年 京都府に生まれる.九州大学大学院農学研究科博士課程単位取得退学.国立科学博物館研究館,東京都立大学教授などを歴任.主な著書に『昆虫の誕生』(中央公論社),『オサムシを分ける錠と鍵』『うちのカメ』(以上 八坂書房),『日本の自然』(共著,岩波書店)などがある.
執筆者一覧 (pdfファイル)
(執筆者の所属は初版刊行時)
(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)
動物の系統分類と進化
多様性からみた 生物学
海のクワガタ採集記
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