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『相対論的量子力学』 カバー
 
内容見本タイトル
『相対論的量子力学』 内容見本


著作者紹介

川村 嘉春
かわむら よしはる 
1961年 滋賀県生まれ。名古屋大学理学部卒業、金沢大学大学院自然科学研究科博士課程修了。信州大学助手、同 助教授を経て現職。専門は素粒子物理学。

(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)


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【電子書籍】
量子力学選書 
相対論的量子力学
Relativistic Quantum Mechanics

信州大学教授 学術博士 川村嘉春 著

標準価格5060円(本体4600円+税10%)/2020年8月電子版発行/
eISBN 978-4-7853-7340-5

 「相対論的量子力学」とは「特殊相対性理論」と「量子力学」が融合された理論で、1928年に提案されたディラック方程式を基礎方程式とする。したがって、「特殊相対性理論」と「量子力学」を学んだ方が本書の主な対象であるが、これらに関する基本的な概念と知識を付録に記載したので、大学の下級生でも意欲のある学生ならば、自主学習や自主ゼミを通して読みこなせる構成になっている。
 第 I 部では、相対論的量子力学の構造と特徴について学ぶ。具体的には、ディラック方程式を導出し、そのローレンツ変換性、解の性質、非相対論的極限、水素原子のエネルギー準位、負エネルギー解の解釈について考察する。
 第 II 部では、相対論的量子力学の検証について学ぶ。具体的には、電子・陽電子などの荷電粒子と光子の絡んださまざまな過程(クーロンポテンシャルによる散乱、コンプトン散乱、電子・電子散乱、電子・陽電子散乱)に関する散乱断面積を導出し、高次の量子補正について考察する。
 なお、本書をマスターされた方は、次のステップとして同選書『場の量子論 −不変性と自由場を中心にして−』(坂本眞人 著)に進まれることをお勧めする。

※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております.固定レイアウト型は文字だけを拡大することや,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能が使用できません.
※この電子書籍は,2019年に刊行された『相対論的量子力学』(第3版1刷)を元に電子書籍化したものです.


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はじめに   索引 (以上 pdfファイル)
[“紙”の書籍]正誤表 (pdfファイル)

目次 (章タイトル)  → 詳細目次

第 I 部 相対論的量子力学の構造
 1.ディラック方程式の導出 (pdfファイル)
 2.ディラック方程式のローレンツ共変性
 3.γ行列に関する基本定理,カイラル表示
 4.ディラック方程式の解
 5.ディラック方程式の非相対論的極限
 6.水素原子
 7.空孔理論
第 II 部 相対論的量子力学の検証
 8.伝搬理論 −非相対論的電子−
 9.伝搬理論 −相対論的電子−
 10.因果律,相対論的共変性
 11.クーロン散乱
 12.コンプトン散乱
 13.電子・電子散乱と電子・陽電子散乱
 14.高次補正 −その1−
 15.高次補正 −その2−

詳細目次  『相対論的量子力学 』 目次

はじめに (pdfファイル)

第 I 部 相対論的量子力学の構造

1.ディラック方程式の導出 (pdfファイル)
 1.1 相対論と量子論
  1.1.1 相対論
  1.1.2 量子論
  1.1.3 物理的な要請
 1.2 クライン‐ゴルドン方程式
 1.3 ディラック方程式
 1.4 パウリ方程式の導出

2.ディラック方程式のローレンツ共変性
 2.1 ローレンツ共変性
  2.1.1 γ行列とディラック方程式
  2.1.2 ローレンツ共変性に関する条件式
  2.1.3 ディラックスピノルのローレンツ変換性
 2.2 ローレンツ変換の具体例
  2.2.1 x 軸方向のローレンツブースト
  2.2.2 z 軸の周りの空間回転
  2.2.3 4元確率の流れのローレンツ変換性
 2.3 空間反転

3.γ行列に関する基本定理,カイラル表示
 3.1 γ行列に関する基本定理
  3.1.1 γ行列から構成される行列とその性質
  3.1.2 γ行列に関する基本定理とその証明
 3.2 双一次形式のローレンツ共変量
 3.3 カイラル表示

4.ディラック方程式の解
 4.1 ディラック方程式の再導出
  4.1.1 ローレンツブーストとディラック方程式
  4.1.2 自由粒子解の性質
  4.1.3 スピン状態
 4.2 エネルギーとスピンに関する射影演算子
 4.3 自由粒子解と波束の物理的意味
  4.3.1 正エネルギー解から成る波束
  4.3.2 正エネルギー解と負エネルギー解から成る波束
 4.4 クラインのパラドックス

5.ディラック方程式の非相対論的極限
 5.1 自由粒子に関する谷‐フォルディ‐ボートホイゼン変換
 5.2 電磁場の存在下での谷‐フォルディ‐ボートホイゼン変換
  5.2.1 ベキ級数展開
  5.2.2 第1近似
  5.2.3 第2近似と第3近似
  5.2.4 物理的な意味

6.水素原子
 6.1 水素原子のエネルギー準位
  6.1.1 水素様原子に関するディラック方程式
  6.1.2 動径に関する微分方程式
  6.1.3 エネルギー準位
 6.2 実験値との比較
  6.2.1 微細構造
  6.2.2 超微細構造
  6.2.3 ラムシフト

7.空孔理論
 7.1 ディラックの解釈
 7.2 荷電共役変換
 7.3 空間反転と時間反転
 7.4 CP変換

第 II 部 相対論的量子力学の検証

8.伝搬理論 −非相対論的電子−
 8.1 伝搬関数
  8.1.1 ホイヘンスの原理と伝搬関数
  8.1.2 伝搬関数の解
 8.2 摂動論
  8.2.1 摂動展開
  8.2.2 S行列要素
  8.2.3 S行列のユニタリー性

9.伝搬理論 −相対論的電子−
 9.1 電子・陽電子が絡む過程
 9.2 電子の伝搬関数
  9.2.1 自由な電子に関する伝搬関数
  9.2.2 ファインマンの伝搬関数
 9.3 摂動論

10.因果律,相対論的共変性
 10.1 クライン‐ゴルドン粒子の伝搬
  10.1.1 クライン‐ゴルドン粒子の伝搬関数
  10.1.2 因果律と負エネルギー解
 10.2 非相対論的摂動論と伝搬関数
  10.2.1 非相対論的摂動論とフェルミの黄金律
  10.2.2 中間状態と仮想粒子
  10.2.3 ディラック粒子および光子の伝搬関数
 10.3 多時間理論

11.クーロン散乱
 11.1 ラザフォードの散乱公式
 11.2 クーロンポテンシャルによる電子の散乱
  11.2.1 クーロン散乱のS行列要素
  11.2.2 散乱断面積
  11.2.3 モットの断面積
 11.3 クーロンポテンシャルによる陽電子の散乱
 11.4 γ行列に関するさまざまな公式と定理

12.コンプトン散乱
 12.1 コンプトン散乱
  12.1.1 コンプトン散乱のS行列要素
  12.1.2 コンプトン散乱の微分断面積
  12.1.3 クライン‐仁科の公式
  12.1.4 コンプトン散乱の全断面積
 12.2 電子・陽電子の対消滅

13.電子・電子散乱と電子・陽電子散乱
 13.1 電子・電子散乱
  13.1.1 光子の伝搬関数
  13.1.2 電子・電子散乱のS行列要素
  13.1.3 偏極していない電子に関する散乱断面積
  13.1.4 メラー散乱の公式
 13.2 電子・陽電子散乱
 13.3 電磁場に関する補足
  13.3.1 電磁場の扱い
  13.3.2 ゲージ条件
  13.3.3 マックスウェル方程式の対称性

14.高次補正 −その1−
 14.1 ファインマン則
  14.1.1 散乱過程に関するルール
  14.1.2 散乱断面積の公式とファインマン則
 14.2 電子・陽電子散乱における高次補正
 14.3 真空偏極
  14.3.1 真空偏極の正則化
  14.3.2 真空偏極に関するくりこみ
 14.4 電子の自己エネルギー
 14.5 頂点の補正

15.高次補正 −その2−
 15.1 制動放射
  15.1.1 制動放射と赤外破綻
  15.1.2 赤外発散の相殺
 15.2 ラムシフト
  15.2.1 クーロン相互作用の修正による補正
  15.2.2 ベクトルポテンシャルの寄与による補正
  15.2.3 ラムシフトの理論値
 15.3 今後の展望

付録
A.国際単位系
B.特殊相対性理論
 B.1 ニュートン力学
 B.2 ミンコフスキー時空
 B.3 特殊相対論的力学
 B.4 電磁気学
C.量子力学
 C.1 量子力学の枠組み
 C.2 シュレーディンガー方程式の解
  C.2.1 水素様原子
  C.2.2 調和振動子
 C.3 パウリ方程式
D.ポアンカレ群
 D.1 ポアンカレ変換
 D.2 本義ローレンツ群の表現 −場の分類−
 D.3 ポアンカレ群の表現 −状態の分類−
 D.4 ポアンカレ群の拡張
  D.4.1 共形群
  D.4.2 超ポアンカレ群
E.スピノル解析
 E.1 回転群とスピノル
 E.2 本義ローレンツ群とスピノル
 E.3 相対論的波動方程式
F.さまざまな時空におけるスピノル
 F.1  次元ミンコフスキー時空におけるスピノル
 F.2 曲がった時空におけるスピノル
G.正則化
 G.1 パウリ‐ビラース正則化法
 G.2 真空偏極
 G.3 電子の自己エネルギー
 G.4 頂点の補正
H.表記法,公式集

参考文献
索引

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