相対論的な場合(Relativistic Case)

光を出す光源(星など)と観測者(地球)との間に相対運動があると, ドップラー効果のために,観測される光の波長λ(または振動数ν)は, もとの波長λ0からずれます.
静止した観測者に対して, 光源が観測者の視線となす角度がθの方向に, 速さ v で運動しているとき, 赤方偏移は一般的に,
と表すことができます. 速度が光速 c に比べて十分小さければ,分母を1で近似することができ, v cosθが視線速度 V なので, 非相対論的な式:z = V/c に帰着します.

またθが0のときに,上の式を v について解けば,

の関係が得られます.

非相対論的な範囲の近似式(z = V/c)だと, 赤方偏移 z が1ぐらいになったときに, 速度 V が光速を超えてしまうような変なことになります. 赤方偏移 z が大きくなったときには, 上の相対論的な場合の式を使えば,速度が光速を超えることはありません.


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