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数学用語と記号ものがたり
A Story of Mathematical Terms and Symbols

元 富士短期大学教授  片野善一郎 著

A5判/200頁/定価2700円(本体2500円+税8%)/2003年8月
ISBN978-4-7853-1533-7 (旧ISBN4-7853-1533-4)

 小学校から高等学校の教科書で目にする数学の「用語と記号」がどのような考えで創られ現在のものに至ったのか? 時代背景や翻訳過程での変遷を交えながら,数学史とは別な視点から,数学の発展に影響を与えてきた脇役たちの由来について解説したものです.高校生以上であれば,数学は苦手と思っている人たちにも,「ものがたり」として楽しめるようにやさしく解説したもので,数学を身近にしてくれる一冊です.
 読者対象 高校生以上

 → 正誤表 (pdfファイル)
『数学用語と記号ものがたり』 内容見本

【目 次】  →『数学用語と記号ものがたり』 目次

『数学用語と記号ものがたり』 カバー
まえがき (pdfファイル)

第 I 部 数と計算に関する用語・記号

1.大数と小数の名称の由来
 1.1 百・千・万は最初は多数の意味だった
 1.2 最大の数は無量大数
 1.3 最小の数は塵
 1.4 囲碁で使う劫は無限に長い時間
 1.5 大数はどうして3桁区切りにするのか
 1.6 英米で違う大数の数詞
 1.7 英語の数詞はギリシア語やラテン語の数詞と関係が深い
 1.8 メートル法の単位名もギリシア語,ラテン語から取られた
 1.9 スコアの語源は20ずつ数えること

2.計算記号の由来
 2.1 計算記号は代数の段階で必要になる 
 2.2 乗除の記号は代数では必要ない
 2.3 +,−は最初は過不足の記号だった
 2.4 %は100の変形ではない
 2.5 ×は分数計算の書式からヒントをえた
 2.6 等号=は平行線からつくられた

3.割り算の答えはなぜ商なのか
 3.1 商には“はかる”という意味がある
 3.2 和には合わせるという意味がある
 3.3 英語のsumはどうして和になったのか
 3.4 差,較,餘の違い
 3.5 掛けるがどうして乗法になるのか

4.素数は数のプリマ
 4.1 整数は完全数
 4.2 奇数は陽気な数,縁起の良い数
 4.3 素数は第一級の数

5.二千年前の中国数学書に出ている正の数・負の数
 5.1 古代中国では計算技術はかなり進んでいた
 5.2 連立1次方程式になる問題を解く計算で正負数が必要になった
 5.3 負数の現実的意味の理解に苦しんだ西洋の数学者

6.平方根の根とは何か,記号はどうして√になったのか
 6.1 平方根は平方根のもとになる数
 6.2 平方根の計算は古代バビロニアで行われていた
 6.3 平方根の記号√はrootの頭文字r の変形

7.無理数は不合理な数か
 7.1 無理数は無比数と訳すべきだった
 7.2 ギリシア時代から√2は不合理な数だった
 7.3 √2が分数で表されないことは背理法で証明された
 7.4 無理数は造化の神のあやまち
 7.5 無理量は非通約量と定義された
 7.6 明治時代には無理数は不尽根といわれた

8.虚数はどうして嘘の数なのか
 8.1 虚数は想像上の数
 8.2 プラスでもマイナスでもない数
 8.3 虚数に現実的イメージを与えようとした人たち
 8.4 虚数は中国語訳だが複素数は日本人の創作
 8.5 東京数学会社の訳語会

第 II 部 式と関数に関する用語・記号

9.文字使用の歴史
 9.1 文字の使用は方程式の未知数から始まった
 9.2 文字式の計算ができなければ文字を使う意味はない
 9.3 一般の数の代わりに文字を使ったのはフランスのヴィエトが最初
 9.4 文字使用の現代化はデカルトから
 9.5 日本の江戸時代にもあった筆算式代数

10.方程式の未知数がxになるまでの長い道のり
 10.1 未知数をxyz で表したのはデカルトが最初
 10.2 最初はxy よりz を多く使っていた
 10.3 方程式の記号化の歴史
 10.4 shay(ある物)がxayとなり,これからx が使われた
 10.5 未知数がx になったもう一つの説

11.方程式の方程とはどういう意味か
 11.1 equation(方程式)はequality(等式)である
 11.2 方程にはequalityの意味は全くない
 11.3 方程は算盤へ算木を並べる規定という意味
 11.4 古代中国で数学が発達した理由

12.2元1次方程式の元とはどういう意味か
 12.1 元という漢字は未知数のこと
 12.2 天元術の天元の元が方程式の未知数になった
 12.3 2元1次方程式という用語の由来

13.パワー(power)が累乗になった
 13.1 2乗は2つ掛けるではなく2回掛けることではないか
 13.2 累乗は昔は冪と呼んでいた
 13.3 powerをどうして累乗と訳したのか
 13.4 指数(exponent)の字義は解説者
 13.5 累乗の指数の表し方の歴史

14.代数(アルゼブラ)とアルゴリズムはアラビア起源
 14.1 代数・幾何は昔の中等学校数学の中心だった
 14.2 algebraはアラビア人の著書の標題の一部
 14.3 アルゴリズムはアルフワリズミーの転化したもの
 14.4 アルファベットを漢字にしてしまった中国人
 14.5 algebraの日本語訳は代数より點竄の方がよいといった人たち

15.横縦線から坐標へ,坐標から座標へ
 15.1 日本人が創作した数学用語
 15.2 楕円・放物線・双曲線の原語は曲線の形とは無関係な用語
 15.3 座標という用語を最初に使ったのはドイツのライプニッツ
 15.4 解析幾何は18世紀末から19世紀初めに完成した
 15.5 横縦軸を坐標軸と訳したのは藤沢利喜太郎
 15.6 坐標を座標と改めたのは林鶴一

16.関数は函数だった
 16.1 yfx )の中国語訳は,地=函(天)だった
 16.2 functionという用語を最初に使ったのはライプニッツ
 16.3 関数をyfx )と表したのはオイラー
 16.4 関数概念はデカルトの幾何学にみられる
 16.5 和算では関数の概念はおこらなかった

17.“確からしさ”,“公算”から確率へ
 17.1 確率論は最初陸軍の射撃学教程のなかで教えられた
 17.2 確率論を最初に体系化したのはフランスのラプラス
 17.3 probabilityには“公算,確からしさ,蓋然率,適遇”などの訳語があった
 17.4 確率論という標題の本の出版は昭和になってから

18.解析は後戻りの推理法のこと
 18.1 analysisを数学用語として使ったのはギリシアのパッポス
 18.2 分析的方法に注目したデカルト
 18.3 分析的推理を重視したシャーロック・ホームズ
 18.4 analysisを本の標題の中で使った数学書
 18.5 analysisを解析と訳したのは日本人

19.微分は差の計算,積分は和の計算
 19.1 和算の円理ち西洋の微積分の違い
 19.2 日本人が微積分を学ぶのは明治になってから
 19.3 日本人最初の微積分学の本は明治14年に刊行された
 19.4 日本の微積分の用語は中国語訳書から転用された
 19.5 微分の微は小数の単位,百万分の一
 19.6 dydx を使ったのはライプニッツ

第 III 部 図形に関する用語・記号

20.長方形は矩形,台形は梯形だった
 20.1 正方形は直角方形,長方形は直角形と訳された
 20.2 長方形は矩形だった
 20.3 和算には角の概念がなかった
 20.4 ひし形は菱の果実の形
 20.5 和算では台形は梯だった
 20.6 立方という用語は古代中国で使われていた

21.合同の記号は■だった  (注:■は〜の下に=のついたもの)
 21.1 『原論』には合同という用語は使われていない
 21.2 合同は“全く相等し”とか“全等”といわれた
 21.3 数学会社訳語会は合同を均同と訳した
 21.4 西洋では合同は“等しくかつ相似”といわれた
 21.5 合同,相似の記号を最初に使ったのはライプニッツ
 21.6 記号≡は最初は整数論で使われた
 21.7 記号〜はsimilarの頭文字Sを横にしたもの?

22.三平方の定理の由来
 22.1 三平方の定理という名称は1942年に創られた
 22.2 ピュタゴラスの定理はピュタゴラスの発見か
 22.3 ピュタゴラスの定理という名称は19世紀までは一般的ではなかった
 22.4 エジプト,バビロニアおよびインドでの三平方の定理
 22.5 中国や日本では三平方の定理は“勾股弦の理”といわれた

23.幾何(geometry)はgeoの音訳
 23.1 ユークリッドの『原論』が『幾何原本』と訳された
 23.2 geometryの語源は“土地を測る”である
 23.3 geo(ジーホ)がキーホとなり,キーホが幾何になった
 23.4 ユークリッド『原論』を詳証学とした和算家
 23.5 数学の語源は学問

24.円周率と記号πの由来
 24.1 古代中国では径1周3だった
 24.2 円周率という用語は関孝和の本に出ている
 24.3 πは最初は円周の長さを表す記号だった
 24.4 言葉の頭文字からつくられた記号は多い

25.図形の証明で使われる用語の由来
 25.1 和讃には論証の考えはなかった
 25.2 『幾何原本』では定義は“界説”,公理は“公論”と訳された
 25.3 証明の訳語案には説法・証拠・指実などがあった
 25.4 『原論』の証明の記述形式

26.正弦・正接という用語の由来
 26.1 正弦は文字通り円の弦だった
 26.2 sinusがsineになった
 26.3 正接と余接は日時計の観測から生まれた
 26.4 三角関数の用語は西洋天文学の中国語訳で創られた
 26.5 三角比を角の関数と考えるようになるのは18世紀になってから

あとがき
人名索引



         

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