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超伝導の物理学
Physics of Superconductivity

在庫マーク

東京大学名誉教授 理博 青木秀夫 著

A5判/298頁/定価4290円(本体3900円+税10%)/2024年12月1日発行
ISBN 978-4-7853-2926-6  C3042

 本書は、超伝導を初めて学ぶ方はもとより、すでに知っている方にも自らの考えをまとめる縁となることを目指して出版された『物性科学入門シリーズ 超伝導入門』(2009年刊行。以下「旧版」)を、刊行から15年ほどの月日が経った間に超伝導の分野で驚くほどに様々な画期的な発展があったことを踏まえ、タイトルも一新して大幅に増補・改訂したものである。
 旧版と同様、執筆姿勢としては専門家向けの詳細な総説というよりは、むしろ概念の面白さを、ある意味で入門書的に分かりやすく解説することを旨とした。

 本書の前半では、従来型の(低温)超伝導に対するスタンダードなBCS理論を解説し、後半では、銅酸化物高温超伝導を始めとする、より革新的な世界を紹介した。この15年間の最新にわたる新展開としては、物質としては、水素系における室温に近い超伝導や、グラフェンにおける超伝導、さらに銅系・鉄系に続くニッケル化合物超伝導体などを解説し、また、非平衡における超伝導としてヒッグス・モードなども解説した。改訂は、旧版では十分触れられなかった事柄、例えば、2次元系におけるBKT転移、BCS-BECクロスオーバーなどにも及ぶ。
 また、著者自身の興味として、平坦バンド超伝導、多バンド超伝導体におけるFeshbach共鳴などのトピックスも、将来性を期して頁数が割かれている。コラムも息抜きとして充実させた。これらを含めて全体にブラッシュアップさせるとともに、新展開は無関連に発展したのではなく互いに絡み合っていることも強調した。

『物理の研究は“上に行けば行くほど頂上がどんどん高く伸びる山に登っているようなもの”と常々思うが,超伝導の場合は,登山中は言うに及ばず,登山口からして,ワクワクする面白さをもったテーマと感じられる.本書を糸口に,読者諸氏が今後さらに展望を広げられることを祈念したい.』 (本書「まえがき」より)


サポート情報

旧版(2009年発行)の紹介ページ

目次 (章タイトル)  → 詳細目次

1.超伝導とは何か
2.統計力学の復習と超伝導の現象論
3.BCS理論
4.高温超伝導
5.電子相関と超伝導
6.鉄系超伝導体とニッケル化合物超伝導体
7.様々な物質における超伝導
8.いくつかの話題
9.非平衡下の超伝導 −ヒッグス・モード−
10.超流動と量子ホール効果
11.超伝導の課題と展望

詳細目次

1.超伝導とは何か
 1.1 超伝導研究の歴史
 1.2 超伝導の基本的性質
  1.2.1 マイスナー‐オクセンフェルト効果
  1.2.2 ロンドン方程式
  1.2.3 超伝導ギャップ
  1.2.4 波動関数の巨視的位相と非対角長距離秩序
 演習問題

2.統計力学の復習と超伝導の現象論
 2.1 フェルミ気体の復習
 2.2 ボース‐アインシュタイン凝縮の復習
 2.3 ギンツブルグ‐ランダウ理論 −相転移としての超伝導−
  2.3.1 2次相転移
  2.3.2 超伝導状態の秩序パラメータ
  2.3.3 ギンツブルグ‐ランダウの自由エネルギー展開
  2.3.4 第一種超伝導体と第二種超伝導体
  2.3.5 磁束量子化とジョゼフソン効果
 演習問題

3.BCS理論
 3.1 フォノン媒介引力
 3.2 BCS理論
  3.2.1 クーパー不安定性
  3.2.2 BCS波動関数とBCSギャップ関数
  3.2.3 BCS状態の熱力学
 3.3 BCS理論をめぐるいくつかの話題
  3.3.1 強結合超伝導体
  3.3.2 ゲージ対称性の自発的破れとゼロ抵抗の間の関係
  3.3.3 BCS状態とボース‐アインシュタイン凝縮の間のクロスオーバー
演習問題

4.高温超伝導
 4.1 超伝導の非フォノン機構
 4.2 銅酸化物高温超伝導の発見
 4.3 電子構造
  4.3.1 $d$ 軌道
  4.3.2 電子構造を探る実験的手段
  4.3.3 異方的ペアリング
  4.3.4 超伝導相の物性
 演習問題

5.電子相関と超伝導
 5.1 電子相関とは −磁性とモット転移−
 5.2 ハバード模型 −格子上で最も簡単な相互作用模型−
 5.3 スピン揺らぎ交換による超伝導
 5.4 銅酸化物における物質依存性
 5.5 スピン・トリプレット超伝導
 演習問題

6.鉄系超伝導体とニッケル化合物超伝導体
 6.1 鉄系超伝導体
 6.2 ニッケル化合物高温超伝導体

7.様々な物質における超伝導
 7.1 有機超伝導体および軽元素系
 7.2 グラフェン
 7.3 水素系超伝導体 −室温超伝導−
 7.4 金属の化合物
 7.5 電子気体の超伝導
 7.6 重い電子系
 7.7 さらにエキゾチックな超伝導

8.いくつかの話題
 8.1 BKT転移
 8.2 Incipientバンド超伝導と平坦バンド超伝導
 8.3 トポロジカル超伝導
 8.4 非平衡誘起トポロジカル超伝導

9.非平衡下の超伝導 −ヒッグス・モード−
 9.1 超伝導体における集団励起
 9.2 超伝導ヒッグス・モードに対するギンツブルグ‐ランダウ理論
 9.3 ヒッグス・モードの実験 −ポンプ・プローブおよび第三高調波発生−

10.超流動と量子ホール効果
 10.1 超流動
 10.2 量子ホール効果 

11.超伝導の課題と展望

参考文献
演習問題の略解
索 引

著作者紹介

青木 秀夫
あおき ひでお 
1950年 東京都に生まれる。東京工業大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。東京大学助手、筑波大学講師、東京大学助教授・教授、高エネルギー加速器研究機構客員教授などを歴任。専門は物性物理学理論。主な著書に『ボース-アインシュタイン凝縮から高温超伝導へ』(共著、日本評論社)、『多体電子論1〜3』(共著、東京大学出版会)などがある。

(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)


この著作者の本
『超伝導入門』
超伝導入門


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