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関数解析の基礎
Foundations of Functional Analysis

在庫マーク

名古屋大学教授 博士(理学) 吉田伸生 著

A5判/332頁/定価4180円(本体3800円+税10%)/2023年8月25日発行
ISBN 978-4-7853-1599-3  C3041

 現代数学の視点から標準的内容を解説した関数解析の本格的入門書。初学者にとって理解しやすい一方、専門家までもが目を見張る水準まで定式化の美しさ、証明の切れ味を磨きぬくという著者の精神が貫かれている。証明法や具体例については、下記のような特色をもつ。多数の練習問題(問)も収録。

◆本書の特徴◆

定理や命題は可能な限り自然で一般的仮定のもとで証明した。
具体例をできるだけ多く取り入れ、それらを通じ、理論の有用性を実感できるように工夫した。
一様有界性原理開写像定理閉グラフ定理(「関数解析三大定理」)に対し、近年、ベールの範疇定理を経由しない初等的・直接的証明法が発見された。本書ではこの新しい証明を採用した。
関数解析の手法は解析学の様々な分野に応用される。例えば、複素関数論への応用としてハーディ空間ベルグマン空間を紹介した。また、偏微分方程式への応用としてディリクレ問題に一節を設けた他、バナッハ・アラオグルの定理の応用例として非線形偏微分方程式にも言及した。
20世紀後半の数学の中でも屈指の重要結果であるアティヤ・シンガーの指数定理のひな形ともなったテープリッツの指数定理について最終節で詳しく述べた。
付録にルベーグ積分摘要を設けることにより、ルベーグ積分未習読者でも既習読者と遜色なく学習が進められるよう配慮した。


YouTube

吉田伸生先生による特別講義

YouTube
ベールの範疇定理を使わない
一様有界性原理の証明
【裳華房30分クッキング】

(2024/7/9公開,約33分間)
 

サポート情報

誤植の訂正と注釈の追加(著者のWebサイト[PDFファイル]へリンク)

  索引(以上 pdfファイル)

目次 (章タイトル)  → 詳細目次

0.序
1.バナッハ空間とヒルベルト空間
2.有界作用素
3.共役空間
4.閉作用素
5.一様有界性原理・開写像定理・閉グラフ定理
6.弱位相・汎弱位相
7.レゾルベントとスペクトル
8.フレドホルム作用素
付録A.集合・線形代数・距離空間
付録B.ルベーグ積分論摘要
付録C.問の略解

詳細目次  『関数解析の基礎』 目次

0.序(pdfファイル)

1.バナッハ空間とヒルベルト空間
 1.1 ノルムと内積
 1.2 バナッハ空間とヒルベルト空間
 1.3 内積空間の直交分解
 1.4 有限次元ノルム空間

2.有界作用素
 2.1 定義・基本的性質・例
 2.2 積分作用素
 2.3 等長作用素
 2.4 フーリエ級数
 2.5 コンパクト作用素
 2.6 ハーン・バナッハの拡張定理

3.共役空間
 3.1 ヒルベルト空間の共役空間
 3.2 $L^p$-空間の共役空間
 3.3 共役作用素(有界作用素の場合)
 3.4 一般化された直交関係
 3.5 回帰性
 3.6 $C([a,b])$ の共役空間

4.閉作用素
 4.1 定義・基本的性質・例
 4.2 共役作用素(有界作用素と限らない場合)
 4.3 可閉性
 4.4 ディリクレ問題

5.一様有界性原理・開写像定理・閉グラフ定理
 5.1 一様有界性原理
 5.2 開写像定理、可逆定理、閉グラフ定理

6.弱位相・汎弱位相
 6.1 弱収束・汎弱収束
 6.2 弱閉集合・汎弱閉集合
 6.3 バナッハ・アラオグルの定理
 6.4 ゴールドスタインの定理、ミルマン・ペティスの定理

7.レゾルベントとスペクトル
 7.1 定義・基本的性質・例
 7.2 ノイマン級数とその応用
 7.3 対称作用素・自己共役作用素のスペクトル
 7.4 境界条件つき微分作用素のスペクトルと共役作用素
 7.5 フレドホルムの択一定理とコンパクト作用素のスペクトル

8.フレドホルム作用素
 8.1 フレドホルム作用素
 8.2 テープリッツの指数定理

付録A.集合・線形代数・距離空間
 A.1 集合
 A.2 線形代数
 A.3 距離空間
 A.4 アスコリの定理

付録B.ルベーグ積分論摘要
 B.1 $\sigma$-加法族と測度
 B.2 ルベーグ測度
 B.3 ルベーグ積分の定義と収束定理
 B.4 $L^p$-空間
 B.5 フビニの定理
 B.6 ラドン・ニコディムの定理

付録C.問の略解


参考文献
索引(pdfファイル)

著作者紹介

吉田 伸生
よしだ のぶお 
1966年 京都府に生まれる。京都大学理学部卒業、京都大学大学院理学研究科博士後期課程中退。京都大学助手・講師・助教授・准教授などを経て現職。主な著書に『複素関数の基礎』『微分積分』(以上 共立出版)、『新装版 ルべーグ積分入門』『新装版 確率の基礎から統計へ』(以上 日本評論社)などがある。

(情報は初版刊行時のものです)


関連書籍
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