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非平衡系の物理学
Physics of Non-Equilibrium Systems

在庫マーク

京都大学名誉教授 理博 太田隆夫 著

A5判/272頁/定価3960円(本体3600円+税10%)/2000年4月発行
ISBN 978-4-7853-2092-8 (旧ISBN 4-7853-2092-3)  C3042

 非平衡系の物理学は,現代の物理学において最も注目を浴びている分野の一つであり,また発展途上の学問でもある.本書は,リズムとゆらぎを非平衡系を理解する基本的要素としてとり上げ,21世紀に花開くであろうこの学問を,大学で物理学を学び始めて間もない方々に知らしめることを目的として懇切丁寧に解説された待望の入門書である.
 読者対象:大学4年生〜


サポート情報

正誤表 (pdfファイル)

目次 (章タイトル)  → 詳細目次

1.序論
2.調和振動子とエネルギーの散逸
3.外力のある振動子
4.熱平衡系
5.熱ゆらぎ
6.自己組織化臨界現象
7.状態間の遷移
8.変分原理
9.リミットサイクル振動
10.振動性と興奮性
11.非線形結合振動子
12.局在構造
13.界面の運動
14.パルスダイナミクス
15.らせん波と同心円波
16.パルスの自己複製

詳細目次  『非平衡系の物理学』 目次

はしがき (pdfファイル)

1.序論
 1.1 非平衡と非線形
 1.2 普遍性
 1.3 能動的秩序
 1.4 新しい方法論の必要性

2.調和振動子とエネルギーの散逸
 2.1 調和振動子
 2.2 散逸のある調和振動子
 2.3 結合調和振動子系
 2.4 力学系について

3.外力のある振動子
 3.1 周期外力のある線形振動子
 3.2 時間に依存しない解の安定性
 3.3 パラメトリック振動
 3.4 周期外力のある非線形振動子
 3.5 まとめ

4.熱平衡系
 4.1 熱力学
 4.2 熱とエントロピー
 4.3 熱から仕事へ

5.熱ゆらぎ
 5.1 確率分布
 5.2 ガウス分布
 5.3 デルタ関数の性質
 5.4 ランダムウォーク
 5.5 ブラウン運動と拡散方程式
 5.6 熱ゆらぎと散逸の関係
 5.7 熱平衡近傍でのゆらぎの緩和
 5.8 フォッカー‐プランク方程式
 5.9 オンサーガの相反定理
 5.10 まとめ

6.自己組織化臨界現象
 6.1 自己組織化
 6.2 臨界現象
 6.3 レヴィ分布
 6.4 フラクタル
 6.5 時空間スケール不変性
 6.6 断続平衡
 6.7 まとめ

7.状態間の遷移
 7.1 準安定状態の崩壊
 7.2 確率共鳴
 7.3 確率共鳴の実験
 7.4 確率的爪車

8.変分原理
 8.1 最小作用の原理
 8.2 レイリーの散逸関数
 8.3 シャノンエントロピー
 8.4 フォッカー‐プランク方程式の変分関数
 8.5 まとめ

9.リミットサイクル振動
 9.1 エネルギーの注入と散逸
 9.2 ホップ分岐
 9.3 振幅方程式
 9.4 周期外力下の振幅方程式

10.振動性と興奮性
 10.1 生体系のリズム
 10.2 ベローソフ‐ジャボチンスキー反応
 10.3 BZ反応のモデル
 10.4 振動性
 10.5 興奮性
 10.6 神経膜の興奮
 10.7 双安定性

11.非線形結合振動子
 11.1 結合振幅方程式
 11.2 振動の同期
 11.3 振動の停止
 11.4 振動停止のシミュレーション
 11.5 非一様振動系の振幅方程式
 11.6 非平衡散逸系の波

12.局在構造
 12.1 拡散不安定性
 12.2 神経ネットワークの局在構造
 12.3 神経ネットワークの周期構造

13.界面の運動
 13.1 動かない界面から動く界面へ
 13.2 界面の運動
 13.3 界面間相互作用
 13.4 二つの界面の衝突
 13.5 複素ギンツブルグ‐ランダウ方程式における反射

14.パルスダイナミクス
 14.1 パルスの脈動
 14.2 パルス列の脈動
 14.3 伝搬するパルス
 14.4 パルスの速度と幅
 14.5 動かないパルスから動くパルスへ
 14.6 パルス間相互作用
 14.7 衝突のシミュレーション
 14.8 まとめ

15.らせん波と同心円波
 15.1 振動系のらせん波
 15.2 興奮系のらせん波
 15.3 同心円波の生成

16.パルスの自己複製
 16.1 パルスの分裂
 16.2 自己相似パターン
 16.3 離散モデルによる自己相似パターン
 16.4 離散モデルとの対応

参考書および引用文献
索引

著作者紹介

太田 隆夫
おおた たかお 
1949年 香川県に生まれる.京都大学理学部卒業,京都大学大学院理学研究科博士課程修了.九州大学助手,お茶の水女子大学助教授・教授,広島大学教授,京都大学教授などを歴任.主な著書に『界面ダイナミクスの数理[改訂版]』(日本評論社)などがある.


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