(2023/6/29更新)
物理学という学問は実に入りにくい学問であるといわれ、物理学を苦手とする学生は極めて多い多いように思われますが、それは学問そのものの難しさ、奥の深さという点からいえば他の学科も同様でありましょうが、初めて学ぼうとする人に対する、いわゆる“しきい”が高いという点においては、これほど敬遠される学問は他にあまりみられないように思います。
大学の講義は時間に制約され、限られる時間に多数の基礎的知識を与えようとするために、とかく十分なことはでき難いところへ加えて学生数の増加は教官と学生間の緊密度も疎くなりがちとなる結果も生んでおります。貴重な講義も消化不良の恐れもあるのが現状と言えましょう。
本選書はその消化不良を癒し、大学における講義や教科書を十分に咀嚼して栄養となすための消化剤としての自習用参考書を目指したものです。
本選書はいわば小社における各種の基礎的「教科書」と「大学演習新書」の間に位置し、真に「わからせる」ことをモットーとして、基礎を十二分に身につけて、専門課程へ進んでもらうことをめざしたものであります。
本選書の一大特色は、各書とも、査読委員を設け査読者は大学初年級という読者の立場に立って、より分かりやすくするための意見を交換して内容の程度範囲を調整し、常に学生の理解のためをはかったものであります。
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