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物理学選書 16
金属電子論 −磁性合金を中心として−
The Physics of Dilute Magnetic Alloys
東邦大学名誉教授 理博 近藤 淳 著
A5判/238頁/定価5500円(本体5000円+税10%)/1983年11月発行
ISBN 978-4-7853-2317-2 (旧ISBN 4-7853-2317-5)
C3042
本書は金属中の伝導電子の示す基礎的諸性質、特に近藤効果といわれるものについて、じっくりと初心者にもわかるように解説したものである。
原子・分子の量子論から説き起こし、いわゆる近藤効果を、局在スピンの揺動という見地からとらえてその本質を解き明かす。さらに、近藤効果に関する厳密解について、数学的に難解にならぬようかなりのページを使って懇切に解説する。
1.原子
2.分子
3.金属のSommerfeld理論
4.バンド理論
5.金属中の磁性不純物
6.金属における赤外発散
7.Wilsonの理論
8.s-d 問題の厳密解
1.原子
1.1 平均場近似,電子配置
1.2 多重項
1.3 クーロン積分,交換積分
1.4 Hartreeの方法
文献
2.分子
2.1 $\rm{H}_2{^+}$ 分子
2.2 $\rm{H}_2$ 分子
2.3 配置間相互作用
2.4 第二量子化法
文献
3.金属のSommerfeld理論
3.1 固体の分類
3.2 Sommerfeldの理論
文献
4.バンド理論
4.1 結晶の周期構造
4.2 Blochの定理
4.3 自由電子からの近似
4.4 原子軌道の一次結合によるBloch軌道
4.5 金属と絶縁体
4.6 Wigner-Seitzの理論
5.金属中の磁性不純物
5.1 局所的中性
5.2 球面表示
5.3 電荷の空間分布と状態密度
5.4 virtual bound state
5.5 Anderson模型1
5.6 Anderson模型2
5.7 クーロン相互作用:UHF
5.8 Uについての展開
5.9 $s-d$ 相互作用
5.10 軌道縮退のある場合
文献
6.金属における赤外発散
6.1 Andersonの直交定理
6.2 Mahanの問題
6.3 温度グリーン関数
6.4 局所ポテンシャルがある場合の温度グリーン関数
6.5 $s-d$ 問題の状態和
6.6 Nozieres-de Dominicisの解
6.7 状態和の計算
6.8 スケーリングの方法
文献
7.Wilsonの理論
7.1 Wilsonのハミルトニアン
7.2 摂動展開
7.3 数値計算:スケーリング
7.4 帯磁率および比熱
文献
8.$s-d$ 問題の厳密解
8.1 一次元モデル
8.2 三体問題
8.3 対称群
8.4 $N$ 電子問題
8.5 反対称化
8.6 固有値問題
8.7 積分方程式
8.8 基底状態
8.9 帯磁率
8.10 ユニバーサリティ
8.11 励起状態
8.12 自由エネルギー
8.13 比熱
文献
付録
索引
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近藤 淳
こんどう じゅん
1930年 東京都に生まれる。東京大学理学部卒業、東京大学大学院数物系物理学専門課程修了。日本大学助手、東京大学助手、工業技術院電気試験所/電子技術総合研究所特別研究官、東邦大学教授などを歴任。産業技術総合研究所名誉フェロー、日本学士院会員。主な著書に『物質の構造 II』(共著、朝倉書店)などがある。
(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)
力 学
基礎演習シリーズ 力学
磁性理論の進歩
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