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一歩進んだ物理数学 −レクチャーのその先へ−
A Step Further in Physical Mathematics −Beyond the Lecture−
東京理科大学准教授 博士(理学) 橋爪洋一郎 著
A5判/予368頁/定価4070円(本体3700円+税10%)/2025年11月25日発行
ISBN 978-4-7853-2832-0
C3042
物理学を系統的に勉強し始める際に、発展的な内容を学習する段階で用いられる数学的技能が、“最初に学ぶ物理数学”の範囲だけでは賄いきれず、「急激に難しくなった」とか「知らない数学が多すぎる」と感じる方も少なくないようです。
そこで本書では、物理学の基本的な内容は扱えるようになったけれど、本当に知りたいところとの間に壁を感じている人を対象に、「物理学の初級コースと中・上級コースのギャップを、少しばかり緩和するための数学的技能を解説したテキスト」となる(拙著:『物理学レクチャーコース 物理数学』程度の内容の、さらに次の一歩を目指す)ことを目標としました。
もちろん、本書で扱うような内容を、物理現象から切り離して数学的技能の羅列にしてしまうことには賛否があるかもしれませんが、物理的な内容も難しい上に、よくわからない数学的技能が用いられているとなると、よほどの才覚がない限りは、初見でそれぞれを見極めて習得することは大変だと思います。
そのために本書では、数学的技能として分離できる部分は、できるだけ具体的な物理現象とは切り離して「個々の作業は数学的な処理に過ぎない」と認識できるように配慮しました。
なお本書は、「第1章がわからないと第12章がわからない」というわけでもないので、まずは好きなところ(あるいは困難を感じているところ)から学び始めるのでもよいと思います。また、各章の内容が「数学寄りなのか」「物理寄りなのか」かが一目でわかるように、各章の冒頭にアイコンを入れましたので、目安として参考にしていただければと思います。
物理学の勉強が、ある段階から先に進みづらくなってしまった方々にとって、本書がその壁を乗り越えるためのきっかけになれば大変嬉しく思います。
サポート情報
目次 (章タイトル)
0.物理数学の基本事項
1.行列の指数演算
2.群論による対称性の理解
3.ルジャンドル変換
4.複素積分の利用
5.特殊関数 −母関数と解析接続による導入−
6.確 率
7.確率過程
8.エントロピー
9.情報の統計理論とその応用
10.完全反対称テンソルとベクトル解析
11.微分幾何学で用いる計算技法
12.変分法による基本法則の表現
0.物理数学の基本事項
0.1 テイラー・マクローリン展開
0.2 フーリエ級数展開
0.3 双曲線関数
0.4 ベクトルと行列
0.5 積分法
0.6 ベクトル場の微分積分
0.7 常微分方程式
0.8 複素積分の基礎
0.9 積分変換
1.行列の指数演算
1.1 行列の指数関数と $\rm{det,Tr}$
1.2 $e^A$ の重要な性質
1.2.1 $e^A$ は行列である
1.2.2 $e^{tA}$ の微分
1.2.3 $e^{A(x)}$ の微分
1.3 ベイカー-キャンベル-ハウスドルフの公式
1.3.1 ハウスドルフの補題 $e^{AB}e^{-A}$
1.3.2 $\rm{BCH}$ 公式
1.3.3 ザッセンハウスの公式と鈴木-トロッターの公式
1.4 直積空間と行列の直積
1.4.1 直積空間
1.4.2 関数・ベクトル・行列の直積
1.4.3 直積の計算規則
本章のPoint
2.群論による対称性の理解
2.1 対称性と群
2.2 線形写像の表現行列と相似変換
2.3 点群
2.3.1 $\text{C}_\text{s}$ 群の表現行列と既約表現・指標表
2.3.2 $\text{C}_{3\text{v}}$ 群の表現行列と既約表現・指標表
2.3.3 群の表現に含まれる既約表現の数
2.4 連続群
2.4.1 特殊直交群 $\text{SO}(2)$(回転群)
2.4.2 ユニタリー群 $\text{U}(1)$
2.4.3 特殊ユニタリー群 $\text{SU}(2)$
2.4.4 $\text{SU}(N)$ の一般論
本章のPoint
3.ルジャンドル変換
3.1 目的
3.2 凸関数
3.2.1 凸関数の定義
3.2.2 凸関数の導関数
3.2.3 凸関数の接線
3.3 包絡線
3.4 ルジャンドル変換の導入
3.4.1 最大値や最小値の表記方法
3.4.2 ルジャンドル変換
3.4.3 $f(x) = (x-a)^2 +b$ のルジャンドル変換
3.4.4 $f(x) = (x-a)^2 +b$ の再現
3.5 全微分との関係
3.6 解析力学への応用
3.7 熱力学への応用
本章のPoint
4.複素積分の利用
4.1 ブランチカット
4.1.1 $1^{1/3}$ と $z^{1/3}$
4.1.2 ブランチカットの引き方
4.2 $\log{z}$ と $z^\alpha$
4.3 複素積分の応用
4.4 主値積分
4.4.1 広義積分と主値積分
4.4.2 主値積分と複素積分
4.4.3 クラマース-クローニッヒ変換
本章のPoint
5.特殊関数 −母関数と解析接続による導入−
5.1 数列の母関数
5.2 関数列の母関数
5.2.1 関数列から母関数を生成すること
5.2.2 母関数から関数列の情報を得ること
5.3 エルミート多項式
5.3.1 エルミート多項式
5.3.2 調和振動子の波動関数
5.4 ルジャンドル多項式
5.4.1 $P_n (x)$ の漸化式
5.4.2 $P_n (x)$ の微分方程式
5.4.3 $P_n (\cos{\theta})$ の微分方程式
5.4.4 ルジャンドル多項式の直交性
5.5 解析接続で導入される特殊関数
5.5.1 一致の定理
5.5.2 解析接続
5.5.3 ガンマ関数
5.5.4 ゼータ関数
本章のPoint
6.確 率
6.1 確率空間
6.2 確率変数と期待値・分散・共分散
6.3 連続型確率変数と確率密度関数
6.4 特性関数とキュムラント
6.5 条件付き確率とベイズの定理
本章のPoint
7.確率過程
7.1 時間に依存する確率密度関数
7.2 ウィーナー-ヒンチンの定理
7.2.1 自己相関関数
7.2.2 スペクトル強度
7.2.3 ウィーナー-ヒンチンの定理
7.3 マルコフ過程のマスター方程式
7.3.1 マルコフ過程
7.3.2 チャップマン-コルモゴロフ方程式
7.3.3 マスター方程式
7.4 ランジュバン方程式
7.4.1 ブラウン運動
7.4.2 ランジュバン方程式
7.5 フォッカー-プランク方程式
7.5.1 拡散方程式
7.5.2 拡散方程式の解法
7.5.3 外力がかかる場合
7.5.4 フォッカー-プランク方程式
7.5.5 フォッカー-プランク方程式の解
本章のPoint
8.エントロピー
8.1 自己情報量とシャノンのエントロピー
8.2 微分エントロピーとその注意点
8.3 ボルツマンの公式
8.3.1 散らかった部屋とは?
8.3.2 等重率の原理とボルツマンの公式
8.3.3 散らかった部屋のエントロピー
8.4 物理量としてのエントロピー
8.4.1 最大エントロピーを与える一様分布
8.4.2 カノニカル分布
8.5 結合および条件付きエントロピーと相互情報量
8.6 カルバック-ライブラー ダイバージェンス
8.6.1 カルバック-ライブラー ダイバージェンス(KLダイバージェンス)
8.6.2 等重率の原理への応用
8.7 ツァリスのエントロピー
本章のPoint
9.情報の統計理論とその応用
9.1 母集団と標本
9.2 中心極限定理
9.3 最尤推定
9.3.1 標本と測定値
9.3.2 尤度
9.3.3 最尤推定
9.3.4 経験確率
9.4 フィッシャー情報量とクラメル-ラオの不等式
9.4.1 フィッシャー情報量
9.4.2 クラメル-ラオの不等式
9.5 推定と検定
9.5.1 $\chi^2$ 分布と $t$ 分布
9.5.2 標本と $\chi^2$ 分布・ $t$ 分布
9.5.3 区間推定
9.5.4 $t$ 検定
本章のPoint
10.完全反対称テンソルとベクトル解析
10.1 ベクトルの内積と外積
10.2 完全反対称テンソル
10.3 微分記号を含む場合
10.4 物理系でよく現れる計算
10.5 演習
本章のPoint
11.微分幾何学で用いる計算技法
11.1 リーマン幾何学の導入
11.2 ベクトルの内積と計量テンソル
11.3 一般座標変換
11.4 クリストッフェル記号
11.5 共変微分
11.5.1 スカラー関数に対する共変微分
11.5.2 反変成分の共変微分
11.5.3 共変成分の共変微分
11.5.4 共変微分のまとめ
11.6 リーマンテンソルおよびリッチテンソルとリーマン曲率
11.7 測地線方程式
11.7.1 長さと固有時について
11.7.2 測地線方程式
本章のPoint
12.変分法による基本法則の表現
12.1 変分法によって物理法則を説明すること
12.2 汎関数と変分法の取り扱い
12.2.1 汎関数
12.2.2 変分法
12.3 解析力学
12.3.1 最初の問題
12.3.2 ラグランジアンとオイラー-ラグランジュ方程式
12.3.3 ラグランジアンの決め方の任意性とゲージ
12.3.4 力学的エネルギー
12.3.5 ハミルトン方程式
12.3.6 ハミルトン-ヤコビの方程式
12.4 量子力学
12.4.1 シュレーディンガー方程式
12.4.2 経路積分法
12.5 電磁気学
12.5.1 ローレンツ力と荷電粒子のラグランジアン
12.5.2 マクスウェル方程式
12.5.3 ゲージ不変性と荷電粒子のハミルトニアン
12.6 熱力学・統計力学
12.6.1 熱力学と自由エネルギー
12.6.2 熱力学的変分原理
12.6.3 変分法とギブス分布
本章のPoint
さらに勉強するために
索引
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橋爪 洋一郎
はしづめ よういちろう
東京理科大学理学部第一部卒業、東京理科大学大学院理学研究科博士課程修了。東京理科大学助教・講師などを経て現職。主な著書に『マテリアルズインフォマティクスによる材料開発と活用集』(分担執筆、技術情報協会)などがある。
(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)


物理数学


物理のための 応用数学










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