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化学の指針シリーズ
錯体化学
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化学の指針シリーズ 
錯体化学
Coordination Chemistry

在庫マーク

北海道大学名誉教授 理博 佐々木陽一・
富山大学教授 博(理) 柘植清志 共著

A5判/264頁/定価2970円(本体2700円+税10%)/2009年11月発行
ISBN 978-4-7853-3224-2  C3043

電子書籍

 錯体化学は単なる化合物群の化学としての位置付けから、他の分野と綿密に関連し、金属元素が関わる化学の主要部分を占める分野として、今やその重要性が広く認識されている。
 本書では、古典的な錯体化学のエッセンスを確保しながらも、最近の情勢に対応できるように内容を工夫した。金属元素の基礎的な性質を系統的な目で振り返るところから出発し、この知識をもとに、全体を通して金属元素全体に目を配り、系統的視点を失わないような記述を心掛けている。
 配位子が重要な役割を演ずる研究が急増しているため、配位子を概説する章も設けた。また、立体構造、電子状態などを通じて、多核錯体に関する記述を入れるようにつとめた。

 日本図書館協会選定図書


サポート情報

まえがき (pdfファイル)   索引 (pdfファイル)
正誤表 (pdfファイル)

目次 (章タイトル)  → 詳細目次

1.錯体化学とは
2.錯体化学の基礎としての金属元素の諸性質
3.金属錯体の立体構造
4.金属錯体の電子状態
5.金属錯体の安定性
6.金属錯体の反応
7.配位子から見た錯体化学
8.発展する錯体化学の分野

詳細目次  →『錯体化学』目次

まえがき (pdfファイル)


1.錯体化学とは
 1.1 錯体化学とはどのような学問か
 1.2 錯体化学の対象となる元素
 1.3 金属錯体を形成する結合
 1.4 金属錯体の研究の歴史
 演習問題

2.錯体化学の基礎としての金属元素の諸性質
 2.1 元素の分類
 2.2 安定な酸化状態
  2.2.1 典型金属元素
  2.2.2 遷移金属元素
  2.2.3 ランタノイド元素
  2.2.4 アクチノイド元素
 2.3 金属元素のイオン半径
 2.4 配位水の酸解離定数
 2.5 オキソ金属イオン
 2.6 金属元素の存在量
 演習問題

3.金属錯体の立体構造
 3.1 有機化合物やイオン結晶の立体構造との比較
  3.1.1 有機化合物の立体構造の考え方
  3.1.2 配位結合におけるイオン結合性
  3.1.3 金属錯体の立体構造を支配する要因
 3.2 金属イオンのサイズと立体構造 −イオン半径と配位数−
 3.3 単核金属錯体の立体構造
  3.3.1 単核錯体における配位数と立体構造の関係
  3.3.2 d-ブロック遷移金属錯体の構造
  3.3.3 高い酸化数の金属錯体の構造
  3.3.4 $\pi$ 電子で配位した錯体の構造
 3.4 異性体(幾何異性体・光学異性体・連結異性体)
 3.5 多核錯体の立体構造
  3.5.1 金属間結合のない多核錯体
  3.5.2 金属間結合を持つ多核錯体
  3.5.3 無限鎖状錯体から超分子錯体へ
 演習問題

4.金属錯体の電子状態
 4.1 金属錯体の電子状態に対する考え方
 4.2 電子状態の考え方の概略
 4.3 自由原子の電子状態
  4.3.1 自由原子における軌道関数
  4.3.2 自由原子における電子配置と電子状態
 4.4 遷移金属錯体の電子状態
  4.4.1 結晶場理論
  4.4.2 配位子場理論
  4.4.3 中心金属−配位子間の $\pi$ 性相互作用
  4.4.4 電子配置と磁性
  4.4.5 配位子場理論のさらに進んだ取扱い
 4.5 金属−金属間結合
  4.5.1 金属−配位子フラグメント
  4.5.2 金属−金属間多重結合
  4.5.3 金属配位子フラグメントに分けられない場合
 4.6 電子状態と電子スペクトル
  4.6.1 多電子配置とエネルギー状態
  4.6.2 電子遷移の選択則
  4.6.3 d-d遷移と田辺-菅野図
  4.6.4 d-d遷移のさらに詳しい取り扱い
  4.6.5 電荷移動吸収
 演習問題

5.金属錯体の安定性
 5.1 金属錯体の固体と溶液内での安定性に対する考え方
 5.2 錯体の固体状態での安定性
 5.3 錯体の溶液中での安定性
 5.4 安定度定数
  5.4.1 安定度定数の定義
  5.4.2 逐次安定度定数
  5.4.3 キレート効果
  5.4.4 安定度定数と水溶液のpHの関係
  5.4.5 非水溶媒中での錯形成
 5.5 硬さ-軟らかさの概念と安定度定数
 5.6 金属イオンによる安定度定数の変化
  5.6.1 典型金属イオン
  5.6.2 遷移金属イオン
  5.6.3 ランタノイド金属イオン
演習問題

6.金属錯体の反応
 6.1 金属錯体の多彩な反応性
 6.2 配位子置換反応
  6.2.1 置換活性と置換不活性
  6.2.2 配位子置換反応の速度を決める要因
  6.2.3 置換しない配位子の影響
  6.2.4 配位子置換反応の機構
 6.3 酸化還元反応
  6.3.1 酸化還元反応の起こりやすさ
  6.3.2 外圏型反応機構と内圏型反応機構
  6.3.3 原子移動反応機構
  6.3.4 酸化還元反応の速度
 6.4 多核錯体の反応性
  6.4.1 配位子置換反応
  6.4.2 電子移動反応
 演習問題

7.配位子から見た錯体化学
 7.1 配位子に対する一般的なことがら
 7.2 単一金属イオンに配位する多座配位子
  7.2.1 配座数による分類
  7.2.2 配位子の形状による分類
  7.2.3 直鎖状配位子
  7.2.4 分岐型配位子
  7.2.5 環状配位子
  7.2.6 環状ポリエーテル配位子
  7.2.7 ポルフィリンおよびフタロシアニン
  7.2.8 配位子による錯体の立体構造の歪み
 7.3 複核および多核錯体を与える配位子
  7.3.1 架橋配位子の種類
  7.3.2 二核化ならびに多核化配位子
  7.3.3 錯体配位子
 演習問題

8.発展する錯体化学の分野
 8.1 生体内金属酵素に関わる錯体化学
  8.1.1 生体内の金属元素と錯体化学
  8.1.2 酸素運搬酵素
  8.1.3 モデル化が難しい金属酵素
 8.2 触媒化学における錯体化学
  8.2.1 触媒と錯体化学
  8.2.2 C−C結合やC−H結合の生成
  8.2.3 酸化反応
  8.2.4 不斉触媒
 8.3 錯体ユニットの集積化と固体錯体化学
  8.3.1 自己集積化錯体,超分子錯体および配位高分子
  8.3.2 超分子錯体の構造と機能
  8.3.3 配位高分子の基本的構造
  8.3.4 配位高分子の作る空間
  8.3.5 配位高分子の作る空間の利用
  8.3.6 固体表面への金属錯体の固定
 8.4 光化学と錯体化学
  8.4.1 金属錯体の発光
  8.4.2 発光性の金属錯体
  8.4.3 光励起状態と発光
  8.4.4 光励起状態における錯体の反応性
  8.4.5 金属錯体の光化学的利用
 8.5 磁性と錯体化学
  8.5.1 金属錯体の磁性
  8.5.2 スピン状態の変換
  8.5.3 単分子磁石
 演習問題

参考文献
演習問題解答
索引 (pdfファイル)

Column
 錯体化学と配位化学
 テクネチウム錯体 −錯体化学の宝庫?−
 光学活性の定義と記憶法?
 モリブデンと生命の起源
 酸化と還元 −電子の立場から−
 桁違い
 車輪型錯体
 薬になる金属錯体

著作者紹介

佐々木 陽一
ささき よういち 
1942年 北海道に生まれる。東北大学大学院理学研究科博士後期課程修了。北海道大学教授、錯体化学会会長などを歴任。

柘植 清志
つげ きよし 
1967年 東京都に生まれる。東京大学大学院理学系研究科博士後期課程修了。岡崎国立共同研究機構分子科学研究所助手、北海道大学助手、大阪大学准教授などを経て現職。

(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)


姉妹書
「化学の指針シリーズ」

関連書籍
『化学選書 錯体化学(改訂版)』
化学選書
錯体化学(改訂版)


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