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無機化学(改訂版) −基礎から学ぶ元素の世界−
Inorganic Chemistry revised edition
−Understanding Chemical Elements from Fundamentals−
上智大学教授 理学博士 長尾宏隆
福島大学教授 博士(理学) 大山 大 共著
B5判/208頁/2色刷/定価3080円(本体2800円+税10%)/2024年11月25日発行
ISBN 978-4-7853-3530-4
C3043
基本概念に基づいて、無機化合物の構造および反応から、元素各論までを簡潔に解説した入門教科書の改訂版。
この10年の無機化学の進捗状況を鑑みて全体をブラッシュアップするとともに、読者からのリクエストに応えて核反応などを加筆、また多くのコラムを刷新、側注記事も大幅に増やして最新の話題を提供、現代の無機化学を学ぶためによりふさわしい一冊となっている。
全部で190問に及ぶよく吟味された各章末問題にはていねいな解答もついており、講義テキストとしてだけでなく、大学1,2年生や高専生の自習用教科書・参考書としても役立つ。
サポート情報
◎ 旧版(2013年発行)の紹介ページ
◎ はじめに
◎ 索引(以上 pdfファイル)
1.無機化学を学ぶために
2.原子の構造
3.電子配置と元素の周期性
4.化学結合の基礎概念
5.分子の形と結合理論
6.無機化合物の反応
7.分子の対称性と結晶構造
8.水素および酸素
9.s-ブロック元素 −1,2族元素−
10.p-ブロック元素(1) −13,14族元素−
11.p-ブロック元素(2) −15〜18族元素−
12.d-およびf-ブロック元素 −遷移元素−
13.金属錯体化学
14.生物無機化学
はじめに(pdfファイル)
1.無機化学を学ぶために
1.1 化学
1.1.1 物質観
1.1.2 現代化学
1.1.3 無機化学
1.1.4 地球環境と無機化学
1.2 無機化学に関連する事項
1.2.1 化学薬品
1.2.2 単位
1.2.3 無機化学命名法
演習問題
2.原子の構造
2.1 原子の構成
2.1.1 原子の構成粒子:陽子,中性子および電子
2.1.2 原子番号,質量数および同位体
2.2 量子化
2.3 ボーアモデル
2.3.1 輝線スペクトルと水素原子のボーアモデル
2.3.2 ボーア理論と励起原子のスペクトル
2.4 量子力学と水素原子
2.4.1 電子構造における量子力学の導入
2.4.2 量子数と軌道
2.5 原子軌道の形
2.5.1 s軌道
2.5.2 p軌道
2.5.3 d軌道
2.5.4 f軌道
2.6 多電子原子と電子スピン
2.6.1 多電子原子
2.6.2 電子スピン
演習問題
3.電子配置と元素の周期性
3.1 電子配置と周期表
3.1.1 フントの規則
3.1.2 構成原理
3.1.3 遷移元素
3.1.4 周期表の構造
3.2 遮蔽と有効核電荷
3.2.1 遮蔽効果
3.2.2 有効核電荷
3.3 物理的性質の周期性
3.3.1 原子半径
3.3.2 イオン半径
3.4 イオン化エネルギー
3.4.1 第一イオン化エネルギーの周期性
3.4.2 第一イオン化エネルギーにおける周期性への電子配置の影響
3.5 電子親和力および金属性
3.5.1 電子親和力
3.5.2 金属性
演習問題
4.化学結合の基礎概念
4.1 化学結合の種類
4.1.1 ルイス記号
4.1.2 オクテット則
4.2 イオン結合
4.3 共有結合
4.3.1 単結合
4.3.2 多重結合
4.4 電気陰性度と結合の極性
4.4.1 電気陰性度
4.4.2 結合の極性,双極子モーメントおよびイオン性百分率
4.5 共鳴と形式電荷
4.5.1 共鳴
4.5.2 形式電荷
4.6 オクテット則の例外
4.6.1 奇数電子の化学種
4.6.2 オクテット不足の化学種
4.6.3 オクテットを超える化学種(拡張原子価殻)
4.7 結合の性質
4.7.1 結合エネルギー
4.7.2 結合長
4.8 凝集体
4.8.1 バンド理論と金属結晶
4.8.2 ガラスと液晶
演習問題
5.分子の形と結合理論
5.1 分子の形:VSEPR理論
5.1.1 単結合のみをもつ中心原子
5.1.2 単結合および非共有電子対をもつ中心原子
5.1.3 多重結合をもつ分子の幾何構造
5.2 原子価結合理論
5.2.1 化学結合としての軌道の重なり
5.2.2 混成軌道
5.2.3 多重結合
5.3 分子軌道理論
5.3.1 原子軌道の線形結合(LCAO近似)
5.3.2 第2周期の等核二原子分子
5.3.3 第2周期の異核二原子分子
演習問題
6.無機化合物の反応
6.1 酸塩基反応
6.1.1 酸塩基の定義
6.1.2 酸塩基の強さ
6.1.3 「硬い」および「軟らかい」酸塩基(HSAB)の概念
6.1.4 超酸
6.2 酸化還元反応
6.2.1 標準電極電位
6.2.2 自由エネルギーと酸化還元反応
6.3 溶媒
6.3.1 溶媒の性質:極性の評価
6.3.2 溶媒の分類
6.4 核反応
6.4.1 放射線とは
6.4.2 放射性壊変と核化学方程式
6.4.3 放射性核種の利用
演習問題
7.分子の対称性と結晶構造
7.1 分子の対称性
7.1.1 対称操作と対称要素
7.2 対称操作の組合せ(群)
7.2.1 点群
7.2.2 指標表
7.3 対称群の応用
7.3.1 分子の形と極性
7.3.2 分子軌道
7.3.3 分子振動
7.4 結晶構造
7.4.1 結晶格子
7.4.2 空間群
7.4.3 最密構造(充填)
7.4.4 イオン性固体の構造
7.4.5 イオン性化合物の格子エネルギー
演習問題
8.水素および酸素
8.1 水素
8.1.1 水素の性質
8.1.2 水素分子の製法
8.2 水素の反応
8.2.1 水素分子の反応
8.2.2 水素化物
8.3 酸素
8.3.1 酸素の性質
8.3.2 酸化物
8.3.3 オキソ酸
8.4 水素と酸素の化合物
8.4.1 水
8.4.2 過酸化水素
8.5 水素結合
演習問題
9.s-ブロック元素 −1,2族元素−
9.1 アルカリ金属元素
9.2 アルカリ金属元素の物性
9.3 アルカリ金属元素の反応性と化合物
9.4 2族元素
9.5 2族元素の物性
9.6 2族元素の反応性と化合物
演習問題
10.p-ブロック元素(1) −13,14族元素−
10.1 13族元素(ホウ素族元素)
10.1.1 13族元素の物性と性質
10.1.2 ホウ素の特殊性
10.1.3 13族元素の化合物の性質
10.2 14族元素(炭素族元素)
10.2.1 14族元素の物性と性質
10.2.2 炭素の巨大化合物
10.2.3 ケイ素の巨大化合物
10.2.4 14族元素の化合物
演習問題
11.p-ブロック元素(2) −15〜18族元素−
11.1 15族元素(窒素族元素)
11.1.1 15族元素の物性と性質
11.1.2 窒素の化合物
11.1.3 15族元素の化合物
11.2 16族元素(カルコゲン)
11.2.1 16族元素の物性と性質
11.2.2 16族元素の化合物
11.2.3 硫黄の化合物
11.3 17族元素(ハロゲン)
11.3.1 17族元素の物性と性質
11.3.2 17族元素の化合物
11.4 18族元素(貴ガス)
11.4.1 18族元素の物性と化合物
演習問題
12.d-およびf-ブロック元素 −遷移元素−
12.1 遷移元素:d-およびf-ブロック元素
12.2 d-ブロック元素の性質
12.2.1 d-ブロック元素の周期性
12.2.2 酸化数
12.2.3 磁性
12.3 代表的なd-ブロック元素
12.3.1 第4周期遷移元素
12.3.2 11および12族元素
12.4 f-ブロック元素
12.4.1 ランタノイド系列
12.4.2 アクチノイド系列
演習問題
13.金属錯体化学
13.1 金属錯体(配位化合物)
13.2 構造と異性化
13.2.1 構造異性
13.2.2 立体異性
13.3 金属錯体の電子構造
13.3.1 結晶場理論
13.3.2 分光化学系列
13.3.3 金属錯体の色
13.3.4 金属錯体の磁気的性質
13.3.5 配位子場理論
13.4 金属錯体の反応
13.4.1 錯体の安定度
13.4.2 置換反応
13.4.3 酸化還元(電子移動)反応
13.5 有機金属化合物
13.5.1 金属カルボニル化合物
13.5.2 有機金属化合物における18電子則および結合
13.5.3 有機金属化合物の配位子
演習問題
14.生物無機化学
14.1 生物無機化学とは
14.2 金属元素の役割
14.2.1 金属元素の摂取
14.2.2 金属イオンの輸送
14.3 微量元素の遷移金属を含む生体分子
14.3.1 鉄を含む生体分子
14.3.2 銅を含む生体分子
14.3.3 亜鉛を含む生体分子
14.4 生体分子の反応
14.4.1 光合成
14.4.2 生理活性物質
演習問題
付録
1 無機化合物の命名法における主要な文法
2 代表的な酸およびその共役塩基の解離定数
3 水中での標準電極電位
演習問題解答
索引(pdfファイル)
Column
グリーン・サスティナブル ケミストリー
原子を見る
元素の名前:ニッポン? ニホン?
自然界のフリーラジカル
視覚の化学
血液中の緩衝作用
構造解析 −X線,中性子線,電子線回折−
ポリリン酸
生体内の1,2族元素の働き
クロスカップリング反応
無機材料におけるカーボンリサイクル
酸化チタンから始まった光触媒研究
遷移金属錯体が関わる電子移動反応
金属を含む生体分子を調べる
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長尾 宏隆
ながお ひろたか
1962年 岐阜県に生まれる。上智大学理工部卒業、上智大学大学院理工学研究科博士課程修了。岡崎国立共同研究機構分子科学研究所助手、上智大学助手・講師・助教授などを経て現職。専門分野は錯体化学、電気化学、生物無機化学。
大山 大
おおやま だい
1968年 岩手県に生まれる。上智大学理工部卒業、上智大学大学院理工学研究科博士課程修了。マサチューセッツ工科大学客員研究員、自然科学研究機構分子科学研究所客員准教授、福島大学准教授などを経て現職。専門分野は無機化学、錯体化学。
(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)
ステップアップ 大学の無機化学
演習形式で学ぶ やさしい無機化学
基礎無機化学 (改訂版)
無機化学 (改訂版)
現代無機化学
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