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植物遺伝学 II
核酸と生合成産物

京都大学名誉教授　理博　木原　均 監修／
元 東京教育大学教授　理博　林　孝三 編集

Ａ５判／540頁／定価8250円（本体7500円＋税10％）／1977年1月発行
ISBN 978-4-7853-5902-7（旧ISBN 4-7853-5902-1）　 C3045

　植物遺伝学の立場からは、遺伝子の本態に関する研究とともに、その遺伝子の管掌する各種の植物成分の遺伝的動態の研究もまた大変に重要である。
　「植物遺伝学」シリーズの第２巻にあたる本書では、植物を対象とした分子遺伝学的な研究成果の現状を正確に把握し、次いで植物の生産する主要な一次物質や二次物質について生合成的および遺伝学的な角度から総括し、今後の研究の発展に備えることとした。

目次 （章タイトル）　　→ 詳細目次

1．核酸とその機能
2．タンパク質合成系
3．光合成系
4．生体成分
5．比較生化学

詳細目次

監修者の言葉
編集者の序言

1．核酸とその機能
　1.1　核および核外オルガネラのDNA
　　1.1.1　DNAの検出とその問題点
　　1.1.2　核DNA
　　1.1.3　核外DNA
　　1.1.4　核外DNAの遺伝的活性
　　1.1.5　オルガネラDNAの起源
　　文献
　1.2　RNAの合成と機能
　　1.2.1　転移RNA（tRNA）
　　1.2.2　リボゾームRNA（rRNA）
　　1.2.3　伝令RNA（mRNA）
　　1.2.4　染色体RNA（cRNA）
　　1.2.5　分離クロマチンのRNA合成
　　文献
　1.3　形質転換
　　1.3.1　微生物と動物の形質転換
　　1.3.2　植物の形質転換
　　文献

2．タンパク質合成系
　2.1　タンパク質合成系の成立
　　2.1.1　アミノ酸の活性化と識別
　　2.1.2　翻訳の開始と停止
　　2.1.3　オルガネラのタンパク質合成系
　　2.1.4　タンパク質合成の阻害
　　2.1.5　タンパク質合成系の概要図
　　2.1.6　アミノ酸プール
　　2.1.7　高次構造と酵素活性
　2.2　生体の活動とタンパク質合成の誘導
　　2.2.1　外的条件による誘導
　　2.2.2　ホルモンによる誘導
　　2.2.3　組織分化とタンパク質合成
　　文献

3．光合成系
　3.1　光合成系の遺伝的変異
　　3.1.1　光合成系の諸型
　　3.1.2　光合成能の変異
　　3.1.3　光合成能の変異の要因
　　3.1.4　光合成特性と外的条件
　　3.1.5　光合成系の遺伝と進化
　　文献
　3.2　葉緑体突然変異
　　3.2.1　葉緑体突然変異の表現型と遺伝様式
　　3.2.2　突然変異葉緑体の構造と機能
　　3.2.3　葉緑体の自律性
　　3.2.4　突然変異葉緑体の生化学
　　文献
　3.3　葉緑素突然変異
　　3.3.1　葉緑素突然変異の誘発
　　3.3.2　葉緑素突然変異体の特性
　　3.3.3　葉緑素突然変異の遺伝
　　文献

4．生体成分
　4.1　アイソザイム
　　4.1.1　アイソザイムの検出
　　4.1.2　アイソザイムの遺伝様式
　　4.1.3　アイソザイム遺伝子の発現
　　4.1.4　植物種と酵素多型との関係
　　4.1.5　アイソザイムの定着と分類
　　文献
　4.2　植物ホルモン
　　4.2.1　オーキシン
　　4.2.2　ジベレリン
　　文献
　4.3　種子貯蔵物質
　　4.3.1　子葉および胚乳の遺伝子型
　　4.3.2　貯蔵炭水化物の遺伝
　　4.3.3　貯蔵タンパク質の遺伝
　　文献
　4.4　植物色素と花色変異
　　4.4.1　カロテノイド色素
　　4.4.2　フラボノイド色素
　　4.4.3　花色変異
　　文献

5．比較生化学
　5.1　タンパク質
　　5.1.1　チトクロムc
　　5.1.2　フェレドキシン
　　5.1.3　その他の植物タンパク質
　　文献
　5.2　多糖類
　　5.2.1　植物多糖の糖組成による分類
　　5.2.2　貯蔵性多糖
　　5.2.3　細胞壁または骨格多糖
　　5.2.4　細胞間または分泌粘質多糖
　　文献
　5.3　低分子物質
　　5.3.1　炭水化物
　　5.3.2　有機酸
　　5.3.3　アミノ酸
　　5.3.4　脂肪酸
　　文献

人名索引
和名索引
学名索引
事項索引

木原　均
きはら ひとし
1893年 東京都に生まれる。北海道帝国大学農学部卒業。北海道帝国大学大学院進学を経て京都帝国大学助手・講師・助教授・教授、京都大学教授、国立遺伝学研究所所長、農林省植物ウイルス研究所所長、麻布学園理事長、進化生物学研究所所長などを歴任。横浜市立大学木原生物学研究所名誉所長、文化勲章受章、文化功労者。主な著書に『私の生物学』（編著、講談社）、『植物の世界』（共著、学生社）、『黎明期日本の生物史』（共著、養賢堂）、『砂漠と氷河の探検』（朝日新聞社）、マザー著『統計遺伝学』（共訳、岩波書店）などがある。

林　孝三
はやし こうぞう
1909年 生まれ。国立遺伝学研究所勤務を経て東京教育大学教授、進化生物学研究所研究員などを歴任。主な著書・訳書に『植物色素：実験・研究への手引 増訂』（編集、養賢堂）、ストラッフォード著『植物の代謝』（河出書房新社）などがある。

（情報は初版刊行時のものから一部修正しております）

執筆者一覧 （pdfファイル）
（執筆者の所属は初版刊行時）