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『曲げ変形の物理学』 内容見本


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曲げ変形の物理学
The Physics of Bending Deformation

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神奈川大学名誉教授 工博 日比野文雄 著

A5判/240頁/定価3300円(本体3000円+税10%)/2010年11月20日発行
ISBN 978-4-7853-6024-5  C3053

 長らく報告されることのなかった金属板材の曲げ変形について、ひずみゲージと形状測定機を使って調査した結果を解説。新規に解明した諸現象を報告するとともに、既存の説の妥当性についても検討した。材料力学の主役的存在である“曲げ”に対する新たな認識をうながす一冊である。


目次 (篇タイトル)  → 詳細目次

序論 (pdfファイル)
A(前篇) 曲げ解析の前提となる諸事項
B(中篇) 純曲げ変形の解明
C(後篇) 実用されている多様な曲げ変形の解析
総括

詳細目次  →『曲げ変形の物理学』目次

序文 (pdfファイル)

序論 (pdfファイル)
 1 まえがき
 2 いろいろな曲げ方がある実際の曲げ加工事例

A(前篇) 曲げ解析の前提となる諸事項

I.曲げ変形解析の基礎
 1 曲げの力学解析の出発点は"梁の曲げ"
 2 曲げ研究の基本にする梁
 3 曲げ成形と梁との対応
 4 せん断力が作用しない曲げ−純曲げ
 5 梁と板との区別は元来曖昧
 6 せん断力の効果
 7 Saint Venantの原理の存在
 8 観測された曲げひずみ

II.曲げ解析に対する障壁
 1 曲げモーメントは計算では求められない(実測が必要)
 2 無視され未解明の変形現象が存在する(Sangdahl et al.の実験データ)

III.曲げ変形の解明に関わる注意事項(8項目)

B(中篇) 純曲げ変形の解明

I.曲げモーメントは計算では求められない
 1 計算を妨げる因子
 2 根拠のない逆算の結末
 3 曲げモーメントの実用的推測値

II.純曲げ変形の力学解析
 1 純曲げ変形についてのNadaiの解説
 2 Nadaiの説明した式の幾何学的表示
 3 Herbertの式の利用例

III.スプリングバック
 1 スプリングバックでは断面はどう回転するのか
 2 ひずみ平面上のスプリングバック

IV.曲げモーメントの測定法
 1 4点曲げによる測定
 2 3点曲げによる測定
 3 片持ち梁による測定
 4 曲げモーメント測定上の注意事項

V.曲げに伴う幅方向の変形
 1 発生する幅方向ひずみ
 2 形状測定機下の純曲げ実験
 3 幅反り形状の特性

VI.薄板材の純曲げ変形の実測結果
 1 薄板圧延材の変形挙動
 2 中立軸の移動と厚さの変化
 3 機械的性質を均一にする能力がある

VII.純曲げ変形に関する総括

C(後篇) 実用されている多様な曲げ変形の解析

I.無視されてきているSangdahl et al.の実験データ
 1 突き曲げ変形の解明−板はパンチには巻き付かない
 2 巻き付き曲げ−曲率が不連続の変形が起きている

II.片持ち梁と3点曲げの塑性変形
 1 片持ち梁−固定端近傍で集中的に変形する
 2 3点曲げ−パンチ先端の半径が影響する

III.V曲げとU曲げ−型を使う曲げ
 1 V曲げ変形
 2 U曲げ変形

IV.折り曲げ変形に伴う曲率不連続現象
 1 L曲げ変形における曲率不連続の効果
 2 曲率不連続点を通過する折り曲げ変化

V.ロールベンダによるロール送り曲げ変形
 1 ロールベンダは製缶用
 2 ロールベンダの曲げ変形特性
 3 素材板の初期曲がりの影響
 4 ベンダ通過後の幅反り形状
 5 曲がり形状の均一化に利用できる
 6 ベンダ内の変形は不静定で数理解析はできない

VI.ローラレベラ−曲げ戻しを繰り返す
 1 ローラレベラ登場の経緯
 2 ローラレベラ内の変形過程

VII.曲げ変形状態に加わる張力の効果(張力の静的効果)

VIII.張力作用下のロール通過による曲げ変形(張力の動的効果)
 1 存在する曲率不連続状態
 2 張力の動的効果
 3 定常変形域内の特性
 4 出口側過渡変形域通過の効果

IX.張力によるロール通過曲げに対するラップ角の効果
 1 ラップ角の影響調査の実験
 2 限界ラップ角の存在
 3 ラップ角が伸びと幅反りを支配する
 4 ロール通過の際の張力変化
 5 少ない張力で板は伸びる

X.張力作用下のロール通過曲げ変形の事例
 (事例-1)引張り曲げ
 (事例-2)圧延機のディフレクタロール
 (事例-3)コイル材の巻き取りと巻き戻し

XI.曲げ変形に及ぼす引張り変形の影響
 1 板側面の影響は強い
 2 張力による板幅方向の断面形状の変化
 3 張力の作用による板幅方向の座屈現象
 4 板の曲げ変形に対する張力の効果
 5 ポアッソン比は丸棒かぎりのもの

XII.テンションレベラ
 1 テンションレベラの歴史
 2 動作原理
 3 張力下のロール通過による変形
 4 ロール通過の際の張力変化
 5 残留応力はローラレベラのように減少しない

XIII.凹凸を除き板を平らにするための加工
 1 矯正加工
 2 矯正方法
 3 圧延板の形状
 4 板の形状(曲がりと凹凸)を直すストレッチャ
 5 レベラの平坦度改善能力
 6 両レベラの特徴
 7 実現できる平坦度

総括
 1 曲げ解析の基本とすべき諸事項
 2 削除が必要な既存のデータ
 あとがき

付録
 1 塑性曲げ変形に関係する基本用語
 2 本書に登場した"ひずみ測定法"について

索引

著作者紹介

日比野 文雄
ひびの ふみお 
1951年 東京大学第2工学部卒業、。東京大学工学部大学院機械工学科(旧制)修了。日立製作所戸塚工場、日本アイ・ビイ・エム藤沢工場、神奈川大学教授などを歴任。主な著書に『矯正加工』(共著、コロナ社)などがある。

(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)


この著作者の本
『塑性加工(改訂版)』
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