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東京大学名誉教授 理博 岩槻邦男・
北海道大学名誉教授 理博 馬渡峻輔 編集
A5判/360頁/定価4950円(本体4500円+税10%)/1996年8月発行
ISBN 978-4-7853-5824-2(旧ISBN 4-7853-5824-6)
C3045
「生物多様性」をテーマにしたシリーズの第1巻.
この巻では,シリーズ全体の総論として,多様性生物学の中での「種」をめぐる研究の歴史と意義を概観し,現状を明らかにする.生物界を見渡し,種多様性を解き明かしていくには,たいへんに多角的なアプローチが必要であることは必須である.それらのアプローチの理論や手法を,実際の研究例を用いて,生物学のさまざまな分野の専門研究者によって紹介する.
第 I 部 分類学のすすめ
1.種多様性とは何か
2.分類学はこれまで何をしてきたか
第 II 部 類縁と系統をさぐる
3.系統樹をつくる
4.分子系統学のすすめ
5.比較分子発生生物学のすすめ
6.比較形態学のすすめ
7.比較細胞学のすすめ
8.理論細胞遺伝学のすすめ
9.古生物学のすすめ
第 III 部 種分化研究のすすめ
10.動物における種分化の機構
11.両生類における種分化
12.霊長類における種分化
13.無性生殖集団における植物の種分化
14.島嶼における植物の種分化
15.渓流沿い植物の種分化
16.植物地理からみた多様性
17.動物地理からみた多様性
刊行のことば
まえがき
本書を読むにあたって
第 I 部 分類学のすすめ
1.種多様性とは何か [馬渡峻輔]
1.1 普遍性
1.2 連続性
1.3 多様性
1.4 至近要因と究極要因
1.5 普遍性の究極要因
1.6 多様性の至近要因
1.7 多様性の究極要因
2.分類学はこれまで何をしてきたか [馬渡峻輔]
2.1 伝統分類法から進化論へ
2.2 種概念の変遷と種超階級の意味
2.3 種分類の問題点
2.4 体系分類の理論の変遷
第 II 部 類縁と系統をさぐる
3.系統樹をつくる [上島 励]
3.1 系統樹の構築法
3.2 系統樹の評価
4.分子系統学のすすめ [長谷部光泰]
4.1 理論
4.2 実際
5.比較分子発生生物学のすすめ −動物のボディープラン形成のメカニズムを理解するために [佐藤矩行]
5.1 はじめに
5.2 ホメオボックス遺伝子とズータイプ
5.3 分子系統学的研究の必要性:進化の道筋をより正確に把握するために
5.4 脊椎動物の背-腹は昆虫の腹-背か
5.5 脊索の形成に関与する遺伝子:脊索動物の起源と進化を考える一つのヒント
5.6 まとめにかえて
6.比較形態学のすすめ −植物の多様性を器官の進化と系統発生から探る [加藤雅啓]
6.1 進化と形態
6.2 器官の系統発生
6.3 分子・遺伝子からみた形態の多様性
7.比較細胞学のすすめ −細胞内共生が語る植物の類縁と系統 [原 慶明]
7.1 原核生物から真核生物へ
7.2 真核光合成生物の多様性と葉緑体の起源
7.3 細胞内共生と葉緑体の起源
7.4 紅色植物と緑色植物の系統と進化
7.5 複合葉緑体をもつ真核光合成生物の系統と進化
7.6 光合成生物の多様性の理解:網目状進化概念の導入
8.理論細胞遺伝学のすすめ −染色体進化の生物学的意味を解明するために [今井弘民]
8.1 はじめに
8.2 最小作用説
8.3 染色体形態の分類
8.4 種の存在様式
8.5 地域集団における染色体の存在様式
8.6 融合説に基づく系統構築の問題点
8.7 地理的集団における染色体の存在様式
8.8 交雑帯における染色体と遺伝子の存在様式
8.9 種分化における形態分化と核型分化
8.10 染色体に基づく系統推定の原理と適用限界
8.11 トビキバハリアリの染色体進化と種分化
9.古生物学のすすめ −化石が実証する生物の系統 [塚越 哲]
9.1 ポドコーパ目貝形虫類の概要
9.2 シセレ属の種とその地理的分布
9.3 種間関係の考察
9.4 種分化と地理的分布の成立過程
9.5 形質評価の検討
9.6 まとめ
第 III 部 種分化研究のすすめ
10.動物における種分化の機構 [片倉晴雄]
10.1 生物学的な種と生殖隔離機構
10.2 種分化の様式
10.3 異所的種分化における生殖隔離の進化
10.4 異所的種分化と地理変異
10.5 生殖隔離の強化
10.6 非異所的種分化における生殖隔離の進化
10.7 種分化の集団遺伝学的側面
10.8 おわりに
11.両生類における種分化 [松井正文]
11.1 はじめに
11.2 異所的種分化
11.3 側所的種分化
11.4 同所的種分化
12.霊長類における種分化 [植田信太郎]
12.1 はじめに
12.2 分子を指標とした霊長類の系統分類学的研究
12.3 ヒトの生物学的位置
12.4 ヒトの「種としての固有性」について
12.5 おわりに
13.無性生殖集団における植物の種分化 [村上哲明]
13.1 はじめに
13.2 無配生殖種はどのようにして生じるか −コスギイタチシダを例として
13.3 ホウビシダ類における無配生殖の進化
13.4 無配生殖種と有性生殖種との交雑による新しい無配生殖種の誕生
13.5 無配生殖種における不等な減数分裂による新しい遺伝子型の生成
13.6 おわりに
14.島嶼における植物の種分化 [伊藤元己]
14.1 大洋島の環境
14.2 大洋島内で進化
14.3 大洋島内での適応放散的種分化
14.4 小笠原諸島での適応放散
14.5 その他の大洋島に見られる植物の適応放散
15.渓流沿い植物の種分化 [今市涼子]
15.1 渓流沿い植物とは
15.2 渓流沿いシダ植物の形態と適応
15.3 狭葉の異時性進化
15.4 異時性の遺伝的基礎
16.植物地理からみた多様性 −ヒマラヤ高山帯のフロラ形成過程を中心に [大場秀章]
16.1 はじめに
16.2 フロラとその解析
16.3 ヒマラヤ高山帯のフロラ
16.4 系統分化と地理分布
16.5 おわりに
17.動物地理からみた多様性 −マダガスカル島の鳥類 [山岸 哲]
17.1 大陸移動とマダガスカル島
17.2 オオハシモズ類
17.3 くちばしの形態の多様性
17.4 採食ニッチの多様性
17.5 採食型とくちばし型
17.6 分布域と生態的分離
17.7 生態的解除と適応放散
人名索引
生物名索引
事項索引
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岩槻 邦男
いわつき くにお
1934年 兵庫県に生まれる.京都大学理学部卒業,京都大学大学院理学研究科博士課程修了.京都大学助教授・教授,東京大学教授,立教大学教授,放送大学教授,兵庫県立人と自然の博物館館長などを歴任.兵庫県立人と自然の博物館名誉館長.主な著書に『新・植物とつきあう本』(研成社),『桜がなくなる日』(平凡社),『日本の植物園』『シダ植物の自然史』(以上 東京大学出版会),『多様性の生物学』(岩波書店)などがある.
馬渡 峻輔
まわたり しゅんすけ
1946年 東京都に生まれる.北海道大学理学部卒業,北海道大学大学院理学研究科博士課程修了.日本大学助手・講師,北海道大学助教授・教授・総合博物館館長などを歴任.主な著書に『動物の多様性30講』(朝倉書店),『動物の多様性』(共編,培風館),『マクロ進化と全生物の系統分類』(共著,岩波書店),『動物分類学の論理』(東京大学出版会)などがある.
執筆者一覧 (pdfファイル)
(執筆者の所属は初版刊行時)
(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)
多様性からみた 生物学
生物講義
動物の系統分類と進化
植物の系統と進化
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