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『量子統計物理学』 カバー
 


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復刊書籍一覧へ 量子統計物理学
Statistical and Thermal Physics
−Quantum Statistical Mechanics and Symple Applivations−

在庫マーク

ニューヨーク州立大学教授 Ph.D. 藤田重次 著/
 原 啓明・小幡常啓・岡村好庸・鈴木 彰 共訳

A5判/404頁/定価6600円(本体6000円+税10%)/
初版1990年3月25日発行,復刊2003年8月20日発行
ISBN 978-4-7853-2038-6 (旧ISBN 4-7853-2038-9)  C3042
(オンデマンド方式による印刷・製本)

 ニューヨーク州立大学での講義を元にして懇切丁寧に書かれた“Statistical and Thermal Physics”(1986年刊)の第II部を翻訳。本書では、おもに量子統計力学、相転移および輸送現象を議論する。
 記述にあたっては、普通であれば予備知識として読者に期待すべき事柄も初歩から十分に説明し、また著者が適当と判断した題材については高いレベルの点まで省略せずに詳しく丁寧に解説しているので、教科書としても、また独習書としても好適である。なお翻訳にあたって、著者により、6.14節が新しく書き直され、また新しい問題が少数追加されている。
 姉妹書に、原書の第I部を翻訳した『統計熱物理学』がある。


目次 (章タイトル)  → 詳細目次

1.量子力学の基礎理論
2.量子統計力学の基本原理
3.伝導電子と液体ヘリウム
4.黒体放射.格子振動
5.スピンと磁性.相転移.高分子の形状
6.輸送現象

詳細目次

推薦の言葉(市村 浩)
はしがき

1.量子力学の基礎理論
 1.1 基礎的実験事実
  (a)波と粒子
  (b)線スペクトルの定常状態
  (c)比熱のパラドックス
 1.2 一般化されたベクトル.行列
 1.3 線形演算子
 1.4 固有値問題
 1.5 直交表示
 1.6 1次元運動の量子力学的記述
 1.7 運動量固有値問題
 1.8 エネルギー固有値問題
 1.9 調和振動子
 1.10 Heisenbergの不確定性原理
 1.11 3次元空間を運動する粒子
 1.12 空間内の自由粒子
 1.13 量子力学いおける5つの基本的原理の要請
 1.14 Heisenberg描像
 1.15 量子力学と古典力学との対応
 1.16 量子力学におけるGibbs集団
 復習問題
 一般問題
 参考文献

2.量子統計力学の基本原理
 2.1 置換群
 2.2 奇置換群と偶置換群
 2.3 識別不可能な古典粒子
 2.4 量子統計の仮説.ボソンに対する対称状態
 2.5 フェルミオンに対する反対称状態.Pauliの排他原理
 2.6 ボソンとフェルミオン(続き).量子統計とスピン
 2.7 占有数表示
 2.8 多粒子系のGibbs集団.カノニカル集団
 2.9 分配関数
 2.10 グランドカノニカル集団
 2.11 Bose分布関数とFermi分布関数
 2.12 古典的極限での量子統計
 2.13 古典統計力学の適用可能性
 復習問題
 一般問題
 参考文献

3.伝導電子と液体ヘリウム
 3.1 金属中の伝導電子
 3.2 自由電子.Fermiエネルギー
 3.3 運動量空間での状態密度
 3.4 エネルギー空間での状態密度
 3.5 縮退した電子の熱容量.定性的議論
 3.6 縮退した電子系の熱容量.定量的計算
 3.7 液体ヘリウム
 3.8 自由ボソン.Bose-Einstein凝縮
 3.9 凝縮相にあるボソン
 復習問題
 一般問題
 参考文献

4.黒体放射.格子振動
 4.1 真空中の電磁場.波動方程式とその平面波解
 4.2 電磁場のエネルギー.正準変換
 4.3 黒体放射.Planck分布関数
 4.4 Planck分布関数の実験的検証
 4.5 放射圧
 4.6 結晶格子
 4.7 格子振動.Einsteinの比熱理論
 4.8 弾性的性質
 4.9 弾性波
 4.10 弾性波のハミルトニアン
 4.11 Debyeの比熱理論
 4.12 比熱(続き).格子力学
 復習問題
 一般問題
 参考文献

5.スピンと磁性.相転移.高分子の形状
 5.1 量子力学における角運動量
 5.2 角運動量の性質
 5.3 スピン角運動量
 5.4 電子のスピン
 5.5 回転磁気比
 5.6 孤立原子の常磁性.Curieの法則
 5.7 縮退電子の常磁性(Pauli常磁性)
 5.8 強磁性.Weissの内部場モデル
 5.9 Isingモデル.1次元モデルの解
 5.10 Bragg-Williamsの近似
 5.11 Isingモデル(続き)
 5.12 希薄溶液中の高分子の形状
 5.13 溶液中でのポリペプチドのらせん−コイル転移
 復習問題
 一般問題
 参考文献

6.輸送現象
 6.1 Ohmの法則.電気伝導度.Matthiessenの規則
 6.2 電子−不純物系に対するBoltzmann方程式
 6.3 電流緩和率
 6.4 半導体への応用
 6.5 電磁場中での荷電粒子の運動
 6.6 一般化されたOhmの法則.吸収パワー
 6.7 電気伝導度に対するKuboの公式
 6.8 Kuboの公式(続き)
 6.9 自由電子の動的電気伝導度
 6.10 移動度(続き).準粒子効果
 6.11 サイクロトロン共鳴
 6.12 拡散
 6.13 Lorentz気体のシュミレーション
 6.14 結晶中の原子の拡散.Arrheniusの法則
 復習問題
 一般問題
 参考文献

物理定数
数学記号
記号一覧表
参考書
索引

著作者紹介

藤田 重次
ふじた しげじ 
1929年 大分県に生まれる。九州大学理学部卒業、メリーランド大学大学院修了。ノースウエスタン大学、ブリュッセル大学、ペンシルバニア州立大学、オレゴン大学等で研究に従事。専攻は非平衡系の統計物理。

原 啓明
はら ひろあき 
1961年 山口大学理学部卒業、東京工業大学大学院博士課程単位取得退学。東北大学助教授・教授などを歴任。理学博士。

小幡 常啓
おばた つねひろ 
1971年 電気通信大学工学部卒業、金沢大学大学院修士課程中退。群馬工業高等専門学校助教授・教授などを歴任。

岡村 好庸
おかむら よしのぶ 
1973年 神戸大学理学部卒業、ニューヨーク州立大学大学院博士課程修了。宇部工業高等専門学校助教授・教授などを歴任。Ph.D.

鈴木 彰
すずき あきら 
1973年 東京理科大学理工学部卒業、英国レディング大学大学院博士課程修了。東京理科大学助教授・教授などを歴任。東京理科大学名誉教授、Ph.D.

(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)


姉妹書
『統計熱物理学』
統計熱物理学


関連書籍
『熱統計力学』
熱統計力学


『統計熱力学』
統計熱力学



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