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『21世紀、物理はどう変わるか』 カバー
 


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21世紀、物理はどう変わるか
How Physics Will Progress in the 21st Century ?

在庫マーク

日本物理学会 編

A5判上製/274頁/定価4620円(本体4200円+税10%)/2002年11月発行
ISBN 978-4-7853-2822-1 (旧ISBN 4-7853-2822-3)  C3042

 本書は、21世紀に入った今、物理はこれからどう変わるか、物理の世界の最前線で活躍している研究者たちがそれぞれの立場から執筆したものである。
 物理の役割は基本的法則を探ることであり、複雑なものの性質を探ることである。そして21世紀は、単純系より複雑系、非生物体より生物体、ミクロよりマクロなど新しい見方を求めてみることで、新しい発見が期待できるようにも思える。21世紀における物理の潮流を、本書で感じて頂ければ幸いである。
 読者対象:大学3年生くらい〜


目次 (章タイトル)  → 詳細目次

1.物理学の進化 −相対性理論と量子論− [前田恵一]
2.量子力学的世界像と古典物理学 [江沢 洋]
3.マクロな世界にも現れる量子現象 −トンネル効果− [高木 伸]
4.レーザー冷却された原子気体のボース‐アインシュタイン凝縮 [上田正仁]
5.光の速さを測る −相対論入門− [霜田光一]
6.アインシュタインの重力理論とブラックホール [前田恵一]
7.素粒子の世界から宇宙へ [二宮正夫]
8.ミクロな世界の法則と素粒子現象 [荒船次郎]
9.超弦理論と量子重力 −自然界の力を統一する− [川合 光]
10.アインシュタインと宇宙定数 −定常宇宙論から進化宇宙論へ− [池内 了]
11.宇宙の始まりと量子論 [佐藤勝彦]
12.量子コンピューターと量子暗号 [井元信之]

詳細目次

まえがき

1.20世紀の物理と21世紀の物理 [江沢 洋]
 1.1 20世紀の物理学革命
 1.2 相対性理論
  1.2.1 ローレンツ変換
  1.2.2 相対論的力学
  1.2.3 相対論的電磁気学
 1.3 量子力学
  1.3.1 量子力学の成立まで
  1.3.2 量子力学の展開
 1.4 固体電子論
 1.5 原子核の問題
 1.6 相対論的量子力学へ
 1.7 素粒子論
 1.8 素粒子論と物性論の交流
 1.9 素粒子の統一理論
 1.10 21世紀の物理学
  1.10.1 量子力学
  1.10.2 不可逆過程の統計力学
  1.10.3 重力波の検出
  1.10.4 数理物理学
  1.10.5 ゲノムの物理学
  1.10.6 免疫過程の物理
 参考文献  

2.超ミクロと超マクロの物理 [佐藤勝彦]
 2.1 はじめに
 2.2 素粒子的宇宙論とインフレーション
 2.3 観測的宇宙論の進展
 2.4 量子宇宙論 −“無”からの宇宙創生−
 2.5 宇宙定数とダークエネルギー(暗黒エネルギー)問題
 2.6 21世紀の課題
 参考文献

3.ミクロとマクロの量子論 [上田正仁]
 3.1 はじめに
 3.2 量子論の本質
  3.2.1 アインシュタイン‐ド・ブロイの関係式
  3.2.2 シュレーディンガー方程式
  3.2.3 波動関数の確率解釈
  3.2.4 アインシュタイン‐ポドルスキー‐ローゼンのパラドックス
  3.2.5 波束の収縮と相対論との無矛盾性
 3.3 巨視的量子現象
  3.3.1 同種粒子の識別不可能性の原理
  3.3.2 量子効果がマクロに増幅される仕組み −ボース‐アインシュタイン凝縮−
  3.3.3 巨視的量子効果の例
 3.4 シュレーディンガーの猫のパラドックス
  3.4.1 重ね合わせの原理の帰結
  3.4.2 デコヒーレンス
  3.4.3 巨視的量子コヒーレンス
 参考文献

4.生命システムの論理 [金子邦彦]
 4.1 はじめに
 4.2 複雑系生物学の方法論
  4.2.1 構成的方法
  4.2.2 相互作用力学系
 4.3 発生・分化の相互作用 −力学系理論−
  4.3.1 力学系モデル
  4.3.2 相互作用 −力学系モデルで見出された分化の普遍的シナリオ−
  4.3.3 幹細胞からの分化のルール形成と内部表現
  4.3.4 安定性
  4.3.5 不可逆性
  4.3.6 分化から形態形成へ
 4.4 情報の起源
 4.5 進化、特に種分化
 4.6 まとめ
 4.7 展望
  4.7.1 実験複雑系生命科学
  4.7.2 認知、社会のダイナミクスに向けて
 参考文献

5.ソフトとハードの物理 [西 敏夫]
 5.1 はじめに
 5.2 ポリマーアロイ
 5.3 免震ゴム
 5.4 ナノテクノロジーとソフトの物理
 5.5 おわりに
 参考文献

6.能動的実験と受動的観察 [戸塚洋二]
 6.1 はじめに
 6.2 カミオカンデ装置と陽子崩壊の探索
 6.3 太陽ニュートリノ観測への変身
 6.4 ニュートリノ入門
 6.5 超新星ニュートリノの観測
 6.6 スーパーカミオカンデの登場
 6.7 太陽ニュートリノの観測
 6.8 太陽ニュートリノ
 6.9 K2K実験
 6.10 研究成果のまとめ
 6.11 JHF‐Kamioka計画
 6.12 ハイパーカミオカンデ計画

7.少数系と多数系の物理 [堀内 昶]
 7.1 はじめに
 7.2 少数体問題
 7.3 無限多体系 −核物質の物性−
 7.4 有限の大きさをもった多体系
 7.5 離合集散する多体系
 7.6 おわりに
 参考文献

8.宇宙の地上観測と宇宙観測 −太陽系外の惑星探査と地球外生命探求への展望− [観山正見]
 8.1 はじめに
 8.2 太陽系外の惑星が続々発見される!
 8.3 惑星の定義は?
 8.4 惑星形成の現場
 8.5 惑星系形成論の現状
 8.6 巨大惑星形成研究の展望
 8.7 地球型惑星探査
 8.8 おわりに

9.秩序の物理と無秩序の物理 [宮下精二]
 9.1 温 度
 9.2 相転移の仕組み
 9.3 相転移の分類・普遍性
  9.3.1 ゆらぎのタイプ
  9.3.2 トポロジカルな欠陥
  9.3.3 臨界指数とスケーリング則
  9.3.4 ユニヴァーサリティーと共形場理論
 9.4 大きなゆらぎを求めて
  9.4.1 矛盾した秩序
  9.4.2 乱れた系での秩序形成
  9.4.3 量子ゆらぎ
 9.5 1次転移
 9.6 動的臨界現象
 9.7 まとめ
 参考文献

10.量子の世界と古典の世界 [古澤 明]
 10.1 はじめに
 10.2 量子情報と量子テレポーテーション
  10.2.1 波動関数と量子情報
  10.2.2 EPRペア −量子エンタングルメント−
  10.2.3 2次元量子テレポーテーション −ベネットらのスキーム−
  10.2.4 EPR相関(量子相関)と古典相関の違い
  10.2.5 ウィグナー関数
  10.2.6 連続量量子テレポーテーション
 10.3 おわりに
 参考文献

索引

著作者紹介

日本物理学会
にほんぶつりがっかい 
1877年(明治10年)創立。「物理学およびその応用に関する研究発表、知識の交換、会員相互および内外の関連学会と連携強化を図ることにより、物理学の進歩普及を図り、わが国の学術の発展に寄与することを目的にした学術団体」(日本物理学会の Webサイトより)


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