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『生体とエネルギーの物理』 カバー
 


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生体とエネルギーの物理 −生命力のみなもと−
Physics of Living Materials and Energetics −Source of Vitality−

在庫マーク

日本物理学会 編

A5判上製/258頁/定価4620円(本体4200円+税10%)/2000年11月発行
ISBN 978-4-7853-2816-0 (旧ISBN 4-7853-2816-9)  C3042

 今日の生物科学の大きな課題である「生体膜と生体高分子の物理化学的性質」について、および「太陽からの光エネルギーが生体エネルギーに変えられていくプロセス」について、生物物理の今日第一線の研究者が10章にわたって豊富な図と写真を交えてくわしく解説したものである。
 読者対象:学生、一般


目次 (章タイトル)  → 詳細目次

1.生命の理解のために [美宅成樹]
2.生命のはじまりと脂質2分子膜 [八田一郎]
3.生体膜の弾性力学 [本田 誠・瀧口金吾・宝谷紘一]
4.スマートゲルと生命のみなもと [田中豊一]
5.生体エネルギー変換の戦略 [垣谷俊昭]
6.バクテリオロドプシンの光エネルギー変換 [神取秀樹]
7. 地球を変えた生体の電子とプロトン移動 [伊藤 繁]
8.チトクロム酸化酵素のはたらき [吉川信也]
9.ATP合成酵素の動力学 [安田涼平・木下一彦]
10.地球生命系の発展と安定化 [垣谷宏子]

詳細目次

<序> 生物への新しい見方

1.生命の理解のために [美宅成樹]
 1.1 はじめに
 1.2 生物らしさについて
 1.3 生物らしい分子 ── 生体高分子
 1.4 生物の情報の流れ
 1.5 タンパク質の構造と動き
 1.6 生物らしい分子 ── 両親媒性分子
 1.7 生物を作る溶媒 ── 水
 1.8 生体におけるエネルギーの形
 1.9 おわりに

2.生命のはじまりと脂質2分子膜 [八田一郎]
 2.1 はじめに
 2.2 化学進化と脂質分子
 2.3 生体膜を構成する脂質分子
 2.4 自発的脂質2分子膜形成
 2.5 脂質膜の相転移
 2.6 脂質膜分子集合体における多形現象
 2.7 脂質多成分系の相図
 2.8 おわりに
 参考文献

3.生体膜の弾性力学 [本田 誠・瀧口金吾・宝谷紘一]
 3.1 細胞活動には膜が必須である
 3.2 形あっての生体膜器官
 3.3 膜器官の形を決めているのは脂質か,タンパク質か?
 3.4 溶液中でリポソームは規則的に変化する
 3.5 何が形態変換の駆動力か?
 3.6 順次的多形変換は普遍的か?
 3.7 細胞骨格である微小管によるリポソームの変形
 3.8 二極性リポソームにおける球状部揺動のMAPsによる抑制
 3.9 二極性リポソーム形成のシミュレーション
 3.10 アクチン重合によるリポソームの形態形成
 3.11 膜小胞形態形成におけるアクチン結合タンパク質の役割
 3.12 細胞骨格の架橋様式とリポソームの形態
 3.13 リポソームを穿孔する細胞骨格関連タンパク質
 3.14 タリンによるリポソームの安定的穿孔と形態変化
 3.15 細胞モデルの将来
 参考文献

4.スマートゲルと生命のみなもと [田中豊一]
 4.1 生命とは何か
 4.2 タンパク質の機能を生みだす原理
 4.3 高分子による構造の記憶
 4.4 高分子の構造を記憶する証明の実験方法
 4.5 ゲルの相転移と分子認識
 参考文献

5.生体エネルギー変換の戦略 [垣谷俊昭]
 5.1 はじめに
 5.2 物質のエネルギーが蓄えられるところ
 5.3 エネルギー状態をはかるもう一つのメジャー
 5.4 袋とエントロピー
 5.5 主役は電子とプロトン
 5.6 電子がプロトンを運ぶわけ
 5.7 なぜ電子のベクトル的移動が可能なのか
 5.8 生物と地球の共進化
 5.9 散逸構造としての生物・地球系
 5.10 付加価値自由エネルギー
 5.11 まとめ
 参考文献

6.バクテリオロドプシンの光エネルギー変換 [神取秀樹]
 6.1 はじめに
 6.2 バクテリオロドプシンとは?
 6.3 ポンプ過程におけるプロトンの経路の研究
 6.4 ポンプの本質であるスイッチとは?
 6.5 おわりに
 参考文献

7. 地球を変えた生体の電子とプロトン移動 [伊藤 繁]
 7.1 生命進化とエネルギー
 7.2 生物進化と光合成生物の出現:酸素の放出
 7.3 地球と生物との電子のキャッチボール
 7.4 シアノバクテリア型光合成の廃棄物(O2)の思いがけない役割
 7.5 分子のデザイン:光合成を担う部品
 7.6 自己組織化された超分子:小さな分子をうまく並べる光合成反応中心
 7.7 Hの濃度差と電場変化による電気化学エネルギーを使うATP合成酵素
 7.8 電子移動のメカニズム
 7.9 電子は片側だけを流れるのか?
 7.10 電子はどうして絶縁体の中を流れるのか?
 7.11 電子とHの通り道
 7.12 光を集める ── アンテナ色素タンパク複合体
 7.13 新しい光合成の発見:新しいことをはじめよう
 参考文献

8.チトクロム酸化酵素のはたらき [吉川信也]
 8.1 はじめに
 8.2 チトクロム酸化酵素によるエネルギー変換
 8.3 チトクロム酸化酵素によるO2還元
 8.4 ウシ心筋チトクロム酸化酵素の結晶化
 8.5 ウシ心筋チトクロム酸化酵素のX線構造
 8.6 X線構造と反応機構
 8.7 おわりに
 参考文献

9.ATP合成酵素の動力学 [安田涼平・木下一彦]
 9.1 はじめに
 9.2 ATP合成酵素
 9.3 F11分子の回転を見る
 9.4 F1はステッピングモーターである
 9.5 エネルギー変換効率をはかる
 9.6 高速回転を見る
 9.7 ATP分解と回転の関係を考える
 9.8 今後の課題
 9.9 おわりに
 参考文献

10.地球生命系の発展と安定化 [垣谷宏子]
 10.1 40億年の地球生命
 10.2 生命と地球の共進化
 10.3 地球生命系の自己展開
 10.4 人と地球環境
 10.5 人の進化方式
 10.6 人と地球の共進化

索引

著作者紹介

日本物理学会
にほんぶつりがっかい 
1877年(明治10年)創立。「物理学およびその応用に関する研究発表、知識の交換、会員相互および内外の関連学会と連携強化を図ることにより、物理学の進歩普及を図り、わが国の学術の発展に寄与することを目的にした学術団体」(日本物理学会の Webサイトより)


この著作者の本
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