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裳華房 今月の話題

水は生命のふるさと

(2002.6.28更新)

 地球の生命は,30数億年の昔,海の中で生じたと考えられています.まさに水は生命のふるさと――.

 ところで最近,生命の誕生は海水ではなく淡水から? というような実験結果が発表され論議を呼んでいます.

 米国カリフォルニア大学サンタクルス校のグループが『ニュー・サイエンティスト』誌(5月8日)に発表した記事によると,同グループは原始地球の淡水と同じ組成と考えられる溶液中で安定した膜構造をつくることに成功,この構造は海水より薄い濃度の塩化ナトリウムやマグネシウムイオン,カルシウムイオンを加えるとこわれてしまったということです.
 グループの一人デービッド・ディーマー氏は,「今回の実験は,生命は海水中で生まれたという,これまで前提と考えられていたことが本当に正しいのかどうか確かめるため」と語っているそうです.
 はたして地球の生命は淡水で生まれたのか海水で生まれたのか…,今後の進展に興味がもたれるところです.

 また,太陽系の惑星に目を転じれば,昨年末,火星がかつては水の惑星であったのでは,という話題がありました.
 さらについ最近,NASAの火星探査機「マーズオデッセイ」のデータを分析した結果,火星表層に大量の氷の存在が確認されたそうです(『Science』誌,5月31日.NASAのJPLによる元記事はこちら).
 もし火星に液体の水があれば,いまも生命が生きている可能性が膨らみます.
 こちらもまた,今後の進展が期待されます.

 ここでは,生命の起源と水に関する書籍やサイトを集めてみました.


地球の水環境と生命の起源に関する
裳華房の書籍・雑誌

 

○ 『ポピュラー・サイエンス 地球生命を支配する水 −水のポプリー−』(小出 力 著) (最新刊)

○ 『化学の目でみる 地球の環境 −空・水・土−』(北野 康 著)

○ 『環境化学(改訂版)』(西村雅吉 著)

○ 『地 球 −その誕生と現在−』(上山 弘 著)

○ 『化学新シリーズ 環境化学』(小倉紀雄・一國雅巳 共著)

○ 『生物の科学 遺伝』 別冊12号 「地球の進化・生命の進化(品切れ中)


「水環境」に関するホームページ

(社)日本水環境学会

東京農工大学 水環境保全学研究室
  (上記『化学新シリーズ 環境化学』の著者 小倉紀雄先生のホームページ)

環境省 水環境部



         

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