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『理論物理のための 現代幾何学』 内容見本


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理論物理のための 現代幾何学
−多様体・リーマン幾何学・リー群の大域的構造−
Modern Geometry for Theoretical Physics
−Manifolds, Riemannian Geometry, and Global Structure of Lie Groups−

在庫マーク

岡山大学教授 博士(理学) 秦泉寺雅夫 著

A5判上製/384頁/定価5280円(本体4800円+税10%)/2024年9月25日発行
ISBN 978-4-7853-1606-8  C3041

 一般相対論におけるリーマン幾何学や、物性理論におけるトポロジーなどをはじめ、理論物理では数学科で学ばれるような現代幾何学の概念が広く用いられる。本書では、理論物理を志向する読者を主な対象に、現代幾何学で最も基本的な概念である「多様体」とその性質を中心に解説する。
 物理学科の出身でありながら、現在は数学を生業とする著者自身の学生時代の経験を織り交ぜつつ、読者へ語りかけるようにわかりやすく述べられている。多様体の基本事項を「抽象的な一般論」よりも「具体的な使われ方」に重きを置いて解説したのち、多様体のトポロジー、リーマン幾何学、リー群の大域的構造と、多彩に話題が展開されてゆく。
 第1章では準備として「一般位相」を扱い、物理と数学がそれぞれ何を大事にしているのかの違いについても述べた。また、ベクトル空間の双対やテンソル積といった線形代数の発展的内容に慣れていない読者のために、必要な定義などを最終章に短くまとめた。
 イメージをつかむ・理解を助けるための図を多数収録。物理学科の学生のみならず、数学として多様体を学びたいかたにもおすすめしたい書籍。


サポート情報

前書き (pdfファイル)   索引 (pdfファイル)

目次 (章タイトル)  → 詳細目次

1.一般位相:直観を論理に乗せる作業
2.多様体
3.多様体のトポロジー
4.リーマン幾何学と一般相対論
5.リー群の大域的構造とリー環
6.附録:線形代数についての補足

詳細目次  →『理論物理のための 現代幾何学』 目次

前書き (pdfファイル)

1.一般位相:直観を論理に乗せる作業
 1.1 はじめに
 1.2 実数の連続性
 1.3 1変数実数値関数の連続性と連続関数の性質
 1.4 関数の連続性と開集合
  1.4.1 物理と数学の感覚の違い
  1.4.2 $\mathbf{R}$ の開集合とは?
  1.4.3 関数の連続性を開集合で書き直す
 1.5 ユークリッド空間 $\mathbf{R}^n$ の距離位相
 1.6 コンパクト集合
 1.7 連結性
 1.8 補足

2.多様体
 2.1 多様体の定義と例
  2.1.1 多様体の外在的な定義
  2.1.2 逆関数定理と逆像定理
  2.1.3 多様体の内在的な定義
 2.2 多様体上の関数と多様体間の写像
  2.2.1 多様体論でよく使われる滑らかな関数の世界
  2.2.2 球面上の関数の代数的取り扱い
  2.2.3 多様体の接ベクトル空間
  2.2.4 多様体間の写像
 2.3 接ベクトル場と微分形式
  2.3.1 接ベクトル場
  2.3.2 ポアンカレ-ホップの定理
  2.3.3 全微分と1次微分形式
  2.3.4 多様体上の微分形式
 2.4 接ベクトル場と1-パラメータ変換群
  2.4.1 多様体の接ベクトル場の積分曲線と1-パラメータ変換群
  2.4.2 多様体のテンソル場とリー微分

3.多様体のトポロジー
 3.1 多様体の単体分割と単体複体のホモロジー群
  3.1.1 コンパクト多様体の単体分割と単体複体
  3.1.2 単体の向き,鎖群とホモロジー群
  3.1.3 オイラー数およびいくつかの代数的補足
 3.2 鎖複体のホモロジー群と完全系列
 3.3 $\mathbf{R}^n$ のド・ラムコホモロジー群とポアンカレの補題
 3.4 マイヤー-ビートリス長完全系列
 3.5 微分形式の積分とストークスの定理およびポアンカレ双対性
  3.5.1 境界のある多様体
  3.5.2 微分形式の積分とストークスの定理
  3.5.3 コンパクト台をもつド・ラムコホモロジー群とポアンカレ双対定理
 3.6 キュネットの公式とポアンカレ多項式
 3.7 ド・ラムの定理

4.リーマン幾何学と一般相対論
 4.1 曲面論
  4.1.1 曲面の基本形式とガウスの驚きの定理
  4.1.2 ガウス-ボンネの定理
 4.2 多様体へのリーマン計量の導入
  4.2.1 リーマン計量とレビ・チビタ接続
  4.2.2 ラプラシアンと調和形式
  4.2.3 ガウス-ボンネの定理の一般化
 4.3 等価原理から一般相対性理論へ
  4.3.1 リーマン多様体の測地線の方程式
  4.3.2 等価原理をめぐる考察
  4.3.3 重力場の方程式

5.リー群の大域的構造とリー環
 5.1 多様体としてのリー群と例
 5.2 リー群から得られるリー環とその幾何学的意味
 5.3 リー環のコホモロジー

6.附録:線形代数についての補足

参考文献
索引

著作者紹介

秦泉寺 雅夫
じんぜんじ まさお 
1968年 東京都に生まれる。1996年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。北海道大学講師・准教授などを経て現職。専門は位相的場の理論、ミラー対称性。主な著書に『数物系のためのミラー対称性入門』『物理系のための複素幾何入門』(以上 サイエンス社)、“Classical Mirror Symmetry”(Springer)などがある。

(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)


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