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物理学レクチャーコース
解析力学
Analytical Dynamics
九州大学名誉教授 理博 河辺哲次 著
A5判/予320頁/定価3520円(本体3200円+税10%)/2025年11月25日発行
ISBN 978-4-7853-2416-2
C3042
物理学の教育・学びの双方に役立つ21世紀の新たなガイドとなることを目指し、多様化する“大学の講義と学生のニーズ”に応えるテキストとして刊行中の『物理学レクチャーコース』の一冊である。
本シリーズでは、講義する先生の目線で内容を吟味する編集委員に加え、国立科学博物館認定サイエンスコミュニケーターの須貝駿貴さんと予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」講師のヨビノリたくみさんに編集サポーターとして加わっていただき、学習する読者の目線で、テキストの内容がよりわかりやすく、より魅力的なものになるように内容を吟味していただいていることも、大きな特徴の一つとなっている。
本書では、解析力学を初めて学ぶ理工系の学生の方たちを対象に、できるだけ丁寧に解説するように心掛けました。基礎教育レベルの力学で学んだ「ニュートンの運動方程式」では、問題を記述する変数や座標系の選び方に応じて運動方程式の形が異なるため、導出に苦労したのではないかと思います。しかし解析力学では、どのような座標系でも簡単に導出できる魔法のような運動方程式である、「ラグランジュの運動方程式」が登場します。
適当な座標さえ選べば、後は全く「機械的に」計算を進めることができる、この魔法の式を与えるのが「ラグランジュ形式」というもので、魅力的な解析力学の世界に入る扉に刻まれたイコンと言ってもよいでしょう。
そして、これに続いて学ぶラグランジュ形式を土台にした「ハミルトン形式」、「ハミルトンの運動方程式」が、より高度な概念や応用への道を拓いてくれることになります。
なお、解析力学はどうしても抽象的な説明になりがちで、何のためにこんな式変形をしているのか、といった点がわかりにくいことが多く、読者が迷路に入り込んでしまうことがよくあります。そこで本書では、
・なぜそのような変形をするのかをきちんと説明する。
・ゴールまでの道のりが長いものについては、フローチャートを入れる。
などを行ったことで、「これから何をしようとしているのか」「ゴールは何なのか」を明確にし、読者ができるだけ迷子にならないように工夫しました。
ぜひ本書で、解析力学の魅力を堪能していただければと思います。
サポート情報

「物理学レクチャーコース」編集サポーターのお仕事紹介 Part.2
「物理学レクチャーコース」編集サポーターのお仕事紹介 Part.1
目次 (章タイトル)
1.解析力学を学ぶ前に
2.ラグランジュ形式
3.変分法
4.束縛系とラグランジュの未定乗数法
5.時空の対称性と物理量の保存則
6.ハミルトン形式
7.正準変換
8.位相空間と不変量
9.ハミルトン‐ヤコビの理論
10. 解析力学の応用ア・ラ・カルト
1.解析力学を学ぶ前に
1.1 なぜ解析力学を学ぶのでしょうか?
1.1.1 「ニュートン力学」の単なる拡張ではありません
1.1.2 魔法のような運動方程式
1.2 解析力学の2つの形式
1.2.1 ラグランジュ形式
1.2.2 ハミルトン形式
1.3 解析力学を学ぶことの意義
1.3.1 実用的な価値
1.3.2 理論的な価値
本章のPoint
Practice
2.ラグランジュ形式
2.1 解析力学に不可欠な数学
2.1.1 常微分と偏微分
2.1.2 全微分
2.2 ラグランジュの運動方程式
2.2.1 ラグランジュの運動方程式の導出
2.2.2 運動方程式の共変性
2.3 ラグランジアン
2.3.1 具体的な計算方法
2.3.2 循環座標と保存則
本章のPoint
Practice
3.変分法
3.1 停留値とは何でしょうか?
3.1.1 関数の停留値
3.1.2 汎関数の停留値
3.2 変分法と仮想変位
3.2.1 汎関数に対する仮想変位
3.2.2 停留値とオイラー-ラグランジュ方程式
3.3 ハミルトンの原理
3.3.1 作用積分
3.3.2 ラグランジアンの多様性
3.4 原理の階層性
3.4.1 ダランベールの原理と仮想仕事の原理
3.4.2 最小作用の原理
本章のPoint
Practice
4.束縛系とラグランジュの未定乗数法
4.1 束縛問題に対する従来の解法
4.1.1 ニュートンの運動方程式で解く
4.1.2 非保存力を含むラグランジュの運動方程式で解く
4.2 未定乗数法を具体例で理解しよう
4.2.1 アトウッドの滑車の問題を解く
4.2.2 未定乗数法の証明
4.3 多自由度系に対する未定乗数法
4.3.1 束縛系の自由度と束縛条件
4.3.2 束縛系に対するラグランジュの運動方程式
本章のPoint
Practice
5.時空の対称性と物理量の保存則
5.1 空間の一様性と運動量保存則
5.2 空間の等方性と角運動量保存則
5.3 時間の一様性とエネルギー保存則
本章のPoint
Practice
6.ハミルトン形式
6.1 なぜハミルトン形式を考えるのでしょうか?
6.1.1 ハミルトン形式を考える理由
6.1.2 ハミルトンの運動方程式を素朴に導こう
6.2 ルジャンドル変換
6.2.1 熱力学におけるルジャンドル変換
6.2.2 ルジャンドル変換の仕組み
6.2.3 ルジャンドル変換のカラクリと意味
6.3 ラグランジュ形式とハミルトン形式との関係
6.3.1 解析力学におけるルジャンドル変換
6.3.2 ハミルトンの運動方程式の解法に向けて
本章のPoint
Practice
7.正準変換
7.1 なぜ正準変換を考えるのでしょうか?
7.1.1 正準変換を求める準備
7.1.2 拡張型ハミルトンの原理
7.2 正準変換の母関数
7.2.1 母関数とは何でしょうか?
7.2.2 母関数の分類
7.3 正準変換の例
7.3.1 「恒等変換」と「$p,q$ の交換」
7.3.2 正準変換を利用した運動方程式の解法
本章のPoint
Practice
8.位相空間と不変量
8.1 2種類の空間
8.1.1 配位空間
8.1.2 位相空間
8.2 リウヴィルの定理
8.2.1 リウヴィルの定理の具体例から証明へ
8.2.2 位相流体
8.3 保存系と散逸系
8.3.1 ハミルトン力学系
8.3.2 散逸系
8.4 ポアソン括弧式と不変量
8.4.1 ポアソン括弧式
8.4.2 正準変換に対する不変量
8.5 ポアソン括弧式と保存則
本章のPoint
Practice
9.ハミルトン-ヤコビの理論
9.1 ハミルトン-ヤコビ方程式
9.1.1 どのようなアイデアなのでしょうか?
9.1.2 ハミルトン-ヤコビ方程式の導出
9.2 簡易型ハミルトン-ヤコビ方程式
9.2.1 簡易型ハミルトン-ヤコビ方程式の解法
9.2.2 具体的な計算例(1)
9.3 作用変数と角変数
9.3.1 周期運動に対する解法
9.3.2 具体的な計算例(2)
9.4 断熱定理
9.4.1 周期系の断熱変化
9.4.2 前期量子論での役割
本章のPoint
Practice
10.解析力学の応用ア・ラ・カルト
10.1 電磁気学
10.1.1 電磁場のポテンシャルエネルギー
10.1.2 電磁場のハミルトニアン
10.2 線形振動
10.2.1 自由度2の系の連成振動
10.2.2 連成振動の一般解と固有振動
10.3 線形波動
10.3.1 格子系のラグランジアン
10.3.2 連続体近似
10.4 量子力学
10.4.1 シュレーディンガー方程式
10.4.2 ハイゼンベルク方程式
10.5 相対性理論
10.5.1 相対論的ラグランジアンと運動方程式
10.5.2 荷電粒子の相対論的な運動方程式
本章のPoint
Practice
TrainingとPracticeの略解
さらに勉強するために
索引
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河辺 哲次
かわべ てつじ
1949年 福岡県に生まれる。東北大学工学部卒業、九州大学大学院理学研究科博士課程修了。高エネルギー物理学研究所助手、九州芸術工科大学助教授・教授、九州大学大学院教授などを歴任。専門は素粒子論、場の理論におけるカオス現象。主な著書・訳書に『非線形音響』(共著、コロナ社)、フライシュ著『シュレーディンガー方程式』(岩波書店)、ナーイン著『シンプルな物理学』(共立出版)、ファインマン/レイトン/サンズ著『ファインマン物理学問題集 1,2』(岩波書店)などがある。
(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)




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