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※電子書籍はいずれも本文中の図版等の一部をカラーにした カラー版 です。
カラー版内容見本(PDFファイル)
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ホルモンから見た生命現象と進化シリーズ III
成長・成熟・性決定 −継−
Growth, Maturation and Sex Determination
日本比較内分泌学会 編集委員会
北里大学准教授 農博 伊藤道彦・
北里大学名誉教授 水産博 高橋明義 共編
A5判/204頁/定価2640円(本体2400円+税10%)/2016年5月発行
ISBN 978-4-7853-5116-8
C3045
動物の多くは、受精卵が発生・分化して成長し、成熟した雌雄が配偶子をつくって新たに受精卵を生成する、というサイクルが連続することによって世代が継承されていく。内分泌系は、その生命の連続性において、個体間あるいは集団内の調和を保つ役割を(神経系と協調して)担っている。
本書は、「ホルモンから見た生命現象と進化」シリーズにおいて、生命の連続性−「継」−に焦点を当て、ホルモンによる調節と機能から摂食行動、生殖腺の成熟、性決定と性転換、環境依存型性決定、性的二型までを第一線の研究者がわかりやすく解説したものである。生命の連続性は、集団内の遺伝的な連続性だけでなく、種分化や進化にも直接連関している。本書を通して、進化を内包する生命の連続性に関わる内分泌現象の役割を学び取っていただければ幸いである。
サポート情報
◎ はじめに (pdfファイル)
◎ 索引 (pdfファイル)
◎ 執筆者一覧 (所属は執筆当時。pdfファイル)
1.序論 −生命の連続性とサケの一生−
2.成長のホルモン調節 −「下垂体-肝臓軸」の重要性−
3.インスリン機能の進化的理解
4.成長をささえる摂食行動の分子基盤
5.魚類生殖腺の成熟
6.魚類の性決定
7.魚類の性転換
8.両生類の性決定・性分化・性成熟
9.鳥類の性決定と性成熟
10.環境と性
11.性的二型の分子進化学的理解 −メダカの尻鰭と性ステロイドホルモン−
はじめに (pdfファイル)
1.序論 −生命の連続性とサケの一生− [高橋明義・伊藤道彦]
1.1 サケの一生とホルモンの役割
1.2 成長の意義と成長ホルモンの役割
1.3 性成熟とホルモン制御
1.4 性と遺伝子の多様化
1.5 あいまいな生き物の性 −とくに魚類−
2.成長のホルモン調節 −「下垂体-肝臓軸」の重要性− [森山俊介・清水宗敬]
2.1 成長のパターン
2.2 成長を支配する内分泌系
2.3 血中のIGF-Tとインスリンの違い −IGF結合タンパク質の存在−
2.4 インスリン様成長因子-Tの作用機序
2.5 成長と成熟開始をつなぐシグナル
2.6 成熟と成長の相互作用
2.7 下垂体-肝臓軸の起源と進化
2.7.1 成長ホルモンの起源
2.7.2 インスリン様成長因子の起源
2.7.3 下垂体-肝臓軸の起源
3.インスリン機能の進化的理解 [安藤 忠]
3.1 三大栄養素とインスリン
3.2 哺乳類におけるグルコースの重要性
3.3 インスリンはランゲルハンス島から分泌される
3.4 インスリンによる血糖値制御
3.4.1 鳥類の場合
3.4.2 魚類の場合
3.4.3 哺乳類の胎児と乳児の場合
3.4.4 爬虫類と両生類の場合
3.4.5 インスリンは血糖値制御ホルモンか?
3.5 インスリン受容体 −第11番エクソンの新生−
3.6 進化のポテンシャルは?
4.成長をささえる摂食行動の分子基盤 [海谷啓之・橘 哲也]
4.1 成長と成熟に結びつく摂食の意義
4.2 生体に必要な栄養素
4.3 どのように満腹や空腹を感じ,食欲が調節されるのか
4.4 脳,視床下部,そして神経核
4.5 哺乳類における摂食亢進ペプチド
4.6 哺乳類における摂食抑制ペプチド
4.7 末梢に存在するペプチドホルモンによる摂食抑制シグナル
4.8 生殖関連ペプチドと食欲の関係
4.9 摂食調節ネットワーク
5.魚類生殖腺の成熟 [三浦 猛・三浦智恵美]
5.1 魚類生殖腺の構造
5.2 精子ができるまで −その形態学的知見−
5.3 卵ができるまで
5.4 精子と卵ができるしくみ −その内分泌制御−
5.4.1 精子形成と卵形成の制御に関わる因子たち
5.4.2 精子形成
5.4.3 精子変態,排精,運動能獲得
5.4.4 卵形成
6.魚類の性決定 [北野 健]
6.1 いろいろな性決定様式
6.2 魚類における性決定遺伝子とその働き
6.3 魚類における性分化のしくみ
6.4 性分化におけるホルモンの働き
6.5 環境に依存した性決定のしくみ
7.魚類の性転換 [小林靖尚・中村 將]
7.1 魚の性のありかた
7.2 魚の性転換の引き金 −社会環境が魚類の性に与える影響−
7.2.1 雌から雄への性転換(ベラ科ミツボシキュウセンの場合)
7.2.2 雄から雌への性転換(クマノミの場合)
7.2.3 双方向性転換(オキナワベニハゼの場合)
7.3 性転換魚にみられる素早い性行動の転換
7.4 性転換魚の生殖腺構造と変化
7.4.1 雌性先熟魚ミツボシキュウセンの生殖腺
7.4.2 雄性先熟魚クマノミの生殖腺
7.4.3 双方向性転換魚オキナワベニハゼの生殖腺
7.5 性転換を調節するしくみ
7.5.1 雌性先熟魚ミツボシキュウセンの性転換におけるホルモンの役割
7.5.2 双方向性転換魚オキナワベニハゼにおけるホルモンの役割
7.6 性転換魚の生殖腺はどのように形成されるのか?
7.6.1 ヤイトハタの性分化過程
7.6.2 クマノミの性分化過程
7.7 おわりに −すべての魚は性転換できるのか?−
8.両生類の性決定・性分化・性成熟 [伊藤道彦・三浦郁夫]
8.1 いろいろな性決定様式
8.2 有尾両生類の性決定と温度による影響
8.3 日本各地に生息するツチガエルの性決定のしくみ
8.4 実験動物として汎用されるアフリカツメガエルの性決定のしくみ
8.5 初期の性分化における性ステロイドホルモンの働き
8.6 性ステロイドホルモンによる性転換
8.7 卵・精子形成における内分泌ホルモンの働き −視床下部-下垂体-生殖腺−
8.8 ネオテニー(幼形成熟)−変態しないで繁殖する−
9.鳥類の性決定と性成熟 [黒岩麻里]
9.1 Z染色体とW染色体
9.2 卵巣および精巣の発生過程
9.3 性決定のしくみ −対立する2つの説−
9.4 性決定の候補遺伝子
9.5 性分化に働く遺伝子
9.6 性分化と性ステロイドホルモン
9.7 鳥類の性転換
9.8 遺伝子か? ホルモンか? −細胞の性アイデンティティ−
9.9 卵を産む雄鶏の謎 −結びに代えて−
10.環境と性 [宮川信一・豊田賢治・井口泰泉]
10.1 環境によって性が決まる動物
10.2 爬虫類の温度依存型性決定
10.3 アブラムシの環境依存型性決定 −X染色体放出の有無による性決定機構−
10.4 ミジンコの環境依存型性決定
10.5 内分泌かく乱物質の魚類の性分化への影響
11.性的二型の分子進化学的理解 −メダカの尻鰭と性ステロイドホルモン− [勝村啓史・太田博樹]
11.1 性的二型と性淘汰
11.2 種内における性的二型を示す性淘汰形質の多様性のなぞ
11.3 進化生物学のモデル生物としてのメダカ
11.4 メダカの性的二型の発達と性ステロイドホルモンの関わり
11.5 メダカCYP多型の探索
11.6 メダカの性的二型進化メカニズム
11.7 性淘汰の分子進化シナリオ
11.8 おわりに
略語表
索引 (pdfファイル)
執筆者一覧 (所属は執筆当時。pdfファイル)
謝辞
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伊藤 道彦
いとう みちひこ
1961年 長野県に生まれる。東京大学大学院農学系研究科博士課程修了。北里大学助手・講師を経て現職。専門は分子発生生物学。
高橋 明義
たかはし あきよし
1957年 岩手県に生まれる。北里大学大学院水産学研究科博士課程修了。北里大学助手・講師・助教授・教授などを歴任。専門は魚類分子内分泌学。主な著書に『ナマコ学』(共編、成山堂書店)などがある。
→ 執筆者一覧 (所属は執筆当時。pdfファイル)
日本比較内分泌学会(JSCE)
日本にも生物学的観点を主体とした基礎的な内分泌学の発展を図るため学会を設けるべきであるという内外の要請を受けて、1975年に設立。生物学・農学・医学・薬学など幅広い分野から会員が参加している。
(情報は初版刊行時のものですから一部修正しています)
比較内分泌学入門
発生・変態・リズム
求愛・性行動と脳の性分化
ホメオスタシスと適応
回遊・渡り
生体防御・社会性
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