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これからの両棲類学
The Directions in Batrachology
京都大学名誉教授 理博 松井正文 編
A5判上製/316頁/定価5060円(本体4600円+税10%)/2005年8月発行
ISBN 978-4-7853-5839-6 (旧ISBN 4-7853-5839-4)
C3045
現生の両棲類は、尾と四肢を留めた有尾(サンショウウオ)目、四肢を失った無足(アシナシイモリ)目、尾のない無尾(カエル)目の3群からなり、日本には有尾目22種、無尾目38種(と5亜種)が生息する。その約80%が日本だけに見られる固有種である。
本書は、21世紀の両棲類研究の礎となるべく、進展する両棲類研究の中で、とくに生態と行動、遺伝と系統、保全と飼育を中心に、第一線の研究者が研究の現状と将来展望を紹介する。
日本図書館協会選定図書
サポート情報
◎ 正誤表
第 I 編 両棲類学の現状
1.両棲類学と日本の現状 [松井正文]
第 II 編 両棲類の生態と行動
2.両棲類の生態研究 −両棲類の繁殖移動を例として− [草野 保]
3.オオサンショウウオの生態 [栃本武良]
4.小型サンショウウオの繁殖生態 [秋田喜憲]
5.小型サンショウウオ類の年齢 [見澤康充]
6.イモリ類の繁殖生態 [田中 聡]
7.モリアオガエルの生態 [戸田光彦]
8.カエルの食性 [平井利明]
9.両棲類の行動研究 [福山欣司]
10.トノサマガエル−ダルマガエルの繁殖行動 [下山良平]
第 III 編 両棲類の遺伝と系統
11.カエルの遺伝学研究 [住田正幸]
12.カエルの染色体進化と性染色体の分化 [三浦郁夫]
13.DNAによる両棲類の分子系統学 [田中−上野寛子]
14.ヌマガエルの種分化 [戸田 守]
第 IV 編 両棲類の保全と飼育
15.両棲類の保全 [大河内 勇]
16.両棲類と環境汚染 [坂 雅宏]
17.オオサンショウウオの保全 [栃本武良]
18.有尾類の飼育 [池田 純]
19.カエル類の飼育 [沼澤マヤ]
第 V 編 両棲類学の未来
20.両棲類学の将来に向けて [松井正文]
第 I 編 両棲類学の現状
1.両棲類学と日本の現状 [松井正文]
1-1 はじめに −両棲類学とは−
1-2 両棲類とは
1-2-1 両棲類の特徴
1-2-2 日本の両棲類相
1-3 日本における両棲類研究の歴史
1-4 両棲類研究の現状
1-4-1 日本における両棲類研究の現状
1-4-2 世界における両棲類研究の現状
1-5 おわりに
第 II 編 両棲類の生態と行動
2.両棲類の生態研究 −両棲類の繁殖移動を例として− [草野 保]
2-1 水辺と陸地のはざまに生きる両棲類
2-2 繁殖移動に関する研究
2-2-1 繁殖移動に関わる問題と調査方法
2-2-2 カエル類の移動分散
2-2-3 サンショウウオ類の移動分散
2-3 おわりに
3.オオサンショウウオの生態 [栃本武良]
3-1 はじめに
3-2 成体の生活
3-2-1 日周性
3-2-2 年周性
3-2-3 摂餌行動
3-2-4 繁殖行動
3-3 幼生の生活
3-3-1 発生と孵化
3-3-2 変態までの成長
3-3-3 変態後の成長
3-3-4 幼生の日周・年周活動
4.小型サンショウウオの繁殖生態 [秋田喜憲]
4-1 日本産小型サンショウウオ
4-2 繁殖生態
4-2-1 産卵場への移動
4-2-2 繁殖前の雄の行動
4-2-3 雄のなわばり行動
4-2-4 産 卵
4-2-5 雄の助産行動
4-2-6 産卵場所選定と卵のう中の卵数など
4-4 おわりに
5.小型サンショウウオ類の年齢 [見澤康充]
5-1 はじめに
5-2 両棲類の年齢を推定する方法
5-3 両棲類の骨組織を用いた年齢査定
5-3-1 骨組織を用いた年齢査定法
5-3-2 年齢査定に用いる骨
5-3-3 骨組織の再吸収によるLAGの破壊
5-4 ヒダサンショウウオの骨組織を用いた年齢査定
5-4-1 LAGの形成
5-4-2 性成熟年齢と寿命
5-4-3 年齢と性的二型
5-4-4 2個体群間における大きさの変異と年齢
5-5 まとめ
6.イモリ類の繁殖生態 [田中 聡]
6-1 はじめに
6-2 多様なライフサイクルと繁殖様式
6-3 生殖サイクル、繁殖移動と実効性比
6-4 イモリ類の配偶戦略:性行動の多様性
6-4-1 精包の授受
6-4-2 性的干渉と性的防衛
6-4-3 配偶相手の選択と精子競争
6-5 産卵生態
6-6 おわりに
7.モリアオガエルの生態 [戸田光彦]
7-1 はじめに
7-2 調査地の概要
7-3 非繁殖個体の生息環境
7-3-1 調査方法
7-3-2 モリアオガエルはこんなところにいる
7-4 食 性
7-4-1 調査方法
7-4-2 モリアオガエルはこんなものを食べている
7-5 成長と成熟
7-5-1 調査方法
7-5-2 モリアオガエルはこのように大きくなる
8.カエルの食性 [平井利明]
8-1 はじめに
8-2 食性調査の方法
8-3 トノサマガエルの餌構成
8-4 餌の利用可能度と餌構成の関係
8-5 成長に伴う食性の変化
8-6 おわりに
9.両棲類の行動研究 [福山欣司]
9-1 両棲類の行動(行動生態)研究の最近の動向
9-2 両棲類の配偶行動
9-2-1 カエル類の配偶行動の特徴
9-2-2 サンショウウオ類の配偶行動の特徴
9-2-3 性フェロモン
9-2-4 日本の両棲類の配偶行動
9-3 子育て
9-3-1 子育ての種類
9-3-2 子育てを担当する性
9-4 幼生期の行動
9-4-1 対捕食者行動
9-4-2 共食い行動
9-4-3 血縁認識
9-5 今後の研究
10.トノサマガエル−ダルマガエルの繁殖行動 [下山良平]
10-1 はじめに
10-2 繁殖個体のサイズ
10-3 繁殖期と繁殖活動
10-3-1 伊那谷でのトノサマガエルとダルマガエルの繁殖期
10-3-2 繁殖活動の日周性
10-3-3 繁殖活動の季節的変動
10-4 配偶行動
10-4-1 トノサマガエルの配偶行動
10-4-2 ダルマガエルの配偶行動
10-5 トノサマガエルとダルマガエルの種間関係
10-5-1 混合コーラス
10-5-2 音声レパートリーと音声成分
10-5-3 種間交雑
10-6 おわりに
第 III 編 両棲類の遺伝と系統
11.カエルの遺伝学研究 [住田正幸]
11-1 はじめに
11-2 遺伝子マッピング
11-2-1 性連鎖遺伝子
11-2-2 連鎖地図
11-3 色彩突然変異
11-3-1 遺伝様式と遺伝子座
11-3-2 チロシナーゼ遺伝子
11-4 ミトコンドリアDNAとリボソームDNAの分子遺伝学
11-4-1 ミトコンドリアDNAの全塩基配列の解析
11-4-2 ミトコンドリアDNAのD-ループ領域
およびその近傍の遺伝子の各タクサにおける塩基置換率
11-4-3 リボソームDNA
11-5 おわりに
12.カエルの染色体進化と性染色体の分化 [三浦郁夫]
12-1 はじめに
12-2 カエルの染色体進化
12-2-1 カエルの染色体進化は収斂的か保守的か
12-2-2 G-バンディングに代わるDNA複製バンディング
12-2-3 24本と26本の違い
12-2-4 科を越えて保存される染色体
12-3 性染色体の分化と性決定
12-3-1 なぜ形が変わるのか
12-3-2 偶然による固定 −ニホンアカガエルの場合−
12-3-3 雄性決定遺伝子座の位置は変わる
12-3-4 繰り返し変換する性決定機構
12-3-5 ツチガエル
12-6 おわりに
13.DNAによる両棲類の分子系統学 [田中−上野寛子]
13-1 系統分類学へのDNA分析技術の導入
13-2 DNAに基づく日本産アカガエル類の進化史の再構成
13-2-1 形態分類の限界
13-2-2 体系分類とDNA系統樹
13-2-3 両棲類の分子時計
13-2-4 日本産アカガエル類の進化史
13-3 これからのDNA利用法 −絶滅危惧種の遺伝的調査−
14.ヌマガエルの種分化 [戸田 守]
14-1 はじめに
14-2 日本産両棲類の中でのヌマガエルの特殊性
14-3 日本本土と中部琉球の集団と周辺地域の集団の遺伝的関係
14-4 東アジアにおけるヌマガエルの変異 −南部琉球集団と台湾東部集団−
14-5 三つの遺伝的系統群が生じた歴史的背景
14-6 東南アジアのヌマガエルの遺伝的分化と分類
14-7 今後の研究に向けて
第 IV 編 両棲類の保全と飼育
15.両棲類の保全 [大河内 勇]
15-1 はじめに
15-2 両棲類の減少の原因
15-2-1 減少要因の解明とモニタリング
15-2-2 直接的な捕獲
15-2-3 移入種の影響
15-2-4 生息地の分断化、劣化
15-2-5 環境汚染と地球環境問題
15-3 両棲類の保護・保全手法
15-3-1 保全の二つの考え方
15-3-2 生息地とともに保全する
15-3-3 個別に保護する
15-4 両棲類の保護の実例
15-5 おわりに
16.両棲類と環境汚染 [坂 雅宏]
16-1 はじめに
16-2 紫外線の影響
16-3 酸性雨の影響
16-4 化学物質による汚染の影響
16-4-1 農薬の影響
16-4-2 内分泌攪乱化学物質
16-5 その他の環境汚染による影響
16-6 今後の研究課題
17.オオサンショウウオの保全 [栃本武良]
17-1 はじめに
17-2 オオサンショウウオの保全のために何が必要なのか
17-2-1 生態調査
17-2-2 河川工事
17-2-3 多自然型河川工事の手法
17-3 オオサンショウウオに配慮した河川工事の事例
17-3-1 兵庫県養父市 円山川水系大屋川支流建屋川
17-3-2 兵庫県篠山市 武庫川水系羽束川支流西山川
17-3-3 兵庫県朝来市 市川水系本流
17-3-4 大阪府豊能郡能勢町 武庫川水系羽束川上流天王川
17-4 保全のために
18.有尾類の飼育 [池田 純]
18-1 はじめに
18-2 有尾類と飼育
18-2-1 有尾類飼育の目的
18-2-2 飼育対象となる種
18-3 飼育技術の実際
18-3-1 飼育ケージ
18-3-2 餌
18-3-3 病気と治療
18-3-4 繁 殖
19.カエル類の飼育 [沼澤マヤ]
19-1 はじめに
19-2 ダルマガエル絶滅危惧個体群
19-3 屋外飼育の方法
19-3-1 繁殖用水槽
19-3-2 非繁殖期用の容器
19-4 餌
19-4-1 幼 生
19-4-2 変態過程の幼生
19-4-3 幼体から成体
19-5 病 気
19-5-1 赤足病
19-5-2 真菌類の感染症
19-5-3 寄生虫
19-5-4 外 傷
19-5-5 胃脱・直腸脱・総排出腔脱
19-5-6 腸閉塞
19-5-7 代謝性骨疾患・脚弱症候群
19-5-8 眼疾患
19-5-9 浮腫症候群
19-5-10 中 毒
19-5-11 予防(取り扱いと運搬方法)
19-6 その他の問題点
19-7 おわりに
第 V 編 両棲類学の未来
20.両棲類学の将来に向けて [松井正文]
20-1 両棲類の研究上の長所、短所
20-2 残された問題点
20-2-1 生態学的研究
20-2-2 遺伝学的、系統学的研究
20-2-3 保全学・飼育学的研究
20-3 その他の研究課題と将来の問題
20-3-1 その他の研究課題
20-3-2 日本における両棲類研究の将来の問題
20-4 付録:両棲類学を始める人のために
20-4-1 日本の学会・研究会など
20-4-2 国外の学会など
20-4-3 日本の研究機関
参考文献・引用文献一覧
生物名(和名)索引
生物名(学名)索引
事項索引
編集者・執筆者紹介
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松井 正文
まつい まさふみ
1950年 長野県に生まれる。信州大学繊維学部卒業、京都大学大学院理学研究科博士課程中退。京都大学助手・助教授・教授などを歴任。元 日本爬虫両棲類学会会長。主な著書に『両生類の進化』(東京大学出版会)、『カエル−水辺の隣人』(中公新書)、『動物系統分類学第9巻下B2 脊椎動物(IIb2)爬虫類II』(中山書店)、『外来生物クライシス』(小学館)などがある。
(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)
これからの爬虫類学
これからの鳥類学
(品切れ中)
脊椎動物の多様性と系統
ヒキガエルの生物学
動物の生態
動物の系統分類と進化
動物行動の分子生物学
マダガスカルの動物
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