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新・生命科学シリーズ
植物の生態 −生理機能を中心に−
Plant Physiological Ecology
東京大学名誉教授 理博 寺島一郎 著
A5判/280頁/2色刷/定価3080円(本体2800円+税10%)/2013年8月発行
ISBN 978-4-7853-5855-6
C3045
※2024年10月に改訂版を刊行しました※
本書では、植物生理生態学の基本を丁寧に説明した。物理や化学の知識を必要とする箇所では正面突破を試みたが、難しい題材からも逃げずに、脚注をたくさん付け、読者がじっくりと時間をかけて学べるように配慮した。なお、やや程度の高い部分などは電子補遺としてダウンロードできるようにした(下記参照)。本書をじっくり時間をかけて読めば、次のステップとして専門書を読む力がつくことであろう。
サポート情報
◎ 改訂版(2024年10月刊行)の紹介ページ
◎ 電子補遺 (pdfファイル。更新履歴)
◎ 正誤表 (pdfファイル)
◎ はじめに (pdfファイル)
◎ 書籍紹介 「理学の本棚 第8回 植物の生態」
(東京大学 大学院理学系研究科・理学部ニュース)
1.はじめに:生態学とはどういう学問なのだろうか
2.生物の環境適応
3.陸上植物の進化
4.植物の特徴
5.植物と水
6.植物の光環境と光吸収
7.光合成のあらまし
8.光合成の生理生態学
9.呼吸と転流
10.無機栄養の獲得
11.成長と分配
12.陸域生態系の生態学
はじめに (pdfファイル)
1.はじめに:生態学とはどういう学問なのだろうか
1.1 生態学という言葉
1.2 生態学の定義
1.3 生態学の歴史
2.生物の環境適応
2.1 環境とニッチ
2.2 環境への適応のメカニズム
2.2.1 適応度
2.2.2 遺伝的変異と自然選択
2.2.3 進化
2.2.4 適応による進化の限界
2.2.5 適応と順化
2.2.6 育種
2.3 トレードオフ
2.4 「種の存続のため」という概念は正しくない
3.陸上植物の進化
3.1 陸上植物の誕生
3.2 陸上は乾燥している
3.2.1 陸上の乾燥
3.2.2 クチクラ
3.2.3 気孔
3.2.4 世代交代
3.3 陸上植物の体制の進化
4.植物の特徴
4.1 植物の個体
4.1.1 分節構造(くり返し構造)
4.1.2 クローナル植物
4.2 植物の細胞
4.2.1 細胞壁
4.2.2 色素体
4.2.3 液胞
4.2.4 細胞分裂と原形質連絡
4.2.5 アポプラストとシンプラスト
4.2.6 外骨格型と風船型の形態保持
4.2.7 分裂組織
4.3 組織と組織系
4.4 器官
4.4.1 葉
4.4.2 根
4.4.3 茎
5.植物と水
5.1 化学ポテンシャルと水ポテンシャル
5.2 気相の水ポテンシャル
5.3 植物体全体の水の流れ SPAC
5.3.1 蒸散
5.3.2 蒸散中の葉は道管・仮道管内の水を引っ張る
5.3.3 100m水をもちあげるメカニズム
5.3.4 土壌から植物への水の流れ
5.4 植物体の通水コンダクタンス,水分状態の日変化
6.植物の光環境と光吸収
6.1 太陽光
6.1.1 太陽光の波長組成
6.1.2 太陽光のエネルギー総量
6.2 反射率と射出率
6.3 植物による光吸収
6.3.1 クロロフィルによる光の吸収
6.3.2 葉緑体の光吸収
6.3.3 葉の光吸収
6.3.4 葉群の光吸収,葉群内部の葉の光吸収
6.4 植物の光環境応答
6.4.1 フィトクロム
6.4.2 フォトトロピン
6.4.3 クリプトクロム
7.光合成のあらまし
7.1 光合成の場
7.2 光合成のあらまし
7.2.1 光合成色素による光の吸収
7.2.2 励起エネルギーの移動と電荷分離
7.2.3 酸化還元反応による電子伝達,それに伴うH+の移動,NADPH とATP の合成
7.2.4 カルビン- ベンソン回路
7.2.5 光呼吸
7.3 C4とCAM
7.3.1 C4とCAMの代謝系
7.3.2 C4の進化
7.4 光合成とその効率
7.5 ファーカー(G. D. Farquhar)の光合成モデル
8.光合成の生理生態学
8.1 気孔コンダクタンス,葉肉コンダクタンス
8.1.1 気孔コンダクタンス
8.1.2 葉肉コンダクタンス
8.2 葉の光合成の環境依存性および可塑性
8.2.1 光
8.2.2 CO2濃度依存性
8.2.3 窒素栄養
8.2.4 水分
8.2.5 温度
8.2.6 温度と光
8.2.7 ルビスコの性質と環境依存性
8.3 光阻害とその回避,修復
8.3.1 受光量の調節
8.3.2 励起エネルギーの熱散逸
8.3.3 D1タンパク質の損傷と修復
8.4 個葉の光合成
8.5 葉群の光合成
9.呼吸と転流
9.1 呼吸
9.1.1 呼吸の代謝
9.1.2 構成呼吸と維持呼吸
9.2 転流
10.無機栄養の獲得
10.1 栄養塩吸収の場
10.2 栄養塩吸収の基礎
10.3 N
10.3.1 土壌中のN
10.3.2 NO3-の吸収とシグナルとしてのNO3-
10.3.3 NH4+
10.4 P
10.5 Fe
10.6 Al
10.7 重金属耐性植物
10.8 窒素固定
10.9 菌根
11.成長と分配
11.1 成長解析
11.2 成長と窒素利用効率
11.3 物質再生産過程
11.4 地上部と地下部の比率
11.5 繁殖器官への分配
11.5.1 包括的モデル
11.5.2 最適切換え
11.5.3 多年生草本や木本のように毎年種子をつくる場合の生涯の繁殖量
11.5.4 二年生草本の繁殖戦略
11.6 樹木の成長解析
12.陸域生態系の生態学
12.1 世界の陸上生態系
12.1.1 大気の大循環と気候帯の成立
12.1.2 大気の循環と気候
12.1.3 土壌
12.1.4 陸域の生態系
12.2 純一次生産
12.2.1 純一次生産
12.2.2 生態系の一次生産量の推定
12.2.3 渦相関法とリモートセンシング
12.3 世界の植生の一次生産
12.4 遷移
12.5 地球環境変化
参考文献・引用文献
索引
コラム1.1 自然保護の先駆者達
コラム2.1 スケトウダラの卵数
コラム2.2 ダーウィンの自然選択説
コラム2.3 水平伝播(horizontal gene transfer)について
コラム2.4 How疑問とWhy疑問
コラム3.1 上陸に成功した藻類
4章BOX 化学ポテンシャル
コラム4.1 樹木を補強する「あて材」
コラム5.1 洗濯物を早く乾かすには
コラム6.1 r 戦略とK 戦略
コラム7.1 ルビスコ:地球上でもっとも量の多いタンパク質
7章BOX 葉のガス交換速度の測定
コラム9.1 酸素安定同位体法によるシアン耐性呼吸経路の活性測定
コラム10.1 枯渇しつつあるリン資源
コラム11.1 根分法(split root technique)と接ぎ木(grafting)
コラム11.2 わかり始めた花成のメカニズム
コラム12.1 空気の断熱膨張とフェーン現象
コラム12.2 草,常緑樹と落葉樹,雨緑樹と夏緑樹,葉の寿命
コラム12.3 IBPにおける光合成生産力の測定
電子補遺の更新履歴
2015/5/ 2 ver.2.3 細かな修正をしました。
2014/7/15 ver.2.2 細かな修正をしました。
2014/7/15 ver.2.1 8S.3節,12章を追加しました。
2014/2/27 ver.1.1 細かな修正をしました。
2013/8/20 ver.1.0 公開しました。
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寺島 一郎
てらしま いちろう
1957年 筑豊生まれ。東京大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。東京大学助手、筑波大学助教授、大阪大学教授、東京大学教授等を歴任。主な著書に『環境応答』(編著)、『光合成』(分担執筆)、『植物生態学』(分担執筆)(以上 朝倉書店)などがある。
(情報は初版刊行時のものです)
植物の成長
しくみと原理で解き明かす 植物生理学
植物生理学
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