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献本へ 植物生理学 −生化学反応を中心に−
Introduction to Plant Physiology

在庫マーク

お茶の水女子大学教授 理博 加藤美砂子 著

B5判/192頁/2色刷/定価2970円(本体2700円+税10%)/2019年4月発行
ISBN 978-4-7853-5239-4  C3045

 植物生理学は最近、ますます面白くなってきた。なぜならば、科学技術の進歩により、植物生理学の研究にもゲノム解析を初めとする新しい手法が怒濤のように押し寄せ、分子レベルでの新しい発見が相次いでいるからである。
 本書は植物が生きていくためのしくみを知るという植物生理学の本質を、多数の図を示しながら、大学の初学者向けにわかりやすく解説したものである。さらに植物生理学の研究の先には何があるのか、研究の社会実装という観点から、バイオテクノロジーの技術や藻類を用いた有用物質生産についても紹介した。
 植物生理学を学ぶこと、研究することは、やがて私たちの社会に還元されていく。本書により、その基礎をしっかりと身につけていただきたい。


サポート情報

教科書採用の先生方に講義用の図表ファイルをご用意しました。(2020/6/18更新)
  ファイルのご利用は講義のみに限らせていただきます。
はじめに (pdfファイル)   索引 (pdfファイル)
正誤表 (pdfファイル)

目次 (章タイトル)  → 詳細目次

1.植物生理学を学ぶための基礎知識
2.植物の細胞
3.光合成
4.呼 吸
5.糖質の代謝
6.脂質の代謝
7.無機栄養の代謝
8.二次代謝
9.代謝産物の輸送
10.植物ホルモン
11.成長の調節
12.植物生理学は未来を拓く:バイオテクノロジー

詳細目次  →『植物生理学』 目次

はじめに (pdfファイル)

1.植物生理学を学ぶための基礎知識
 1.1 植物を構成する物質
 1.2 植物の系統
 1.3 植物の組織と器官
 1.4 モデル植物

2.植物の細胞
 2.1 植物細胞の基本構造
 2.2 細胞壁
 2.3 膜の構造と細胞膜
 2.4 オルガネラ
  2.4.1 核
  2.4.2 半自律的なオルガネラ
  2.4.3 細胞内膜系のオルガネラ

3.光合成
 3.1 光合成色素
  3.1.1 光合成に利用できる光
  3.1.2 光合成色素の種類
  3.1.3 クロロフィルによる光の吸収
 3.2 光化学系
  3.2.1 2つの光化学系の存在
  3.2.2 光化学系IIとシトクロムb6f 複合体
  3.2.3 光化学系I
 3.3 ATP合成
 3.4 カルビン・ベンソン回路
 3.5 光呼吸
 3.6 C4光合成とCAM型光合成
  3.6.1 C4光合成
  3.6.2 CAM型光合成

4.呼 吸
 4.1 植物における呼吸の概略
 4.2 解糖系
 4.3 TCA回路
 4.4 酸化的リン酸化
 4.5 ペントースリン酸経路


5.糖質の代謝
 5.1 糖の構造
  5.1.1 単糖類
  5.1.2 オリゴ糖と多糖
 5.2 スクロース
  5.2.1 スクロースの合成
  5.2.2 スクロースの分解
 5.3 デンプン
  5.3.1 デンプンの構造と合成
  5.3.2 デンプンの分解

6.脂質の代謝
 6.1 脂肪酸の合成
 6.2 膜を構成する脂質
  6.2.1 極性脂質の分類
  6.2.2 極性脂質の合成
  6.2.3 その他の脂質
 6.3 貯蔵脂質
  6.3.1 トリアシルグリセロールの合成と存在形態
  6.3.2 トリアシルグリセロールの分解
 6.4 植物の身を守る脂質

7.無機栄養の代謝
 7.1 植物と無機栄養
 7.2 窒素代謝
  7.2.1 硝酸還元
  7.2.2 窒素固定
  7.2.3 アミノ酸合成
 7.3 硫黄同化
 7.4 リンの吸収

8.二次代謝
 8.1 二次代謝の基本経路
 8.2 テルペノイド
 8.3 フェニルプロパノイド
 8.4 フラボノイド
 8.5 アルカロイド
 8.6 二次代謝産物の機能

9.代謝産物の輸送
 9.1 篩管輸送
  9.1.1 篩管の構造
  9.1.2 転流される物質
  9.1.3 篩部への積み込みと積み下ろし
 9.2 道管輸送
  9.2.1 水の吸収
  9.2.2 道管と仮道管
 9.3 細胞内輸送

10.植物ホルモン
 10.1 オーキシン
  10.1.1 オーキシンの発見
  10.1.2 オーキシンの構造と合成
  10.1.3 オーキシンの生理作用と輸送
  10.1.4 オーキシンの受容と応答
 10.2 ジベレリン
  10.2.1 ジベレリンの発見
  10.2.2 ジベレリンの構造と合成
  10.2.3 ジベレリンの生理作用
  10.2.4 ジベレリンの受容と応答
 10.3 サイトカイニン
  10.3.1 サイトカイニンの発見
  10.3.2 サイトカイニンの構造と合成
  10.3.3 サイトカイニンの生理作用
  10.3.4 サイトカイニンの受容と応答
 10.4 エチレン
  10.4.1 エチレンの発見
  10.4.2 エチレンの合成
  10.4.3 エチレンの生理作用
  10.4.4 エチレンの受容と応答
 10.5 アブシシン酸
  10.5.1 アブシシン酸の発見
  10.5.2 アブシシン酸の構造と合成
  10.5.3 アブシシン酸の生理作用
  10.5.4 アブシシン酸の受容と応答
 10.6 ブラシノステロイド
  10.6.1 ブラシノステロイドの発見
  10.6.2 ブラシノステロイドの構造と合成
  10.6.3 ブラシノステロイドの生理作用
  10.6.4 ブラシノステロイドの受容と応答
 10.7 ジャスモン酸
  10.7.1 ジャスモン酸の発見
  10.7.2 ジャスモン酸の構造と合成
  10.7.3 ジャスモン酸の生理作用
  10.7.4 ジャスモン酸の受容と応答
 10.8 サリチル酸
  10.8.1 サリチル酸研究の歴史
  10.8.2 サリチル酸の合成
  10.8.3 サリチル酸の生理作用
  10.8.4 サリチル酸の受容と応答
 10.9 ストリゴラクトン
  10.9.1 ストリゴラクトンの発見
  10.9.2 ストリゴラクトンの構造と合成
  10.9.3 ストリゴラクトンの植物内での移動と生理作用
  10.9.4 ストリゴラクトンの受容と応答
 10.10 ペプチドホルモン
  10.10.1 ペプチドホルモンの分類
  10.10.2 ペプチドホルモンの例

11.成長の調節
 11.1 受精と発生
  11.1.1 被子植物の受精
  11.1.2 被子植物の胚発生
 11.2 植物の一生
  11.2.1 休眠
  11.2.2 発芽
  11.2.3 栄養成長
  11.2.4 花成
  11.2.5 花器官の形成
 11.3 環境応答
  11.3.1 光
  11.3.2 気孔の開閉

12.植物生理学は未来を拓く:バイオテクノロジー
 12.1 植物の形質転換
  12.1.1 アグロバクテリウム法
  12.1.2 その他の形質転換法
 12.2 分子育種とその応用
 12.3 ファイトレメディエーション
 12.4 藻類を用いた有用物質生産

引用文献
索引 (pdfファイル)

著作者紹介

加藤 美砂子
かとう みさこ 
1983年 お茶の水女子大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程単位取得満期退学。海洋バイオテクノロジー研究所 研究員、お茶の水女子大学助手・助教授を経て現職。専門は植物生理学、とくに脂質代謝、二次代謝、微細藻類を用いた有用物質生産。主な著訳書に『生化学』(分担執筆、東京化学同人)、『代謝と生合成30講』(共著、朝倉書店)、『植物生理学』(分担翻訳、丸善出版)などがある。

(情報は初版刊行時のものから一部修正しております)


この著作者の本
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