編集委員 : 鹿児島 誠一 ・ 安藤恒也
現代の物性科学は、物理学・化学の分野だけにとどまらず、エレクトロニクス、マテリアルサイエンス、ナノテクノロジー、環境技術、航空宇宙技術等といった、21世紀の主軸となるであろう諸分野の発展を支えるその基礎として、非常に重要な役割を担うと考えられています。そのため、物性科学を学んで理解し、それを自ら応用していく能力が、さまざまな分野にわたって広く求められてきております。
しかし一方で、今日の物性科学は分化・専門化が進み、初めてこの分野を学ぼうという人たちにとっては非常にしきいの高いものになりつつあります。本シリーズは、こうした現状を踏まえ、専門家向けの高度な専門書とは一線を画し、そこに至る橋渡し的な役を担う、理工系大学学部学生向けの物性科学の入門書として企画いたしました。
構成としては、物性科学の重要な柱である分野に焦点を絞り、各分野の基礎的事項をポイントを押さえてやさしく解説するものであります。また、各巻は有機的に関連していますが、それぞれが独立に読み進めることができる構成となっています。これによって、その分野の基礎的な知識が整理でき、将来、各分野の専門領域に進んだり、技術者として社会で活躍できるための土台作りができることを目指します。
また、自分が専門とする以外の物性分野についての基礎的な知識を押さえておきたいという研究者・技術者の人たちにとっても、各分野の概観を手軽に得ることができるものとして本シリーズが役立つものと期待しております。
(2003年12月)
対象とする主な読者
大学理工系の学部学生
本シリーズの特徴
1. 基礎的事項のポイントを押さえた解説
2. 理解度を確認するための[演習問題]と[解答]
3. ビジュアルで豊富な図
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