生物学はギリシア時代からの長い歴史をもっているが、現代ほどその発展がめざましく、人々の注目を浴びたことはなかった。20世紀の後半から「生命科学」と呼ばれる壮大な総合科学へ拡がりつつある。
このような時代を迎え、生物学の基礎知識は、多くの分野の人々から重視されている。しかし、その要請に充分に応えた教育はなされているかと問われると、現状は必ずしも肯定できる状態とは言えない。その原因はいろいろと考えられるが、現代の学問の進歩を踏まえて、平易に、体系的に生命科学の基礎を解説した入門書の少ないことが大きな要因になっているのではなかろうか。
このシリーズは、斬新で、やさしく、読みやすい生命科学の入門書のシリーズを生み出すことを目指している。
生命科学の基礎を学んでいこうとするみなさんにとって、このシリーズがよいガイドとなり、よき友となることを期待している。
(1984年7月)
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