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ヒトを理解するための 生物学
Introduction to Human Biology
東京都立大学名誉教授 理博 八杉貞雄 著
B5判/162頁/3色刷/定価2420円(本体2200円+税10%)/2013年9月発行
ISBN 978-4-7853-5226-4
C3045
※2021年8月に改訂版を刊行しました※
大学、短期大学、専門学校で生物学を学ぶ学生のための入門書。本書の前半では生物に共通する細胞や分子のことについて学び、後半では主としてヒトの体や病気との闘い、そしてヒトの特性について考える。
化学構造式をできるだけ用いず説明をするので、高等学校で生物を未履修の学生にとっても、中学校の知識があれば一人で読み進めるのにそれほど困難はない。また多くの大学、短期大学、専門学校で、この内容を1学期で学習することを考え、全体は授業数に合わせて15章からなっている。さらに、各章の最後には、やや発展的な内容を付け加えたので、それぞれの章に関心をもった読者が、発展の節を勉強できるようになっている。
生物学の基礎を学ぶ学生たちに、教科書あるいは副読本としてお薦めできる一冊。
姉妹書として、この本に準拠した『ワークブック ヒトの生物学』を2014年12月に刊行した。
サポート情報
◎ 改訂版の紹介ページへ
◎ まえがき
◎ 索引 (以上 pdfファイル)
◎ 正誤表 (pdfファイル)
1.生物学とはどのような学問か
2.生命とはなにか,生物とはどのようなものか
3.細胞とはどのようなものか
4.体をつくる分子にはどのようなものがあるか
5.体の中で物質はどのように変化するか
6.遺伝子と遺伝はどのように関係しているか
7.ヒトの体はどのようにできているか
8.エネルギーはどのように獲得されるか
9.ヒトはどのように運動するか
10.体の恒常性はどのように維持されるか
11.ヒトは病原体とどのようにたたかうか
12.ヒトはどのように次の世代を残すか
13.ヒトはどのように進化してきたか
14.ヒトをとりまく環境はどのようになっているか
15.ヒトはどのような生き物か
まえがき (pdfファイル)
1.生物学とはどのような学問か
1.1 生物学の扱う内容
1.2 生物学と人間
1.3 生物学の方法
1.3.1 観察と記載
1.3.2 比較と帰納
1.3.3 仮説と実験
1.4 生物学の歴史
1.4.1 アリストテレスから中世まで
1.4.2 中世から近世まで
1.4.3 細胞説,進化論,生理学の発展
1.4.4 20世紀の生物学
【発展】研究における客観性
2.生命とはなにか,生物とはどのようなものか
2.1 生物の基本的性質
2.1.1 細胞から構成されていること
2.1.2 代謝
2.1.3 外界の変化への対応
2.1.4 自己再生産
2.1.5 進化
2.1.6 遺伝物質
2.1.7 ウイルス
2.2 生物の階層性
2.2.1 分子から細胞まで
2.2.2 組織,器官,個体
2.2.3 種とそれ以上の階層
2.3 生物と生命
2.3.1 生物と生命はどのようにちがうか
2.3.2 生命の尊重ということ
【発展】プリオンは生物か
3.細胞とはどのようなものか
3.1 細胞の大きさと構造
3.1.1 細胞の大きさ
3.1.2 細胞の構造
3.1.3 細胞膜
3.2 細胞の内部構造
3.2.1 核
3.2.2 ミトコンドリア
3.2.3 葉緑体
3.2.4 リボソーム
3.2.5 小胞体とゴルジ体
3.2.6 リソソーム
3.3 細胞骨格と細胞分裂
3.3.1 細胞骨格
3.3.2 細胞分裂
【発展】原核細胞と原核生物
4.体をつくる分子にはどのようなものがあるか
4.1 水の重要性
4.2 アミノ酸とタンパク質
4.2.1 アミノ酸
4.2.2 タンパク質の構造と機能
4.3 核酸と糖質
4.3.1 核酸
4.3.2 糖質
4.4 脂質
4.4.1 脂質と脂肪
4.4.2 リン脂質と糖脂質
4.4.3 ステロイド
4.5 生体内の微量成分
【発展】ビタミン
5.体の中で物質はどのように変化するか
5.1 酵素の働きと性質
5.1.1 酵素の働き
5.1.2 酵素の性質
5.2 グルコースからのエネルギーの獲得
5.2.1 エネルギー獲得の道筋
5.2.2 ATPとはどのようなものか
5.2.3 解糖系とクエン酸回路
5.2.4 ミトコンドリアと電子伝達系
5.3 その他の栄養素とエネルギー
5.3.1 脂質やタンパク質からのエネルギー獲得
5.3.2 発酵と腐敗
5.4 生体高分子の合成
5.4.1 異化と同化
5.4.2 グリコーゲン生合成
【発展】 酵素の分類と働き
6.遺伝子と遺伝はどのように関係しているか
6.1 遺伝子の本体としてのDNA
6.1.1 DNAの構造と遺伝子
6.1.2 塩基とアミノ酸
6.1.3 DNAからRNAへの転写
6.2 翻訳とタンパク質の行方
6.2.1 リボソームとリボソームRNA
6.2.2 翻訳と転移RNA
6.2.3 セントラルドグマ
6.2.4 タンパク質の行方
6.3 DNAの複製と突然変異
6.3.1 DNAの複製
6.3.2 DNAの突然変異
6.4 遺伝の法則
6.4.1 遺伝とはどのようなことか
6.4.2 親から子への遺伝子の伝わり
6.4.3 ヒトの遺伝のわかりやすい例
【発展】遺伝子工学とヒトの遺伝子の改変
遺伝子工学の方法
DNAクローニング
ヒト遺伝子の改変
7.ヒトの体はどのようにできているか
7.1 細胞と組織
7.1.1 単細胞生物と多細胞生物
7.1.2 組織とはなにか
7.2 脊椎動物の組織
7.2.1 上皮組織
7.2.2 結合組織
7.2.3 神経組織と筋組織
7.2.4 組織と器官
7.3 生物における階層性
7.3.1 分子から細胞へ
7.3.2 階層ごとの法則性
【発展】個体を超えた階層
8.エネルギーはどのように獲得されるか
8.1 酸素の取り込みと利用
8.1.1 酸素の働き
8.1.2 体内への酸素の取り込み
8.1.3 細胞への酸素の供給と二酸化炭素の排出
8.2 食物の利用とエネルギーの生産
8.2.1 消化器系
8.2.2 肝臓と膵臓
8.2.3 エネルギー源としての食物
【発展】肝臓の構造と働き
9.ヒトはどのように運動するか
9.1 感覚系
9.1.1 感覚器官の働き
9.1.2 視覚
9.1.3 聴覚
9.2 神経系
9.2.1 神経系の概略
9.2.2 刺激の伝導
9.2.3 刺激の伝達とシナプス
9.3 筋肉の収縮
9.3.1 筋肉の構造
9.3.2 筋収縮の分子機構
【発展】高次神経活動
10.体の恒常性はどのように維持されるか
10.1 自律神経系
10.1.1 自律神経系の働き
10.1.2 交感神経系と副交感神経系
10.2 ホルモン
10.2.1 ホルモンと内分泌系
10.2.2 ホルモン受容体
10.2.3 フィードバック
10.3 ホメオスタシスの実際
10.3.1 血糖値の調節
10.3.2 体温の調節
10.3.3 血中Ca2+濃度の調節
【発展】 ホルモン様物質
11.ヒトは病原体とどのようにたたかうか
11.1 免疫とはどのようなことか
11.1.1 自然免疫
11.1.2 獲得免疫
11.1.3 細胞性免疫
11.1.4 抗原と抗体
11.2 免疫担当細胞とサイトカイン
11.2.1 免疫担当細胞
11.2.2 サイトカインと補体
11.3 移植免疫と免疫に関わる病気
11.3.1 移植免疫
11.3.2 自己免疫疾患と免疫不全症
11.4 病原体の種類と病気
11.4.1 ウイルス
11.4.2 バクテリア
11.4.3 原生生物と真菌類
【発展】抗体の多様性を生むしくみ
12.ヒトはどのように次の世代を残すか
12.1 ヒトのライフサイクル
12.1.1 ライフサイクルとはなにか
12.1.2 ヒトのライフサイクルの概略
12.2 ヒトの生殖と初期発生
12.2.1 精子形成
12.2.2 卵形成
12.2.3 受精
12.2.4 卵割,着床,原腸形成
12.3 器官形成と細胞分化
12.3.1 器官形成
12.3.2 細胞分化
12.4 出産と乳幼児期
12.4.1 出産
12.4.2 乳幼児期の発達
12.4.3 青年期,壮年期,老年期
【発展】幹細胞
13.ヒトはどのように進化してきたか
13.1 生命の起原と初期の進化
13.1.1 化学進化と生命の起原
13.1.2 多細胞生物の出現とカンブリア紀の大放散
13.2 脊椎動物の進化
13.2.1 魚類,両生類,爬虫類
13.2.2 新生代における哺乳類の適応放散と霊長類
13.3 ヒトの進化とヒトの特性
13.3.1 ヒトの進化
13.3.2 ヒトの進化と文化,文明
13.3.3 ヒトの特性
【発展】進化のしくみ−自然選択説
14.ヒトをとりまく環境はどのようになっているか
14.1 環境とニッチ
14.2 食物連鎖と物質循環
14.2.1 食物連鎖
14.2.2 光合成
14.2.3 炭素循環
14.2.4 窒素循環
14.3 環境とヒトの関わり
14.3.1 作用と反作用
14.3.2 温暖化
14.3.3 熱帯雨林の縮小と砂漠化
14.3.4 大気汚染とオゾン層の減少
14.3.5 生物多様性の低下
【発展】生態系の遷移
15.ヒトはどのような生き物か
15.1 脳の発達に基づく性質
15.1.1 脳容量の増大と脳の構造変化
15.1.2 言語と道具の使用
15.2 文化の進化
15.2.1 文化とはなにか
15.2.2 文化の起原
15.2.3 倫理と利他的行動
15.3 ヒトの未来
15.3.1 ヒトという種の寿命と人口
15.3.2 遺伝子操作と環境改変
【発展】社会生物学
参考書
索引 (pdfファイル)
POINT
バイオインフォマティクス
学名
対照実験
地動説
フック
有機物
分子量
プリオン
ラミンとラミノパチー
相同染色体
プラスミド
必須アミノ酸
グリコサミノグリカン
モル
遺伝子の機能をもたないDNA
逆転写酵素
性染色体
一卵性双生児
親子の血液型6
制限酵素
分泌腺
鎌状赤血球貧血症
肺胞
網膜
グリア細胞
うつ病と神経伝達物質
交感神経系と副交感神経系
ランゲルハンス島
リゾチーム
エイズ
卵と卵子
ミトコンドリアDNA
胎盤
神経細胞の数
RNAワールド
共生説
最古の哺乳類化石
ネアンデルタール人
獲得形質遺伝
ニッチ
光合成をするバクテリア
温室効果ガス
大絶滅
ブローカ野
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八杉 貞雄
やすぎ さだお
1966年 東京大学理学部卒業。東京大学大学院理学系研究科修士課程中退。東京大学助手・助教授、東京都立大学教授、首都大学東京教授(大学改組)、帝京平成大学教授、京都産業大学教授などを歴任。主な著書に『ベーシックマスター 発生生物学』(共著、オーム社)、『医学・薬学系のための基礎生物学』(共著、講談社)、『スター 生物学』(監訳、東京化学同人)などがある。
(情報は初版刊行時のものです)
ワークブック ヒトの生物学
動物の形態
人間のための 一般生物学
新版 生物学と人間
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