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ヒトを理解するための 生物学(改訂版)
Introduction to Human Biology −revised edition−
東京都立大学名誉教授 理博 八杉貞雄 著
B5判/168頁/3色刷/定価2420円(本体2200円+税10%)/2021年8月発行
ISBN 978-4-7853-5242-4
C3045
本書の旧版は、2013年の初版刊行以来、幸いに多くの大学等で教科書として採用していただき、こんにちに至っている。その間、採択していただいた先生方や、採択には至らなかった先生方から、内容に関する種々のご指摘・ご意見を頂戴してきた。本書は、それらのご要望にお応えするとともに、資料を新しくし、分かりにくい記述も改め、教科書としてより使いやすく改訂したものである。
主な修正点は、ヒトの健康や病気に関する記述を増やしたこと、高等学校の学習内容の振り返りを多くして理解しやすいようにしたこと、一方で現在の生命科学を理解する上で必要な先端的な内容も増やしたこと、学習の助けとなるよう、本文中の重要用語や略語に英訳を付けたこと、などである。
ただし、ヒトを理解するためには、その基盤にある生物学の正確な知識が必要であるという、旧版の考え方はしっかりと踏襲されている。
本書には、『ワークブック ヒトの生物学』という姉妹書があり、それとともに学習していただくと、ヒトの生物学の理解がより容易になると思われる。
著者からのメッセージ
◎ 刊行にあたって(本書を教科書としてご検討される先生へ) (pdfファイル)
サポート情報
◎ 旧版(2013年9月発行)の紹介ページ
◎ 教科書採用の先生方に講義用の図表ファイルや自習用レジュメ動画(YouTube)をご用意しました。
文字抜きの画像も用意してあります。またファイルや動画のご利用は講義のみに限らせていただきます。
◎ まえがき/改訂にあたって
◎ 索引 (以上 pdfファイル)
◎ 正誤表 (pdfファイル)
1.生物学とはどのような学問か
2.生命とはなにか,生物とはどのようなものか
3.細胞とはどのようなものか
4.体をつくる分子にはどのようなものがあるか
5.体の中で物質はどのように変化するか
6.遺伝子と遺伝はどのように関係しているか
7.ヒトの体はどのようにできているか
8.エネルギーはどのように獲得されるか
9.ヒトはどのように運動するか
10.体の恒常性はどのように維持されるか
11.ヒトは病原体とどのようにたたかうか
12.ヒトはどのように次の世代を残すか
13.ヒトはどのように進化してきたか
14.ヒトをとりまく環境はどのようになっているか
15.ヒトはどのような生き物か
まえがき/改訂にあたって (pdfファイル)
1.生物学とはどのような学問か
1.1 生物学の扱う内容
1.2 生物学と人間
1.3 生物学の方法
1.3.1 観察と記載
1.3.2 比較と帰納
1.3.3 仮説と実験
1.4 生物学の歴史
1.4.1 アリストテレスから中世まで
1.4.2 中世から近世まで
1.4.3 細胞説,進化論,生理学の発展
1.4.4 20世紀の生物学
1.4.5 21世紀の生物学
【発展】研究における客観性
2.生命とはなにか,生物とはどのようなものか
2.1 生物の基本的性質
2.1.1 細胞から構成されていること
2.1.2 代謝
2.1.3 外界の変化への対応
2.1.4 自己再生産
2.1.5 進化
2.1.6 遺伝物質
2.1.7 ウイルス
2.2 生物の階層性
2.2.1 分子から細胞まで
2.2.2 組織,器官,個体
2.2.3 種とそれ以上の階層
2.3 生物と生命
2.3.1 生物と生命はどのように違うか
2.3.2 生命の尊重ということ
【発展】プリオンは生物か
3.細胞とはどのようなものか
3.1 細胞の大きさと構造
3.1.1 細胞の大きさ
3.1.2 細胞の構造
3.1.3 細胞膜
3.2 細胞の内部構造
3.2.1 核
3.2.2 ミトコンドリア
3.2.3 葉緑体
3.2.4 リボソーム
3.2.5 小胞体とゴルジ体
3.2.6 リソソーム
3.3 細胞骨格と細胞分裂
3.3.1 細胞骨格
3.3.2 細胞分裂
【発展】原核細胞と原核生物
4.体をつくる分子にはどのようなものがあるか
4.1 水の重要性
4.2 アミノ酸とタンパク質
4.2.1 アミノ酸
4.2.2 タンパク質の構造と機能
4.3 核酸と糖質
4.3.1 核酸
4.3.2 糖質
4.4 脂質
4.4.1 脂質と脂肪
4.4.2 リン脂質と糖脂質
4.4.3 ステロイド
4.5 生体内の微量成分
【発展】ビタミン
5.体の中で物質はどのように変化するか
5.1 酵素の働きと性質
5.1.1 酵素の働き
5.1.2 酵素の性質
5.2 グルコースからのエネルギーの獲得
5.2.1 エネルギー獲得の道筋
5.2.2 ATPとはどのようなものか
5.2.3 解糖系とクエン酸回路
5.2.4 ミトコンドリアと電子伝達系
5.3 その他の栄養素とエネルギー
5.3.1 脂質やタンパク質からのエネルギー獲得
5.3.2 発酵と腐敗
5.4 生体高分子の合成
5.4.1 異化と同化
5.4.2 グリコーゲン生合成
【発展】 酵素の分類と働き
6.遺伝子と遺伝はどのように関係しているか
6.1 遺伝子の本体としてのDNA
6.1.1 DNAの構造と遺伝子
6.1.2 塩基とアミノ酸
6.1.3 DNAからRNAへの転写
6.2 翻訳とタンパク質の行方
6.2.1 リボソームとリボソームRNA
6.2.2 翻訳と転移RNA
6.2.3 セントラルドグマ
6.2.4 タンパク質の行方
6.3 DNAの複製と突然変異
6.3.1 DNAの複製
6.3.2 DNAの突然変異
6.4 ヒトの遺伝と遺伝子
6.4.1 遺伝とはどのようなことか
6.4.2 親から子への遺伝子の伝わり
6.4.3 ヒトの遺伝のわかりやすい例
【発展】遺伝子工学とヒトの遺伝子の改変
遺伝子工学の方法
DNAクローニング
ヒト遺伝子の改変とゲノム編集
7.ヒトの体はどのようにできているか
7.1 細胞と組織
7.1.1 単細胞生物と多細胞生物
7.1.2 組織とはなにか
7.2 脊椎動物の組織
7.2.1 上皮組織
7.2.2 結合組織
7.2.3 神経組織と筋組織
7.2.4 組織と器官
7.3 生物における階層性
7.3.1 分子から細胞へ
7.3.2 階層ごとの法則性
【発展】組織間の相互作用
8.エネルギーはどのように獲得されるか
8.1 酸素の取り込みと利用
8.1.1 酸素の働き
8.1.2 体内への酸素の取り込み
8.1.3 細胞への酸素の供給と二酸化炭素の排出
8.2 食物の利用とエネルギーの生産
8.2.1 消化器系
8.2.2 肝臓と膵臓
8.2.3 エネルギー源としての食物
【発展】肝臓の構造と働き
9.ヒトはどのように運動するか
9.1 感覚系
9.1.1 感覚器官の働き
9.1.2 視覚
9.1.3 聴覚
9.2 神経系
9.2.1 神経系の概略
9.2.2 刺激の伝導
9.2.3 刺激の伝達とシナプス
9.3 筋肉の収縮
9.3.1 筋肉の構造
9.3.2 筋収縮の分子機構
【発展】脳による運動制御と高次神経活動
10.体の恒常性はどのように維持されるか
10.1 自律神経系
10.1.1 自律神経系の働き
10.1.2 交感神経系と副交感神経系
10.2 ホルモン
10.2.1 ホルモンと内分泌系
10.2.2 ホルモン受容体
10.2.3 フィードバック
10.3 ホメオスタシスの実際
10.3.1 血糖値の調節
10.3.2 体温の調節
10.3.3 血中カルシウムイオン(Ca2+)濃度の調節
【発展】 ホルモン様物質
11.ヒトは病原体とどのようにたたかうか
11.1 免疫とはどのようなことか
11.1.1 自然免疫
11.1.2 獲得免疫
11.1.3 細胞性免疫
11.1.4 抗原と抗体
11.2 免疫担当細胞とサイトカイン
11.2.1 免疫担当細胞
11.2.2 サイトカインと補体
11.3 移植免疫と免疫に関わる病気
11.3.1 移植免疫
11.3.2 自己免疫疾患と免疫不全症
11.4 病原体の種類と病気
11.4.1 ウイルス
11.4.2 バクテリア
11.4.3 原生生物と真菌類
【発展】抗体の多様性を生むしくみ
12.ヒトはどのように次の世代を残すか
12.1 ヒトのライフサイクル
12.1.1 ライフサイクルとはなにか
12.1.2 ヒトのライフサイクルの概略
12.2 ヒトの生殖と初期発生
12.2.1 精子形成
12.2.2 卵形成
12.2.3 受精
12.2.4 卵割,着床,原腸形成
12.3 器官形成と細胞分化
12.3.1 器官形成
12.3.2 細胞分化
12.4 出産から老年期まで
12.4.1 出産
12.4.2 乳幼児期の発達
12.4.3 青年期,壮年期,老年期
【発展】幹細胞
13.ヒトはどのように進化してきたか
13.1 生命の起原と初期の進化
13.1.1 化学進化と生命の起原
13.1.2 多細胞生物の出現とカンブリア紀の大放散
13.2 脊椎動物の進化
13.2.1 魚類,両生類,爬虫類
13.2.2 新生代における哺乳類の適応放散と霊長類
13.3 ヒトの進化とヒトの特性
13.3.1 ヒトの進化
13.3.2 ヒトの進化と文化,文明
13.3.3 ヒトの特性
【発展】進化のしくみ−自然選択説
14.ヒトをとりまく環境はどのようになっているか
14.1 環境とニッチ
14.2 食物連鎖と物質循環
14.2.1 食物連鎖
14.2.2 光合成
14.2.3 炭素循環
14.2.4 窒素循環
14.3 環境とヒトの関わり
14.3.1 作用と反作用
14.3.2 温暖化
14.3.3 熱帯雨林の縮小と砂漠化
14.3.4 大気汚染とオゾン層の減少
14.3.5 生物多様性の低下
【発展】生態系の遷移
15.ヒトはどのような生き物か
15.1 脳の発達に基づく性質
15.1.1 脳容量の増大と脳の構造変化
15.1.2 言語と道具の使用
15.2 文化の進化
15.2.1 文化とはなにか
15.2.2 文化の起原
15.2.3 倫理と利他的行動
15.3 ヒトの未来
15.3.1 ヒトという種の寿命と人口
15.3.2 遺伝子操作と環境改変
【発展】社会生物学
参考書
索引 (pdfファイル)
POINT
バイオインフォマティクス
学名
対照実験
地動説
フック
有機物
分子量
プリオン
ラミンとラミノパチー
ミトコンドリア病
相同染色体
プラスミド
必須アミノ酸
ウラシル(U)
グリコサミノグリカン
モル
遺伝子の機能をもたないDNA
転写
逆転写酵素
鎌状赤血球貧血症
性染色体
一卵性双生児
親子の血液型
優性
制限酵素
ゲノム編集
分泌腺
脳梗塞
肺胞
網膜
グリア細胞
うつ病と神経伝達物質
交感神経系と副交感神経系
ランゲルハンス島
生活習慣病
熱中症
北欧人と日光浴
腎透析
リゾチーム
サイトカインストーム
アレルギー性疾患
エイズ
卵と卵子
ミトコンドリアDNA
胎盤
先天異常
出産予定日
神経細胞の数
フレイル
RNAワールド
共生説
最古の哺乳類化石
ネアンデルタール人
獲得形質遺伝
ニッチ
光合成をするバクテリア
人新世
温室効果ガス
大絶滅
外来種
ブローカ野
長命な種
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八杉 貞雄
やすぎ さだお
1966年 東京大学理学部卒業。東京大学大学院理学系研究科修士課程中退。東京大学助手・助教授、東京都立大学教授、首都大学東京教授(大学改組)、帝京平成大学教授、京都産業大学教授などを歴任。主な著書・訳書に『発生生物学』(共編、オーム社)、『医学・薬学系のための基礎生物学』(共著、講談社)、『発生システムのダイナミクス』(共編、共立出版)、『モリス生物学』『ビジュアルコア生物学』(以上 監訳、東京化学同人)などがある。
(情報は初版刊行時のものから一部修正しています)
ワークブック ヒトの生物学
動物の形態
人間のための 一般生物学
新版 生物学と人間
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