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基礎分子遺伝学・ゲノム科学
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◆本書の特徴◆
1)第I部 基礎編と第II部 応用編を密な相互参照で結びつける.
2)多数の「側注」で術語の意味・由来・変遷などを解説する.
3)多彩な図表とイラストで視覚的な理解を助ける. |
◎ 教科書採用の先生方に講義用の図表ファイルをご用意しました.(2020/6/11更新)
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◎ はじめに (pdfファイル)
◎ 索引 (pdfファイル)
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第I部 基礎編 分子遺伝学のセントラルドグマ
1.遺伝学の基礎概念 −トンビはタカを生まない−
2.核酸の構造とゲノムの構成 −静と動のヤヌス神−
3.複製:DNAの生合成 −生命40億年の連なり−
4.損傷の修復と変異 −過ちを改める勇気−
5.転写:RNAの生合成 −格納庫から路上ライブへ−
6.翻訳:タンパク質の生合成 −異なる言語の異文化体験−
7.転写調節(基本を細菌で) −デジタル制御の生命−
第II部 応用編 ヒトゲノム科学への展開
8.発現調節(ヒトなど動物への拡張)−複雑系の重層的秩序−
9.発生とエピジェネティクス −メッセージが作る身体−
10.RNAの多様な働き −小粒だがピリリと辛い−
11.動く遺伝因子とウイルス −越境するさすらいの吟遊詩人−
12.ヒトゲノムの全体像 −ジャンクな余裕が未来を拓く−
13.ゲノムの変容と進化 −遺伝子の冒険−
14.病気の遺伝的要因 −ゲノムで読み解く生老病死−
はじめに (pdfファイル)
第I部 基礎編 分子遺伝学のセントラルドグマ
1.遺伝学の基礎概念 −トンビはタカを生まない−
1・1 遺伝子は「遺伝」だけでなく「発現」にも働く
1・2 メンデルの「遺伝子」は数十年後に再発見された
1・3 遺伝子の物質的実体は核酸である
1・4 生命科学は,物質 → エネルギー → 情報の順に展開した
1・5 多くの細胞は2セットの遺伝情報をもつ
1・6 遺伝子型と発現型は1対1対応しない
1・7 メンデルの遺伝子モデルはメンデルの法則から逸脱する現象も扱える
2.核酸の構造とゲノムの構成 −静と動のヤヌス神−
2・1 核酸はヌクレオチドが重合した高分子である
2・2 DNAは安定でRNAは活発である
2・3 遺伝子は内部構造も多数の連なりも一次元的である
2・4 ヒトゲノムは核ゲノムとミトコンドリアゲノムからなる
2・5 真核生物の染色体はDNAとともに同量のタンパク質からなる
3.複製:DNAの生合成 −生命40億年の連なり−
3・1 DNAは半保存的に複製される
3・2 DNAの重合反応には基質の他に鋳型とプライマーも必要である
3・3 DNAポリメラーゼは二機能酵素である
3・4 生体内のDNA複製には,その他の多様な酵素・タンパク質も働く
3・4・1 開始
3・4・2 伸長
3・4・3 終結
3・5 末端複製問題は細胞の寿命を左右する
4.損傷の修復と変異 −過ちを改める勇気−
4・1 DNA損傷の原因には化学物質・放射線・複製ミスなどがある
4・2 DNAの変異には置換・欠失・挿入などの種類がある
4・3 DNAの損傷は大小の多重なしくみで修復される
4・3・1 直接的修復
4・3・2 除去修復
4・3・3 二本鎖DNAの同時修復
4・4 DNAを改変する組換えと保守する修復には類似点がある
5.転写:RNAの生合成 −格納庫から路上ライブへ−
5・1 核酸2種類の小さな化学的違いが大きな生物学的違いをもたらす
5・2 転写の基本は複製と共通だが,素早い生成に特化している
5・2・1 開始
5・2・2 伸長
5・2・3 終結
5・3 真核生物では,転写のしくみに細菌と5つの違いがある
5・4 真核生物のmRNAは3種類の加工を受けて成熟する
5・4・1 5´末端:キャップ形成
5・4・2 3´末端:ポリA尾部
5・4・3 中間:RNAスプライシング
5・5 rRNAとtRNAは,原核生物でも転写後に加工され成熟する
6.翻訳:タンパク質の生合成 −異なる言語の異文化体験−
6・1 塩基配列からアミノ酸配列への翻訳は,遺伝暗号表に基づく
6・2 tRNAは,コドンとアミノ酸を結びつけるアダプター分子である
6・3 リボソームは,ポリペプチドを正確に合成する能動的な場である
6・4 翻訳も開始・伸長・終結の3段階に分けられる
6・4・1 開始
6・4・2 伸長
6・4・3 終結
6・4・4 真核細胞での違い
7.転写調節(基本を細菌で) −デジタル制御の生命−
7・1 遺伝子の発現は主に転写の抑制と活性化で調節される
7・2 ラクトース-オペロンはラクトースで活性化される
7・3 トリプトファン-オペロンはトリプトファンで抑制される
7・4 転写調節因子はヘリックスで主溝から塩基配列を識別する
7・5 転写後にもタンパク質やRNAで発現調節するしくみがある
7・5・1 シス作用のRNA:リボスイッチなど
7・5・2 トランス作用のRNA:sRNA(アンチセンスRNA)
7・5・3 トランス作用のタンパク質
第II部 応用編 ヒトゲノム科学への展開
8.発現調節(ヒトなど動物への拡張)−複雑系の重層的秩序−
8・1 多細胞生物の発現調節は,環境適応の他,細胞分化でも重要である
8・2 細胞の分化は,ゲノム情報が不変のまま,発現パターンの変化で起こる
8・3 真核生物では原核生物より転写調節のしくみが複雑である
8・3・1 RNAポリメラーゼ
8・3・2 基本転写因子
8・3・3 転写(調節)因子
8・3・4 介在因子など
8・3・5 クロマチン再構成複合体
8・4 DNAやヒストンの化学修飾も大事な調節機構である
8・4・1 ヒストンの化学修飾
8・4・2 DNAのメチル化
8・4・3 細菌のDNA修飾
9.発生とエピジェネティクス −メッセージが作る身体−
9・1 動植物の発生は,継承と分化のバランスで進む
9・2 細胞どうしが盛んに信号物質をやり取りして発生が進行する
9・2・1 RTK経路
9・2・2 TGFβ/Smad経路
9・2・3 Wnt/β-カテニン経路
9・2・4 Hedgehog/Ci経路
9・2・5 Notch経路
9・3 哺乳類では,初期胚の細胞の一部だけが成体になる
9・4 動物の発生では,細胞内外の信号分子の濃度勾配でボディプランが決まる
9・5 エピジェネティクスは次世代の細胞に記憶を伝えるしくみ
9・6 次世代個体への継代エピジェネティクスの例も報告されている
10.RNAの多様な働き −小粒だがピリリと辛い−
10・1 RNAは翻訳・触媒・調節・生体防御など多様に働く
10・1・1 安定RNAあるいは構造RNA
10・1・2 核内RNA
10・1・3 調節RNA
10・2 マイクロRNAはmRNAの翻訳能と安定性を操作する
10・3 生体防御に役立つRNA干渉は遺伝子工学の技術にも応用される
10・4 パイRNAは生殖系列でトランスポゾンに対抗する
10・5 長鎖非翻訳RNAはX染色体不活性化をはじめさまざまに機能する
10・6 クリスパー/キャス系はウイルスに対する細菌の適応免疫機構である
10・7 クリスパー/キャス系はゲノム編集の最有力手法である
11.動く遺伝因子とウイルス −越境するさすらいの吟遊詩人−
11・1 トランスポゾンはゲノム内を転位するDNAである
11・1・1 DNAトランスポゾン(DNA transposon)
11・1・2 LTR型レトロトランスポゾン(LTR retrotransposon)
11・1・3 非LTR型レトロトランスポゾン(non-LTR retrotransposon)
11・2 遺伝因子の移動現象はトランスポゾン以外にもいろいろある
11・3 ウイルスは外殻や被膜をまとって細胞間を移動する遺伝因子
11・3・1 ウイルスの構造と組成
11・3・2 ウイルスの生活環
11・4 ウイルスより単純な単一物質の増殖因子もある
12.ヒトゲノムの全体像 −ジャンクな余裕が未来を拓く−
12・1 ヒトゲノムは24本の染色体とミトコンドリアDNAで構成される
12・1・1 核ゲノム
12・1・2 ミトコンドリアゲノム
12・1・3 散在反復配列
12・1・4 縦列反復配列
12・2 ヒト集団にはSNP・CNV・VNTRなどの遺伝的多型がある
12・3 ヒトゲノムにはネアンデルタール人やデニソワ人との混交の跡がある
12・4 チンパンジーとのゲノム比較でヒトの特徴がやっと見え始めた
12・5 ヒトゲノムには進化的適応や文明史の特徴が刻まれている
13.ゲノムの変容と進化 −遺伝子の冒険−
13・1 生命の初期進化では,酵素活性を備えた自己複製体の成立が鍵となる
13・2 ゲノムの複雑さは主に大・小規模の遺伝子重複で増す
13・3 生物の進化は遺伝子の重複・変異・分岐・混交・選択の組み合わせで起こる
13・3・1 突然変異
13・3・2 種と遺伝子の分岐
13・3・3 遺伝子の混交
13・4 生物の系統分類とゲノムの配列比較
13・5 ゲノムの生物間比較により進化の要因や全体像も考察できる
14.病気の遺伝的要因 −ゲノムで読み解く生老病死−
14・1 遺伝病にはメンデル性・多因子性・染色体異数性の3タイプがある
14・2 病因遺伝子の解明は宿命論を排して対処可能性を広げる
14・2・1 病因となる変異の種類
14・2・2 病因遺伝子の解析法
14・2・3 病因の解析例
14・2・4 ゲノム解析に基づく精密医療と遺伝子治療
14・3 がんはダーウィン的進化で過剰な増殖能を獲得した体細胞である
14・4 病気のエピジェネティクス
参考文献
索引 (pdfファイル)
坂本 順司
さかもと じゅんし
1979年 大阪大学理学部卒業.大阪大学大学院理学研究科博士後期課程修了.東海大学医学部助手,九州工業大学情報工学部助教授,同 教授等を経て現職.主な著書に『柔らかい頭のための生物化学』(コロナ社),『ゲノムから始める生物学』(培風館),『膜と界面』(分担執筆,学会出版センター)などがある.
(情報は初版刊行時のものです)
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